ナベカ

Omobranchus elegans (Steindachner, 1876)

レア度:たまに見られる

形態:体はよく側扁する。頭部の皮弁、うろこ、側線は持たない。頭部と体の前半部に特徴的な黒色横帯があり、体の後半は濃い黄色を呈し、多数の小黒点が散在する。背鰭の基底の少し上に沿って青い点列がある。胸鰭と腹鰭は白を地色として少し青味がかる。道南の魚類ではとても特徴的な模様と体色で、類似種はいない。

生息域:葛登支では水路沿いのやや深めの岩礁帯で、岩の隙間や岩に空いた穴を巣として利用していると思われる。初夏から点々と見られるようになる。

生態:威嚇や摂餌など、興奮すると頭部が黒褐色へと変化する。水が干上がるところでも、匍匐して移動する(難波, 1926)。オスが巣を構え、メスを誘引して産卵させる。その際体色が変化し、オスは体の地色が黒で白線が入り、メスは黄色で褐色の線が浮き出る(Sunobe, 1998)。

その他:

2018年7月 山上ムラサキイガイの隙間から
2018年7月 山上
2020年7月@葛登支 大友
2020年7月@葛登支 大友
2020年7月@葛登支 青木水路壁の巣穴
2015年8月@葛登支 りった
2015年8月@葛登支 りった なんかいる。。。

引用文献:

  1. 難波庄作, 1926. ナベカ(Ptroseirtes elegans)の陸上匍匐に付て. 動物学雑誌 38巻 455号 pp.321-322.

  2. T. Sunobe, 1998. Notes on the mating system of Omobranchus elegans and O. fasciolatoceps (Blenniidae) at Maizuru, Japan. Ichthyological Research 45: 319-321.