空洞掘削時の地山の力学挙動や岩盤構造物の安定性を評価するうえで,岩盤内部における亀裂の発生と進展を適切に表現することは重要である.近年ではデジタルカメラの性能が向上し,高速度・高解像度で岩石破壊実験を撮影できるようになってきている.本研究では,石膏の圧裂試験を高速度カメラで撮影し,デジタル画像相関法より,面的なひずみ分布の変化を計測している.
研究担当者:
SARデータを使った地表面モニタリング
SAR(Synthetic Aperture Radar)は、航空機や人工衛星に搭載されるレーダーで、斜め下方にマイクロ波を照射し地表からの反射波を受信し、反射波の強度と位相を観測するものである。異なる2つの時期のSARデータを干渉させる(位相の差をとる)ことで、数100km2から数1000km2、あるいはそれ以上の領域の地表面の変位分布を求めることができる。
研究担当者:D1Okuto D2Abel
ダムやトンネルなどの岩盤構造物を建設する際,岩の硬軟や不連続面の状態,風化度などに応じて岩を区分する.岩級判定の定性的な手段として,地質ハンマで岩盤表面を叩き,打音や壊れ方から判定することが一般的に行われるが,判定結果に個人差が生じやすい.打音による岩級判定を自動化・定量化できれば,調査品質の向上につながるため,打音や打撃振動波形をAIに読み込ませることによって実現を目指す.
研究担当者:M2丸山 B4國澤
岩石亀裂のX線CT画像測定・評価手法の開発
原子力発電に伴う放射線廃棄物は,環境や人体の健康に多大な悪影響を及ぼす.現状で最も安全かつ有効な処分法として,放射線廃棄物を地下深部の岩盤層に埋設する「地層処分」の計画が進められている.しかし,放射線の十分な減衰には1000年以上の時間が必要であり,その間岩盤亀裂中の地下水と共に地上に放射線が到達してしまう可能性がある.本研究では,X線CT画像を用いた岩盤供試体の亀裂状況の解明にかかわる処理及び評価方法の確立を目指す.
研究担当者:M2伊藤 B4古賀
舗装版下で発生するポンピング現象について
車社会である日本において舗装は重要な公共構造物である。舗装の損傷は車の安全性、走行性を阻害するため、舗装の長寿命化はライフサイクルコストの面から課題とされている。舗装の損傷発生原因はいくつかあるがその中の一つにポンピング現象がある。ポンピング現象とは舗装に発生したひび割れから路盤材が噴出する現象である。本研究ではポンピング現象の発生過程を模型実験を通じ確認することで舗装の長寿命化を目指す。
研究担当者:M2有地 B4藥丸
近年,ゲリラ豪雨等による大雨の増加から洪水や堤防決壊といった災害が増加傾向にある.そんな豪雨災害を軽減すべく,降雨の一部を舗装版下路盤に浸透させる手法を確立する.
研究担当者:M1稲垣 B4永田
カメラ動画像を用いたトンネル坑内の粉じん濃度計測システムの開発
山岳トンネルの建設現場では,施工中に粉じんが発生するため,ガイドラインで粉じん濃度の測定が義務付けられている.しかし,多様な換気方式によって,粉じんの飛散形態は複雑になっている.加えて,現在用いられているデジタル粉じん計は,一定頻度でのメンテナンスが必要である.本研究では,メンテナンスが容易で簡便な,カメラ動画像を用いたトンネル坑内の粉じん濃度計測システムの開発を行う.
研究担当者:M2丸山
写真出典:アスファルト舗装の破損とパフォーマンス 松野三郎 著
舗装の凍結対策
寒冷地では寒気が原因で地盤内にアイスレンズが形成され,地表面が持ち上がる凍上現象が発生し舗装が損傷する原因となっている.凍上の対策を行うためにはその土地の日平均気温から算出できる凍結指数が必要になってくるが,観測所がない地域では正確な凍結指数を観測することができない.そのためこの研究では気温が既知の点のデータをもとに未知点の凍結指数の算定を行う手段を模索している.
研究担当者:
GPSを用いた堤体変位観測にもとづく大型 ロックフィルダムの変異挙動に関する研究
ダム堤体の安全監視にGPSを用いることで従来の測量手法に比べて、計測頻度や計測精度の向上、また天候に左右されない計測の安定性などの特徴があることからダム安全監視への合理化・高度化が期待されている。
研究担当者:
関連論文
Shinichiro NAKASHIMA, Norikazu SHIMIZU, Ken HIRABAYASHI, Tomohiro MASUNARI, Tomoharu IWASAKI, Masakazu ONO :Effects of Correction of Atomospheric Delays on GPS Displacement Measurements in Large Slopes ,Journal of MMIJ ,Vol.128,No.6,pp255-264,2012.
近年の日本では、気象変動により降雨量が増加しており、土砂崩れや地すべりといった斜面崩壊が多発している。斜面の安定性を調査するうえで、斜面の動きを把握することは重要であり、本研究では、GPSを用いた斜面の変位計測と計測精度の向上を行っている。また、計測結果により、斜面の動きを分析している。
研究担当者:M1水谷 B4大野
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ランニングは年齢や性別を問わず、人気の高いスポーツである。ランナーが年々増加する一方でランナーの走行する車道は車の走行のみを考慮しており、ランナーの走行を考慮していない。そこで走りやすさを着地衝撃と摩擦の二つの観点から解き明かすことでランナーが走りやすい舗装の開発を目指している.
現在は、ランナーの着地衝撃の感触は、舗装のどのような性質が影響しているのか、そして、その舗装の性質をどのような方法で評価すればよいのかを明らかにすることを目的とし、ランナーの人体に生ずる着地衝撃の大きさを測定する手法について検討している。
研究担当者: