ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)ツメガエル・イモリでは、毎年、実験技術講習会を開催しております。概要を以下に記しますので、奮って参加をご検討下さい。
講習会使用リソース:ネッタイツメガエル
開催日時:2020年3月3日(火)13時 ~ 5日(木)12時ごろ
当センターは昭和42年に設立され、トノサマガエルやアマガエル,ツチガエル等を用いた人為倍数体や種間雑種の研究、色彩変異や性決定機構の研究、さらには西南諸島からアジア、アフリカに分布する絶滅危惧種の保存や種分化の研究等に関して業績を挙げてきました。またライフサイエンス研究に汎用されるツメガエル(ネッタイツメガエル及びアフリカツメガエル)を用いて、生殖や卵形成、発生、再生、変態、進化、内分泌撹乱物質等について研究を実施し、顕著な業績を挙げてきました。現在はゲノム編集やバイオインフォマティックス等の先端技術を駆使して、発生や再生、進化等の先鋭的基礎研究を実施すると共に、それらを基盤として医学との学際的融合分野の創生をめざしています。iPS細胞開発のもとになった「リプログラミング」のアイデアが、ツメガエルを用いた研究から生まれたように、両生類を用いた生命原理の発見とその哺乳類への応用は、基礎から応用への研究展開においてコストパフォーマンスの高い強力な戦略になります。
これらの研究に加えて、研究用リソースの収集・保存・提供事業においても、国内外において中核的役割を担ってきました。本センターは、米国ウッズホールのNXR、同国ケンタッキー大学のAGSC、および英国ポーツマス大学のEXRCと並ぶ、世界の四大両生類リソース拠点の1つです。現在、絶滅危惧種や突然変異系統、遺伝子改変系統等を含む約66種類500系統、総数約3万匹を飼育維持しており、これらはゲノム研究が加速しつつある現在、世界的に重要な遺伝子資源となっています。
平成14年から、第1期ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)の課題「ネッタイツメガエル」の中核機関として選定され、この事業は第2期末の平成24年3月まで継続しました。第3期は同年6月から新規採択課題として再スタートし、現在は第5期課題として継続しています。また、今期よりネッタイツメガエルに加えてアフリカツメガエルとイベリアトゲイモリも対象種となり、課題名が「ツメガエル・イモリ」に変更されました。
令和3年春には新たにバイオリソース棟が竣工し、自動飼育システムの整備が進められました。