タマキビ

Littorina brevicula (Philippi, 1844)

レア度:いつでも見られる

形態:ソロバン玉型の小型巻貝で、最大1.5㎝程度まで成長する。貝殻表面には隆起したすじを数本巻いており、その間隔は広い。貝殻は暗褐色で、幼貝は一様な色をしているが、たいていは成長とともに白斑が現れる。また、白い縞模様の個体も混じる。雌雄異体。

生息域:日本各地および朝鮮半島から中国南部に分布し、潮間帯の岩礁に生息する。七重浜では、堤防の石積み部分に群がっている。

生態:普段は海水面より高い位置に群れるため、"水嫌い"な貝として有名だが、繁殖期には下降し (Kojima 1959)、水面下で交尾が行われる (Son & Hong 1998)。繁殖期は冬から春であり、雌は円盤型の浮遊卵を放出する (小島 1957; 山口 1967; Son & Hong 1998)。植食性であり、微小藻類、アオサ類、ウシケノリ類を食べる (木崎 1987)。

その他:水槽で飼うとすぐ外に脱走する。

2021年9月19日 りったあなたの隙間を埋めるタマキビ
2021年8月31日 りった暑い中がんばっていた
2021年9月19日 りったタマキビーず
2021年5月8日 りった水槽内で撮影
2018年10月 山上
2016年8月@臼尻 大友何をしてるんだろうか…?
2021年3月@積丹 大友
2019年5月@余市 山上何をしているのか・・・
2021年2月@大間 大友色白青森美人
2021年5月@釧路 山上クロタマキビのなかに1個体

引用文献:

  1. 小島芳男. 1957. タマキビおよびクロタマキビの繁殖. 貝類學雜誌ヴヰナス, 19: 224–229.

  2. Kojima, Y. 1959. The relation between seasonal migration and spawning of a periwinkle, Littorina brevicula (Philippi). Bulletin of the Marine Biological Station of Asamushi, Tohoku University, 9: 183–186.

  3. 山口正士. 1967. プランクトン試料中のタマキビ卵嚢. 貝類学雑誌, 25: 73–76.

  4. 木崎裕久. 1987. タマキビガイの生態 II: 歯舌の長さの周年変化と摂餌との関係. ちりぼたん, 18: 43–46.

  5. Takada, Y. 1995. Seasonal migration promoting assortative mating in Littorina brevicula on a boulder shore in Japan. Hydrobiologia, 309: 151–159.

  6. Son, M. H. & Hong, S.Y. 1998. Reproduction of Littorina brevicula in Korean waters. Marine Ecology Progress Series, 172: 215-223.