フサギンポ

Chirolophis japonicus Herzenstein, 1890

レア度:めったに見ない?

形態:頭部に房状の皮弁を密に持つニョロニョロ類。体長50㎝くらいまで大きくなるが、磯で見られるのは15~20㎝くらいの個体が多い。眼と口が大きく、かなり人間味のある顔をしている。北海道に生息する似た種類としてハナブサギンポ C. snyderi とキタフサギンポ Soldatovia polyactocephala があるが、本種には背鰭の始点の前にうろこがあることで識別できる。また他の2種は水深20m以深に生息する種であり、潮間帯付近で見かけることはないかもしれない。

生息域:北方種で、兵庫県および茨城県以北に分布する。七重浜では、突堤脇の岩礁帯でガサガサをすると小さめの個体がとれることがある。

生態:ヒメエゾボラ Neptunea arthritica のような巻貝類や多毛類を食すが、陸奥湾の個体は専らマナマコ Apostichopus armata を餌としているらしい。12月頃に繁殖期を迎え、基質に産み付けた卵をメスが保護する (塩垣, 1983)。

その他:繫殖期のオス?はだいぶアグレッシブで怖いもの知らず。臼尻では潜水調査地でよく見かけるが、ある先輩は調査に行くたびに求愛を受けていた。

2014年4月 大友
2017年1月@臼尻 大友 若魚とダイバー
2014年7月@臼尻 大友
2021年10月10日 りったこのにょろにょろもそうだろうか?

引用文献:

  1. 塩垣優, 1983. フサギンポの生活史. 魚類学雑誌 29 (4), pp. 446-455.