有機化学研究室
長崎県立大学 看護栄養学部 栄養健康学科
担当 倉橋 拓也
長崎県立大学 看護栄養学部 栄養健康学科
担当 倉橋 拓也
有機化学研究室では、香りや色などを形作る特定の有機化合物に注目して研究を進めています。例えば、発酵・熟成や腐敗・劣化では、元の食材の香りや色が大きく変化していきます。これは、もともと食材に含まれていた有機化合物が化学反応を起こして全く別の有機化合物に変化している、その過程を私たちは見ています。私たちは、注目する有機化合物に最も適した化学分析手法を使って、有機化合物量の変化を精密に追跡しています。そして化学反応のトリガーになった要因を特定して、望ましい方向へ変化が生じるように化学反応をコントロールする方法の確立を目指しています。
研究室に配属された3年生には、化学分析の実地トレーニングの意味を込めて、(1)オゾンファインバブル、(2)紫外線照射、(3)超高圧加圧 の3つの人為的トリガーから1つを選んで、これらのトリガーが食材等に含まれる成分にどのような化学変化を引き起こすかをそれぞれ検討してもらっています。これら3つの研究は、担当教員が自分自身の化学研究として取り組んでいるものです。詳しくは、「研究内容」をご覧ください。
担当教員は工学部の応用化学で博士(工学)の学位を取得した後、農学部の天然物化学で博士研究員として研究に従事しました。食品の専門家ではありませんが、独自に反応装置を製作して化学反応を実施したり、食材等の天然サンプルに対して成分分析を実施する知見と技術を持っています。例えば、オゾンファインバブル反応装置は研究目的に合わせて担当教員が設計・製作したもので、世界中どこを探しても市販されていません。また超高圧加圧の研究では柑橘類の果皮を実験対象として使っていますが、加圧前後で果皮の芳香成分の化学分析を行っています。
将来的には、食と栄養に関心を持つ本学科学生と一緒に、食材加工マシーンの独自開発に取り組みたいと考えています。「富士山の上でおにぎりを」的な夢ですが、実際はどうであれ、忘れられない味になるのではないかと思っています。いきなり大きなこともできないので、手始めに果実を35%エタノール水溶液に浸漬して、スクロースやグルコース、フルクトース共存下の違いを検討することにしました。3ヶ月以上の反応時間を要する長丁場の化学反応になりますが、気長に成分変化を待っています。何か食材加工のアイデアをお持ちの方や化学分析の活用に興味をお持ちの方がおられれば、いつでもご相談ください。
研究室での研究活動は、毎年同じではなく、状況によって大きく変わっていきます。「ゼミ日誌」では、その日、研究室でどのような活動をしたか、ゼミ生とどのような議論をしたかなどを記録しています。ゼミ生と話をしている中で、思いつきで取り組んだ活動も多くあります。継続して取り組んでいないこともありますが、もしご興味をお持ちのことがあれば是非お知らせください。