STATUS
STATUS
キャラクターの上下関係のことを指します。どちらが強い、身分が高い、優位な立場に立っているなど
ここではどのような要素からステータスが高く見えるのか、どのようにすればステータスを高く見せることができるのかについてご紹介します。
映画やアニメーションにおいて、悪役や会社のボスなど動きからステータスの高さを感じられることが多いと思います。なんだかすごく偉そう、強そうなど。
それらの動きには共通点があり、高いステータスを構成する要素を満たすことで動きや表情からステータスの違いを見せることができる
・リラックス
・自由な動きでどこにいても快適さと所有感を出す
・リアクションの間を持たせる。自分の間で返答をすることで余裕を見せる
高いステータスであることを見せる為のこれらの要素を踏まえた上で以下の例をご紹介します。
「プラダを着た悪魔」
メリル・ストリープ演じるミランダの登場シーン
ミランダが予定より早くくると知った従業員たちの慌てっぷりと車からゆっくりと降りオフィスに向かっていくミランダとの対比が明らかな心の余裕の差を見せていて、序盤だけでも何かとんでもない人が現れることを予感させますね。
悪役がゆっくり拍手して登場するのはあるあるですが、こうした行動にもステータスの高さを感じさせる要素が詰まっているんですね。
カメラレイアウトを用いたキャラクターのステータスを見せ方についてご紹介します。
キャラクターの動きだけでなく、カメラでどのようにキャラクターを映すのかによってキャラクター同士の上下関係を視覚的にわかりやすくすることができます。
カメラレイアウトの仕方でステータスの低いキャラクターを高く見せるといったこともできるのでこれから紹介する要素を意識して扱う必要があります。
・カメラアングル(あおりor俯瞰)
・キャラクターの高さ(画面内で上部に位置するか下部に位置するか)
・スクリーンスペースの面積(画面内で占めるキャラクターの大きさ)
・キャラクターの位置(画面中央、左右対称)
レイアウトアーティストの若杉遼さんの投稿から引用
これらの要素から、体の小さいキャラクターをカメラレイアウトを駆使して強く見せるといったこともできるようになります。
「ラストエンペラー」
キャラクターを画面の中心に寄せれば寄せるほど観客の視線を集めます。そして、構図を左右対称にすることで安定感や固いイメージが生み出されます。これを利用して、まだ小さな子供でありながら王位についた主人公がいかに権力を持っているのかを後押ししています。
演技の項目でご紹介した「プラダを着た悪魔」の動画内でもエレベーターのドアが開くシーンでミランダが画面中央に位置し左右対称の構図になっています。また、これがミランダの顔が初めて画面にしっかり映るショットなので登場のインパクトがさらに強まっていますね。
・大きさ、シルエット
・衣装
キャラクターの大きさ、シルエットの大きさでステータスの違いを見せることができます。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」よりビフが転んで起き上がるシーン
マーティに転ばされたビフが起き上がるのですが、明らかにマーティより大きな体で覆いかぶさるほどの大きさです。
ここではカメラワークもかなりステータスをサポートしていますが、体格の違いから「強そう、怖そう」といった畏怖の感情からステータスの高いキャラクターであることを示しています。
ドリフターズのコント「サウナ」より
これはキャラクターデザインを活用してステータスの違いから面白さを出すことができる例です。
ここでいうキャラクターデザインは登場人物の体に入った刺青や傷です。日本だけの文化かもしれませんが、刺青や傷=強い、怖いといったイメージを持つことが多い傾向が多いと思われます。それを活用し、刺青の大きさや占める面積の大きさをステータスの違いとして活用しています。
始めに入ってきた人はほかのお客さんに偉そうな態度をとっていて、周りも恐れている様子。そこから、それ以上の刺青をもつ人が登場しステータスの逆転が起こり、今まで偉そうにしていた人が肩をすぼめ、足を閉じ体を小さくしています。このステータスや態度の急な変化によって生まれるギャップが面白さにつながっているのかなと個人的に思います。演技による後押しもあると思いますが、キャラクターデザインを使ったとてもわかりやすいステータスの例だと思います。
「ズートピア」よりMr. Bigの登場シーン
これはキャラクターデザインにおけるステータスのセオリーを逆手に取った例です。
大きな熊がボスかと思いきや、主人公たちよりも小さな体のボスが現れます。
ジュディはおかしそうに見ていますが、ニックの怯え方や周りの体の大きな白熊たちを従えてるという関係性でボスがいかに恐ろしく、権力を持っている存在であることを観客に伝えています。
演技の項目でも紹介したマイペースなゆっくりとした動き、何事にも動じず淡々と話す堂々とした振る舞いからもボスが高いステータスを持っていることを示していますね。
このようにあえてステータスの高いキャラクターを小さくして、どこかクスッと笑えるようなギャップや隙を与えることで新鮮さや好感を持てるのかもしれないです。