キタナミノリソコエビ

Haustorioides munsterhjelmi Oldevig, 1958

レア度:

形態:体長は1㎝ほどで、メスのほうがやや大きい。体は全体的に枯れ葉のような褐色で、複眼は白く見える。ナミノリソコエビ科 Dogielinotidae の特徴として、第1触角の柄節がとても太い、底節板が大きいこと、第3尾肢は副肢がなく切れているように見えることが挙げられる。本種はまた、第1~3副肢の後縁下端があまり尖らない (上平, 1977)。第1触覚の鞭部の各節には短毛があり、ふさふさしている。

生息域:

生態:雌雄ともに成熟には1年ほどを要し、体長1㎝くらいで繁殖に参加する。函館大森浜での研究では、幼体が孵化するのは6月頃。端脚類なので直達発生である (上平, 1990)。

その他:

2021年3月 大友 交尾前ガードペア
2021年3月 大友 交尾前ガードペア②
2021年3月 大友 オスの尾節を拡大

引用文献:

  1. 上平幸好 (1977). Haustorioides (端脚類)の日本沿岸における出現. Researches on Crustacea 8, pp. 37-45.

  2. 上平幸好 (1990). 北海道南部の砂質海岸に生息するナミノリソコエビ科端脚類の発生と生長. Researches on Crustacea 19, pp. 27-42.