多領域ダイナミクス設計研究分科会
背景・目的
背景
ターボ機械は,流力性能の向上と同時に,システムとしての信頼性向上が求められている.その信頼性に関する重要な課題の一つが安定性である.安定性は,シックスシグマやタグチメソッドなどのように品質管理や品質工学的な見地からの取り組みに加えて,不安定を引き起こす要因の追究とそれらを適切に評価して基本設計(初期設計段階)へと反映する手法を構築することが重要である.
これまでのターボ機械における流体不安定現象や回転不安定現象においては,前者は流体工学の分野,後者は回転体力学の分野から,それぞれの立場において研究・開発が行われてきた.近年では,流力性能が向上するにつれて流体励振力・ロータダイナミック流体力が回転体へ大きな影響を及ぼすようになっている.また,流体励振力に応答する回転体の挙動は,再び流体の圧力・速度・密度などに影響を及ぼす,いわゆる連成事象を誘発する.これらの諸問題への対応については,「学際的に,流体工学,回転体力学,設計工学などをダイナミクス分野で融合させて扱うこと」が効果的である.
目的
本研究会は,流体工学・回転体力学・設計工学の境界領域を「ダイナミクス設計」と称し,それに関する課題や新たな設計手法を単一領域ではなく多領域から取扱い,ターボ機械の高信頼化と安定化に寄与することを通じて,ターボ機械の発展を目指す.
具体的には,ターボ機械をインペラ・シール・軸受・シャフトなどの多種の流体機械要素から構成された動的システムとして捉え,
個々の要素の流体ダイナミクス特性を丁寧に把握し,
流体励振力とそれに応答する回転体の挙動との連成現象の解明し,
回転体が上記②の連成不安定現象を起こさない新たな設計手法を構築する
を研究会活動の中心に据える. さらに,構成委員が所属する機関からのさまざまな研究ニーズについて議論を行い,課題解決や予防設計・最適設計などについて産業界と学界の両面の観点からアプローチすることで,実設計(製品設計)へ反映させていくことを視野に入れて活動する.
構成委員と主査
この活動は,マルチフィジックスとして現象を扱うことから,産学連携(大学と企業)がとても重要である.本研究会は,流体工学・設計工学・振動工学・トライボロジー・制御工学など,多分野の技術者・研究者から構成される.
主査 :内海政春(室蘭工業大学)
副主査:井上剛志(名古屋大学)
幹事 :富松重行(株式会社 電業社機械製作所),渡邊裕輔(株式会社 荏原製作所)
副幹事:辻村奈央(NTN),村上朝吉(富士フォイトハイドロ)
委員 :ターボ機械に関連する企業,国立研究機関,大学等の技術者や研究者40名強で構成.
活動テーマ
以下の項目に関する調査研究および技術情報交換をおこなう.
ターボ機械に発生する流体不安定現象・回転不安定現象
ダイナミクスにおける連成解析手法・モデル化,および実験装置・実験手法
軸受や軸シール等の機素潤滑機構品の流体ダイナミクス特性
最適化手法や品質工学的手法によるデータ処理や設計手法
産業界からの研究ニーズや世界の最新動向
その他の関連技術
主な活動内容
・分科会会合:年3回
・企業,大学の見学,講演会
・ソフトウェアのベンチマーク
ジャーナル軸受の動特性(CFD解析,RD解析,1DCAE解析などのソフトウェアの比較と成果共有)
・産学連携コンサル
・データベース構築
・実験室見学会
・JAXAと当分科会の共同研究
入会案内
【当分科会への入会について】
研究者委員:研究機関にご所属の方でターボ機械協会の個人会員
企業委員 :関連企業にご所属の個人会員または所属企業が特別会員
であることを入会の条件としています.
入会を希望される方は,ターボ機械協会事務局にお問い合わせください.
分科会メンバー共有用
関連する学会予定一覧(随時更新しており,分科会メンバーには閲覧URL共有)
ターボ機械 特集:多領域ダイナミクス設計研究分科会の活動(2024年1月号 第52巻第1号)
ターボ機械 2024年1月号
多領域ダイナミクス設計研究分科会の活動 特集号が発行されました.当分科会のこれまでの活動が1冊でわかるものとなっています.ぜひ御覧ください.
[巻頭言] 渡邊裕輔(株式会社 荏原製作所),「多領域ダイナミクス設計研究分科会」特集,ターボ機械,2024/1特集号,pp.3
[分科会報告] 内海政春(室蘭工業大学),井上剛志(名古屋大学),渡邊裕輔(株式会社 荏原製作所),富松重行(株式会社 電業社機械製作所),多領域ダイナミクス設計研究分科会の設立目的と活動概要,ターボ機械,2024/1特集号,pp.4-7
[展望・解説] 渡邊裕輔(株式会社 荏原製作所),井上剛志(名古屋大学),内海政春(室蘭工業大学),富松重行(株式会社 電業社機械製作所),多領域ダイナミクスに基づく総合討論型ベンチマーク活動と展望,ターボ機械,2024/1特集号,pp.8-16
[展望・解説] 富松重行(株式会社 電業社機械製作所),内海政春(室蘭工業大学),井上剛志(名古屋大学),渡邊裕輔(株式会社 荏原製作所),次世代の多領域ダイナミクスを拓く分科会セミナーと若手育成講演会,ターボ機械,2024/1特集号,pp.17-22
[展望・解説] 藪井将太(東京都市大学),富松重行(株式会社 電業社機械製作所),井上剛志(名古屋大学),制御工学に基づくシステムモデリング,ターボ機械,2024/1特集号,pp.23-29
[展望・解説] 内海政春(室蘭工業大学),井上剛志(名古屋大学),課題解決や技術相談に関する産学連携の取り組み,ターボ機械,2024/1特集号,pp.30-32
[展望・解説] 井上剛志(名古屋大学),内海政春(室蘭工業大学),富松重行(株式会社 電業社機械製作所),渡邊裕輔(株式会社 荏原製作所),渡邉聡(九州大学),多領域ダイナミクスの観点から観たターボ機械の実験見学会の実施状況と展望,ターボ機械,2024/1特集号,pp.33-45
[展望・解説] 内海政春(室蘭工業大学),畠中清史(九州工業大学),田浦裕生(近畿大学),富松重行(株式会社 電業社機械製作所),渡邊裕輔(株式会社 荏原製作所),多領域問題としてのRD流体力(理論解析・数値計算技術の変遷と展望),ターボ機械,2024/1特集号,pp.46-58
[巻頭言] 多領域ダイナミクス設計研究分科会
[分科会報告] 多領域ダイナミクス設計研究分科会の設立目的と活動概要
[展望・解説] 多領域ダイナミクスに基づく総合討論型ベンチマーク活動と展望
[展望・解説] 多領域ダイナミクスを拓く分科会セミナーと若手育成講演会
[展望・解説] 制御工学に基づくシステムモデリング
[展望・解説] 課題解決や技術相談に関する産学連携の取り組み
[展望・解説] 多領域ダイナミクスの観点から観たターボ機械の実験見学会の実施状況と展望
[展望・解説] 多領域問題としてのRD流体力(理論解析・数値計算技術の変遷と展望)
活動記録と次回
次回 第21回(2024年度 第3回) 2024年3月7日@三菱重工長崎 予定
New 第20回(2024年度 第2回) 2024年12月6日@神奈川県厚木市
第19回(2024年度 第1回) 2024年7月10-11日@刈谷市,碧南市
第18回(2023年度 第3回) 2024年3月1日@広島駅近くの会議室
ターボ機械 「多領域ダイナミクス設計研究分科会の活動」 発行(2024/1月号)
第17回(2023年度 第2回) 2023年12月1日@長浜製作所
第16回(2023年度 第1回) 2023年7月20-21日@北海道大樹町とWebのハイブリッド開催
第15回(2022年度 第3回) 2023年3月17日@Webと博多市会議室のハイブリッド開催
第14回(2022年度 第2回) 2022年12月10日@Webと川崎市会議室のハイブリッド開催
第13回(2022年度 第1回) 2022年7月22日@Webと名古屋大学のハイブリッド開催
第12回(2021年度 第3回) 2021年3月18日@Webと川崎市会議室のハイブリッド開催
第11回(2021年度 第2回) 2021年12月3日@Webと川崎市会議室のハイブリッド開催
第10回(2021年度 第1回) 2021年07月16日@Webと川崎市会議室のハイブリッド開催
第9回(2020年度 第3回) 2021年03月09日@Webと川崎市会議室のハイブリッド開催
第8回(2020年度 第2回) 2020年12月16日@Web開催
第7回(2020年度 第1回) 2020年09月11日@Web開催
(コロナウィルス感染症で中止)第6回(2019年度 第3回) 2020年03月13日@博多
第5回(2019年度 第2回) 2019年12月20日@早稲田大学
第20回(2024年度 第2回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2024年12月6日(金) 神奈川県厚木市(現地開催のみ)
場所:午前 トラスコ中山 見学会
場所:午後 東海大厚木キャンパス 落合研 見学,分科会会合
概要,写真は近日追加更新予定
次回以降の分科会予定
・2025年3月上旬を予定している.場所は三菱重工長崎の予定.詳細は別途展開.
第19回(2024年度 第1回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2024年7月10,11日(水,木) 愛知県刈谷市,碧南市(現地開催のみ)
場所:7月10日(水)14:00-17:30 PDエアロスペース株式会社R&Dセンター 見学会
場所:7月11日(水)9:00-17:30 JERA碧南火力発電所(石炭火力とアンモニア20%混焼)見学,分科会会合@刈谷市産業振興センター会議室
参加人数:26 名(オブザーバ参加を含む)
見学会
・7月10日にPDエアロスペースR&Dセンターを訪問し,開発品の展示(飛行実験機など)の見学,およびファクトリーツアーをおこなった.また,PDエアロスペース様の事業・技術開発などをご説明いただき,活発なディスカッションがおこなわれた.
・7月11日にJERA碧南石炭火力発電所を訪問し,発電所の概要や発電の仕組みなどをご説明いただいた.また,アンモニア混焼実証試験や今後の取り組みなども解説していただいた.その後,発電所内(1号機から5号機のタービン建屋やボイラ建屋,貯炭場,アンモニア発電関連施設など)の見学をおこなった.
講演および技術紹介
・JERA石光桂太様から,「風力状態監視とデジタルツインへの展開」と題して講演いただいた.カーボンニュートラルに向けた洋上風力発電の技術や今後の展望などについて解説があり,活発な質疑応答がおこなわれた.
審議事項&報告事項
・委員への新規加入と委員交代について審議され,承認された(複数名).また,オブザーバ参加が承認された.
・2023年度の会計決算について報告があり,承認された.
・2024年度の分科会参加費について提案があり,承認された.
・分科会運営の負荷軽減と効率化について提案があり,内規案の一部見直しの上,承認された.
・分科会開催における現地幹事の設置と役割について提案があり,副幹事および現地幹事について承認された.
・国際学会,国内学会,展示会などの情報共有がおこなわれた.
・当分科会とJAXAとの共同研究の進捗状況(WG活動)について,主査から報告があった.
・分科会データベースのこれまでのテーマに関する収集情報の共有について,副主査から説明があった.
次回以降の分科会予定
・2024年12月上旬を予定している.場所は神奈川県湘南地区で,研究室の実験装置などの見学も行う予定.詳細は別途展開.
第18回(2023年度 第3回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2024年3月1日(金)10:00~16:30
場所:広島県広島市(現地開催のみ)TKPガーデンシティPREMIUM広島駅北口
参加人数:26 名(オブザーバ参加を含む)
講演および技術紹介
・新川電機社長の新川様より、歓迎のご挨拶をいただいた。
・ターボ機械のロータ振動解析およびHILに関して,松下修己先生(防衛大学校名誉教授)からご講演いただいた.
・新川電機のポータブル振動解析システム「Kenjin」や回転機械の遠隔状態監視システム「infiSYS V-Assist」についてご説明いただいた.
審議事項&報告事項
・委員への新規加入について審議され,加入が承認された(複数名).また,新たなオブザーバ参加が承認された.
・分科会活動期間の延長申請等がおこなわれた旨,主査から報告があった.
・2024年の参加費について議論され,承認された.
・協会誌「ターボ機械」の当分科会特集号(2024年1月号)の発刊を機に,これまでの分科会活動の種々の振り返り(ソフトウェアベンチマーク,産学連携コンサルタント,実験見学会など)が報告され,今後の活動に向けて建設的な議論がおこなわれた.
・当分科会とJAXAとの共同研究の進捗状況(WG活動)について,主査から報告があった.
・あらたな分科会活動として分科会データベースの構築を試行する旨,副主査から説明があった.
・国際学会,国内学会,展示会などの情報共有がおこなわれた.
次回以降の分科会予定
・2024年7月中旬を予定している.場所は中部地区で,発電所の見学と宇宙輸送スタートアップの企業訪問も行う予定.詳細は別途展開.
第17回(2023年度 第2回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2023年12月1日(金)11:45~17:30
場所:大阪府高槻市 長浜製作所
参加人数:27 名(オブザーバ参加を含む)
工場見学および技術紹介
・ 長浜製作所社長の三村様より、歓迎のご挨拶をいただいた。
・ 長浜製作所の最新の技術開発や製品開発に関する取り組みをご紹介いただいた。
・ 長浜製作所の工場見学をおこなった.2022年8月に竣工した新しい工場の現場はどれも興味深いものであった.
当分科会とJAXAとの共同研究について
・ 共同研究契約が締結されたことが主査から報告された.
・ 室蘭工業大学(マルチボディダイナミクスとJIANTの連携)とJAXA(木材建築の耐震性にJIANTを活用)から,品質工学ツール(JIANT)を活用した研究事例紹介がおこなわれ,活発な意見交換や質疑応答がなされた.
当分科会における研究活動に関する規定について
・ 今後活発化されると予想される分科会での研究について,分科会規定(案)が主査から提示された.この規定案で運用を開始することとし,今後、必要に応じてブラッシュアップしていくこととした.
産学連携コンサルタント
・ 機械要素に関する振動現象を対象として,産学連携コンサルを実施した.大学等研究機関から出席者8名(岩壺卓三 神戸大名誉教授を含む)の参加があり,活発に討論が行われた.
その他
・ 分科会の期間延長について承認された.
・ ターボ機械協会創立50周年記念の当分科会の寄稿,および協会誌「ターボ機械」分科会特集号(2024年1月号)の寄稿について紹介があった.
次回以降の分科会予定
・ 次回は2024年3月初旬を予定しているが,詳細は別途展開.
第16回(2023年度 第1回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2023年7月20-21日(木・金)
場所:北海道大樹町/一部Zoomオンライン併催(ターボポンプ分科会と合同開催)
参加人数:40 名(多領域分科会19名,ターボポンプ分科会10名,その他11名)
7/20 分科会セミナー
話題提供
大樹町長 黒川様
Space COTAN 代表取締役社長&CEO 小田切様
インターステラテクノロジズ・ファウンダー 堀江様
インターステラテクノロジズ 金井様
全員から北海道における宇宙開発の熱さが語られ,その特別な雰囲気が会場を満たし,翌日の見学会への期待が高まったまま夜遅くまでの2分科会交流が続けられた.
7/21 分科会セミナー
話題提供
荏原製作所
7/21 パネルディスカッション【分科会横断】
ターボ機械の未来像・航空宇宙分野とカーボンニュートラル
モデレーター 中部大・安達先生
特色ある4社の技術者にパネラーをお願いし,「ターボ機械の未来像・航空宇宙分野とカーボンニュートラル」のパネルディスカッションが持たれた.技術論,教育論など幅広く話題がカバーされ,あっという間に予定時間がすぎるほど内容豊かな時間であり,また続編を期待する声も多かった.
7/21 見学会
IST本社工場
大樹町宇宙交流センターSORA
北海道スペースポート射場
この3会場を巡る大樹町見学会は,現地において参加者からの圧倒的な高評価を得ていた.
アンケート結果の一部を記す.
「工場,発射場のどちらの見学も非常に興味深かった.ロケットに関心を持つ人々の観光名所にもなりうる.」「やはりロケットの打ち上げには,広大な保安距離を必要とする.体感してみないとわからない視点である.」「発射点の周囲に広がる広大な土地と海の眺めは,大樹町が確かにロケット発射場の適地であることを納得させるものであった.今後,大いに発展していくことに期待している.」「ロケット製造分野に全く関わっていないので普通にしていたら絶対に経験できる事の無い見学をすることができた.ロケットのサイズ感、工場のサイズ感、想像とは全然違った(略)」「実際にISTのロケット開発現場を見学できて,とても興奮した.」「見る機会を得にくい施設ばかりで大変貴重な経験でした.」
ターボ機械特集号の企画・寄稿について
記事「多領域問題としてのRD流体力実験技術の変遷と展望」の共有
次回以降の分科会方針:
次回は2023年12月に長浜製作所とZoomオンライン併催にて開催予定
第15回(2022年度 第3回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2023年3月17日(金)13:15~17:15
場所:博多リファレンス駅東ビル貸会議室/Zoomオンライン併催
参加人数:26 名(大学等研究機関委員 8 名,企業所属委員 17 名,話題提供者 ,他)
話題提供
話題提供者:角 有司 氏(宇宙航空研究開発機構)
話題タイトル:「高品質な設計・開発を支える技術と手法」
概要:品質工学ツール(JIANT)の手法の概要、3つの事例(木造建築への適用事例、航空宇宙機用ターボ機械への適用事例、月縦孔の計測事例)、最近および今後の展望(大規模系への適用など)についてについてご講演いただき、多様で活発な意見交換や質疑応答がなされた。
国内・国際会議の動向に関する情報共有
ストレージフォルダに国内・国際会議の動向に関する情報共有に関するエクセルファイルをアップロードし、委員で共有する
会議に関する情報を得た際は、各委員が随時エクセルファイルの内容を更新
当研究分科会とJAXAとの共同研究の締結
次回以降の分科会方針:
次回は2023年7月に北海道大樹町とZoomオンライン併催にて開催予定
第14回(2022年度 第2回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2022年12月10日(金)13:15~17:15
場所:ステーションコンファレンス川崎とZOOMによるハイブリッド会議
参加人数:20名(大学等研究機関委員6名,企業所属委員14名,話題提供者,他)
話題提供
話題提供者:田中 禎一 氏(熊本高専)
話題タイトル:「ポンプ過渡運転時におけるポンプとポンプ系の動特性」
概要:
遠心ポンプ急始動時や吐出し弁急閉鎖時の過渡特性と内部流れ、キャビテーション発生時の過渡特性を実験およびCFDで調べた結果について発表があった.
キャビテーション不安定の解析についてなど活発に意見交換や質疑応答がなされた。
ソフトウェアのベンチマーク:
1D-CAEソフトウェアを用いた第3の取り組みも開始されたことを受けて,1D-CAEに関する委員からのアンケート結果が紹介された.
1D-CAEを積極的に利用している委員・機関は多くはないが,オープンソースも提供されていることから,試用してみてはどうかという意見が出された.
ターボ機械協会創立50周年記念行事関連:
来年9月に予定されている50周年記念事業について紹介があった。
学術講演会、記念式典・祝賀会、見学会を開催予定で、会場は早稲田大学国際会議の予定である。
国際会議情報:
関連する今後の講演会や国際会議,国内学会・シンポジウムについて情報共有した.
ポストコロナとして,学会開催は徐々に対面方式が主流となっているという紹介があった.
分科会経費の効果的な使途について
委員からのアンケート結果の説明があり,90%以上の賛同があった2項目を採択することとした.
産学連携コンサル:
11月末ごろに実施された産学連携コンサルの開催について報告があった.
その他:
学会誌ターボ機械の分科会特集号について確認した.
次回以降の分科会方針:
次回は2023年3月に開催予定
第13回(2022年度 第1回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2022年7月22日(金)13:15~16:50
場所:名古屋大学工学部1号館144講義室とZOOMによるハイブリッド会議
参加人数:29名(大学等研究機関委員9名,企業所属委員17名,話題提供者,他)
話題提供
話題提供者:部矢 明 氏(名大)
話題タイトル:「アクチュエータの機「巧」に基づいた新しい多自由度機械システムの創成」
概要:
電磁アクチュエータを中心に,少ないアクチュエータで多自由度運動を実現する様々な成果について発表がなされた.
トライボロジー的な観点、研究への取り組み方や発想について等、多様で活発な意見交換や質疑応答がなされた。
ソフトウェアのベンチマーク:
すべり軸受を対象とするベンチマークのCFD解析とRD解析に関して,前回からの修正分を含め,現状までの各機関の結果が報告された.
1D-CAEソフトウェアを用いた第3の取り組みも開始された.
AIS北海道様から,Ver.2ベンチマークを対象としたOpenFOAMを用いた混相流CFD解析(非定常解析)の報告があった.すべり軸受内部の流れ(厚み方向含む)を可視化し、レイノルズ方程式と乱流モデルを用いた解析の比較を行った.
引き続き,各機関からのベンチマーク結果の提出を受け付けることとなった.
国際会議情報:
関連する今後の講演会や国際会議,国内学会・シンポジウムについて情報共有した.
2学会についてポストコロナとして学会自体はほぼコロナ前と同様に実施されていることが報告された.
次回以降の分科会方針:
開催方法や実験室見学会の実施などについて議論された.
その他:
学会誌ターボ機械の分科会特集号について,具体的な執筆方針が議論された.
ハイブリッドで開催された分科会の様子
第12回(2021年度 第3回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2022年3月18日(金)13:15~17:15
場所:ZOOMによるオンライン会議/川崎市会議室のハイブリッド会場
参加人数:23名(大学等研究機関委員10名,企業所属委員12名,話題提供者)
話題提供
話題提供者:能見基彦 氏((株)荏原製作所)
話題タイトル:ポンプキャビテーションの基礎知識(キャビテーションサージに関して)
概要:
ポンプに生じるキャビテーションについて,キャビテーションサージ(CS)を中心に解説していただいた.
CSに関する一般的な特徴をはじめ,発生メカニズムや√記号形吸込性能,さらにはCSに関するCFD解析も含め広範にわたってご説明があり,分科会委員から多くの質問があり活発な意見交換が行われた.
分科会の活動期間の延長および活動費について:主査より説明があり,承認された.
ソフトウェアのベンチマーク:
すべり軸受を対象とするベンチマークのCFD解析とRD解析に関して,現状までの各機関の結果が報告された.
すべり軸受のRD解析とCFD解析,それぞれの利点や特徴が広く議論された.
AIS北海道様から,Ver.2ベンチマークを対象としたOpenFOAMを用いた混相流CFD解析(非定常解析)の報告があり,解析条件等の見直しにより実験結果とよく一致する結果が提示された.
引き続き,各機関からのベンチマーク結果の提出を受け付けることとなった.
国際会議情報:
関連する今後の講演会や国際会議,国内学会・シンポジウムについて情報共有した.
次回以降の分科会方針:
開催方法や実験室見学会の実施などについて議論された.
その他:
学会誌ターボ機械の分科会特集号について,執筆方針や提出期限などが議論された.
ハイブリッドで開催された分科会の様子
第11回(2021年度 第2回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2021年12月3日(金)13:15~17:30
場所:ZOOMによるオンライン会議/川崎市会議室のハイブリッド会場
参加人数:38名(大学等研究機関委員10名,企業所属委員19名,話題提供者およびオブザーバ参加者9名)
話題提供(学位取得記念講演)
話題提供者:平木博道 氏(三菱重工(株))
話題タイトル:ロケット用ターボポンプのバランスピストン機構(BP)のモデルの拡張と動的安定性
概要:
BPの静特性と動特性を考慮した設計,インペラ弾性変形や音響振動を考慮したモデルへの拡張について話題提供があった.
1次元動的安定性モデルの実験検証によるBP自励振動の再現,BP荷重調整能力と減衰比のトレードオフ関係,BP圧力応答の位相遅れによる負減衰特性などについて,分科会委員から多くの質問があり活発な意見交換が行われた.
分科会会計報告と2021年度活動費について
幹事より説明があり,承認された.
分科会の活動期間の延長について
主査より説明があり,活動期間の延長が承認された.
ソフトウェアのベンチマーク:
すべり軸受を対象とするベンチマークのCFD解析とRD解析に関して,現状と今後の活動方針が議論された.
RDソフトによるVer.2ベンチマークの予備解析結果が示された.これをもとに,各委員にてVer.2ベンチマークを進めることとした.
AIS北海道様から,Ver.1ベンチマークを対象としたOpenFOAMを用いた混相流CFD解析(非定常解析)による検討結果が提供された.
CFD側についてもVer.2ベンチマークによる解析を進めることとした.なお,AIS北海道様からVer.2ベンチマーク用のCFDメッシュを提供していただくこととなった.
国際会議情報:
関連する今後の講演会や国際会議について情報共有した.
今回から国内学会・シンポジウムが追加された.
産学連携コンサル:
大学等研究機関側の委員から産学連携コンサルに対する感想・意見が紹介された.
その他:
学会誌ターボ機械の分科会特集号について,執筆方針や提出期限などが議論された.
ハイブリッドで開催された分科会の様子
第10回(2021年度 第1回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2021年7月16日(金)13:15~16:30
場所:ZOOMによるオンライン会議/川崎市会議室のハイブリッド会場
参加人数:29名(大学等研究機関委員13名,企業所属委員(オブザーバ含)16名)
話題提供(学位取得記念講演)
話題提供者:安田一貴 氏(室蘭工業大学)
話題タイトル:自己加圧式ロケットエンジン用液体推進剤の流動特性について
概要:
熱力学的特性と自己加圧特性を有するロケットエンジン用推進剤の気液二相流の流動特性について話題提供があった.実験により,気泡速度,気泡径,ボイド率などを計測した結果から,ボイド率とインジェクタ流量係数との関係や二相流レイノルズ数における摩擦損失係数などの考察が説明された.
分科会委員から多くの質問があり,活発な意見交換が行われた.
分科会会計報告と2021年度活動費について:幹事より説明があり,承認された.
分科会設置期間の延長と活動費補助の増額:分科会設置期間の延長と活動費補助の増額をターボ機械協会に申請し,承認されたことが報告された.
産学連携コンサルの報告:
前回から取り組み始めた産学連携コンサルの実施報告があった.活発な討議があり有意義であった,と報告された.引き続き,相談者を募ることとした.
ソフトウェアのベンチマーク:
すべり軸受を対象とするベンチマークのCFD解析とRD解析の今後の活動方針が議論された.
CFDについては,静特性解析を実施するとともに,動特性解析用のメッシュについて検討していくこととなった.
また,AIS北海道様から,OpenFOAMで解析したベンチマークの検討結果が提供された.
RDについては,次回,早大の宮川先生からターボ機械協会講演会で発表された内容についてご説明いただき,動特性を検討することとなった.
その他:
学会誌ターボ機械の分科会特集号について,企画を進めることとなった.
国際会議情報:関連する今後の講演会や国際会議について情報共有した(資料配布のみ).
実験室見学会:見学可能リストを適宜更新していくこととした(早大・宮川研の情報が追加された).
産学連携コンサル:利用者のアンケート結果が展開された.また,企業側委員からコンサルを利用した感想が紹介された.
産学連携コンサル:
16:40~(今回が4回目実施)
1 社から相談依頼,官学メンバー10名程度で約1時間実施した.
懇親会 19:30~(YYGG会を兼ねてWeb開催),今回もブレイクアウトセッションを設けた.参加者延べ10名程度
ZOOMによるオンライン会議の様子
ハイブリッドで開催された分科会の様子
第9回(2020度 第3回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2021年3月9日(火)13:30~16:30
場所:ZOOMによるオンライン会議/川崎市会議室のハイブリッド会場
参加人数:27名(大学等研究機関委員13名,企業所属委員14名)
話題提供
話題提供者:落合成行 氏(東海大学)
話題タイトル:東海大学における流体潤滑関連研究の紹介 実験・解析・最適設計・流れの可視化
概要:落合先生がこれまでに取り組んでこられた広範なトライボロジー関連の研究,Texas A&M Univ.でのProf. San Andresのご自宅での滞在経験,特許申請の技術などについてご紹介いただいた.
分科会委員から多くの質問があり,活発な意見交換が行われた.
分科会設置期間の延長:
分科会設置期間の延長と活動費補助の増額:分科会設置期間の延長と活動費補助の増額をターボ機械協会に申請し,承認されたことが報告された.
産学連携コンサルの報告:
前回から取り組み始めた産学連携コンサルの実施報告があった.活発な討議があり有意義であった,と報告された.引き続き,相談者を募ることとした.
ソフトウェアのベンチマーク:
すべり軸受を対象とするベンチマークの第1回結果概要に基づき,今後の活動方針が議論された.
CFD解析の取組みは,共通のメッシュモデルを使用して解析を実施し,各種ソルバーによる解析結果の比較を試みることとした.
ロータダイナミクスでの取組みは,類似の軸受を対象とした既発表論文(早大・宮川先生他)の内容を活用して解析を実施することとした.
また,CFD解析によるRD流体力の導出について,神戸高専・鈴木隆起先生と大阪大学・堀口祐憲先生から経験談を提供いただき,活発な議論がなされた.
その他:
国際会議情報:
関連する今後の講演会や国際会議について情報共有した(資料配布のみ).
実験室見学会:
見学可能リストを適宜更新していくこととした.
産学連携コンサル:
16:40~(今回が3回目実施)
1 社から相談依頼,官学メンバー10名程度で約1時間実施した.
その場でも関連研究者の情報提供があり,参加官学メンバーそれぞれから後日相談者に関連情報を提供することとした.
依頼者から非常に有益であったとのフィードバックあり.
懇親会 19:30~(YYGG会を兼ねてWeb開催),今回もブレイクアウトセッションを設けた.参加者延べ10名程度
ハイブリッドで開催された分科会の様子
第8回(2020年度 第2回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2020年12月16日(金)13:30~16:30
場所:ZOOMによるオンライン会議
参加人数:30名(大学等研究機関委員10名,企業所属委員20名)
話題提供
話題提供者:伊藤優 氏(東京大学)
話題タイトル:ポンプインデューサに生じる極低温キャビテーションに関する研究紹介 ―実験・理論解析・数値解析―
概要:インデューサに生じる極低温キャビテーションに関する研究戦略,可視化実験,理論解析,数値解析に関して,さまざまなアプローチから,また詳細に説明いただいた.
逆流渦キャビテーションの構造や性状,モデル化など,活発な意見交換が行われた.
参考文献(*) 無料ダウンロード可
1︓可視化実験・理論解析関係
Theoretical Analyses of the Number of Backflow Vortices on an Axial Pump or Compressor, ASME J. Fluids Eng. Mar 2020, 142(3): 031103 (14 pages),
https://doi.org/10.1115/1.4045859
2︓数値解析関係 One-way Coupling Numerical Simulation of Cryogenic Cavitation Around an Inducer, International Journal of Fluid Machinery and Systems. 2019, 12(3): 235-243,
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ijfms/12/3/12_235/_article/-char/ja/
分科会設置期間の延長:
分科会規約が展開され,設置期間を延長することが承認された.
産学連携コンサルの報告:
前回から取り組み始めた産学連携コンサルの実施報告があった.活発な討議があり有意義であった,と報告された.引き続き,相談者を募ることとした.
ソフトウェアのベンチマーク:
すべり軸受を対象とするベンチマークの第1回結果概要がまとめられた.
CFD解析の困難さ(メッシング,非定常解析,流体構造連成手法など)やその課題(境界条件の設定,動特性係数の算出法など)について詳細に議論された.
圧力分布でのベンチマークなどを検討することとした.
その他:
国際会議情報:
関連する今後の講演会や国際会議について情報共有した(資料配布のみ).
産学連携コンサル:
16:40~(今回が2回目実施)
1 社から相談依頼,官学メンバー10名程度で約1時間実施した.
後日,官学メンバーそれぞれから相談者に関連情報を提供することとした.
依頼者から非常に有益であったとのフィードバックあり.
懇親会 19:30~(YYGG会を兼ねてWeb開催),今回からブレイクアウトセッションを設けた.参加者11名
オンラインで開催された分科会の様子
第7回(2020年度 第1回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:日時:2020年09月11日(金)13:30~17:30
場所:ZOOMによるオンライン会議
参加人数:28名(大学等研究機関委員11名,企業所属委員17名)
話題提供
話題提供者:畠中清史 氏(九州工業大学)
話題タイトル:すべり軸受の熱流体潤滑性能
概要:すべり軸受の熱流体潤滑解析について,基礎の説明から始め,国内外の歴史と最新情報が紹介された.そして,畠中先生自身がこれまでに実施された世界最先端の熱流体潤滑解析の経験を通して,熱伝達率のモデル,実験との比較,解析の安定性や精度を向上させるために重ねてきた苦労話やその結果たどり着いた勘所とアイデア(参考文献*)など,非常に多岐にわたる魅力あふれる情報を多数のスライドを用いて惜しみなく説明いただいた.
参考文献(*) Hatakenaka, K., Tribology Transactions, 2020, "A New Design Chart Method of Journal Bearings Based on a Simplified Thermohydrodynamic Lubrication Theory" (Published online: 17 Aug 2020) https://doi.org/10.1080/10402004.2020.1778825
ソフトウェアのベンチマーク:
すべり軸受を対象として 4 ケース実施した
1 ケースのまとめの紹介をし,分科会メンバーへの公表方法を決定した
CFDソフトウェア 3,インハウスRDソフトウェア 3,商用RDソフトウェア 3 の結果がまとめられた
4 ケースの結果をまとめたものを年内に公表予定
実験室見学会:
1 ケース実施した試行事例の紹介(名大,ねじり振動の制振,2020年1月)をした
参加者からの感想が説明され,分科会としてさらに進めていくこととした
今後は分科会の官学メンバーで見学先リストを作成していくこととした
その他:
国際会議情報:
Turbo EXPO 2020,ISROMAC 2020,IAHR2020,CAV2021 の情報が紹介された.
その他,関連する今後の講演会や国際会議について情報共有した.
機械学会年次大会2020における当研究分科会のOS企画の紹介
産学連携コンサル:
16:30~(今回が初回実施)
今回は 1 社から相談依頼,官学メンバー10名程度で約1時間実施
後日,官学メンバーそれぞれから相談者に関連情報を提供することとした
依頼者から非常に有益であったとのフィードバックあり.
懇親会 19:30~(YYGG会(今回が初開催)を兼ねてWeb開催),参加者10名
オンラインで開催された分科会と懇親会の様子
第6回(2019年度 第3回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会(中止)
日時:2020年03月13日(金)13:00~17:00
場所:博多(リファレンス駅東ビル会議室)
新型コロナウィルス感染症で中止
第5回(2019年度 第2回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2019年12月20日(金)13:00~17:00
場所:早稲田大学 西早稲田キャンパス 55号館S棟 会議室A 4階407室
参加人数:20名(大学等研究機関委員10名,企業所属委員10名)
話題提供
話題提供者:渡邊裕輔 氏(荏原製作所)
話題タイトル:産業用立軸多段ポンプへの形態最適化設計適用に関する研究
概要:JAXAによって開発された形態最適化設計技術を立軸多段ポンプに適用した結果,従来のポンプと比較してコスト削減,振動安定性の向上,流体性能の向上が期待できる新しいポンプ形態を得られることが明らかになった.また,本研究の最適化設計プロセスが産業用立軸多段ポンプに適していることも併せて確認できた.
その他:
汎用ソフトウェアベンチマーク:
解析条件や進め方を確定し,各機関にてそれぞれの解析を進めることとした.
国際会議参加報告:
AJK Fluids 2019, AICFM 15, IAHR-Asia 2019, IGTC 2019, APVC 2019に関して,最新動向,印象深い論文、会議の雰囲気などが紹介された.
講演会における当研究分科会のOS企画について情報共有した.
産学連携コンサル,YYGG会(仮称),実験室見学会の試行についてディスカッションした.
分科会活動の情報発信と見える化(アーカイブ)を実施していくこととした.
関連する今後の講演会や国際会議について情報共有した.
懇親会:海峡 高田馬場駅前店,参加者18名
分科会の様子
第4回(2019年度 第1回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2019年7月5日(金)14:00~17:00
場所:長岡技術科学大学 機械建設1号棟103室
参加人数:23名
話題提供
話題提供者:田浦 裕生 氏(長岡技術科学大学)
話題タイトル:軸受やシールに生じるロータダイナミック流体力
概要:回転機械に広く使用されるジャーナル軸受と非接触シールを対象にして,それらの特徴や相違,発生するロータダイナミック流体力の特徴,回転軸の振動への影響について概説した.トライボロジーの立場から,流体膜に発生する圧力の計算に広く用いられているレイノルズ方程式の導出と,それに基づく流体膜の圧力の発生メカニズムの説明を行った.また,ロータダイナミック流体力に関しては線形化した際の係数(ばね,減衰,付加質量係数)に着目し,それらが振動特性に与える物理的な意味や,しゅう動面の形状等によりそれらの係数がどのように変化し,その結果,安定性が影響するのかを説明した.
その他:
汎用ソフトウェアベンチマークのための仕様を決めた
TurboExpo2019の参加報告があった.印象深い論文、会議の雰囲気などが紹介された
次回はAJK2019について報告予定
懇親会:いさり火,参加者18名
第3回(2018年度 第3回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2019年3月1日(金)14:00~17:00
場所:早稲田大学西早稲田キャンパス 55N号館1階第1会議室
参加人数:20名
話題提供
話題提供者:宮川和芳 委員(早稲田大学)
話題タイトル:ターボ機械に生じる流体励振力の基礎
概要:ターボ機械に生じる流体励振力の種類と特徴(振動メカニズムや対策)を概説する.低流量時の不安定特性として,Q-H右上がり特性,サージング,旋回失速などの諸現象を解説する.
さらに,渦励振の渦構造,ウェーク干渉やポテンシャル干渉などの翼列干渉,共鳴,水撃,渦芯ふれ回りなどの流体ダイナミック現象について,その機構や防止法などを説明する.
その他:
分科会のあらたな取り組みとして,国際会議や展示会の最新動向の共有,ワーキンググループ(WG)活動などについて提案され,活発な議論がおこなわれた.
第2回分科会に引き続き,ロータダイナミクス汎用ソフトウェア調査について議論され,CFDとロータダイナミクスに関する各ソフトのベンチマークを行うこととした.
流体側からのアプローチ(現象の高解像化・精緻に見る)と機力・構造側からのアプローチ(低次元化・本質を見る)という異なる方法論の融合や統合化設計を今後も模索する.
懇親会:割烹・桂,参加者13名
第2回(2018年度 第2回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2018年11月9日(金)13:30~17:00
場所:名古屋大学大学院工学研究科1号館10階 1101講義室
参加人数:19名
話題提供のねらい:このキーワード「設計」から流体屋と制御屋それぞれが自由に説明を試みるとき,両者の専門領域の捉えかた,考え方,取り組み方に様々な違いがあることを両分野の人々がお互いに共有し,今後そのギャップをどのように埋めて,「多領域ダイナミクス」を進めていくかを一緒に考えていく機会とする:講演(25分,2名)+質疑(50分)
話題提供1
話題提供者:富松 重行 氏(電業社機械製作所)
話題タイトル:ターボ機械に生じる流体励振力の基礎
概要:流体からみた「設計」について話題提供する.CFDには2つの潮流(現象に着目している場合は大規模解析、開発設計で使うことにフォーカスした場合は設計最適化)がある.大規模解析(そこから構造振動、騒音などの連成解析につなげている)と開発設計(良い羽根(=ポンプ効率の良い羽根)を設計するためにCFD(RANS)の数をこなそうというアプローチ)である.それぞれの大枠を説明し,現行のCFDの欠点(解析結果と実験結果に違いがある)と利点(モデル試験と比較して早い、安価)を説明する.また,現状ではローターダイナミクスの部分がおろそかになりがちという視点についても流体屋の視点から触れる.
話題提供2
話題提供者:籔井 将太 氏(名古屋大学)
話題タイトル:「制御屋が考えるモデリングと未来像」
概要:機械力学・計測制御からみた「設計」について話題提供する.制御屋が対象をモデル化する際に伝達関数を用いるその根本の考え方(対象をどのように捉えて設計に反映するか)を説明する.特に,制御の基本的な考え方,実践について分かりやすく導入部分を触れ,また,伝達関数の利点と欠点はなにかを説明する.そして,例として過去の研究成果をいくつか述べ,多領域に関する部分として制御屋がモートン効果をモデリングした場合の取り組みを紹介する.機械系の制御屋が「設計」というキーワードを聞いたときに考える本流の話を述べる.さらに伝達関数モデルを通じた制御系と機構系の統合化設計による発展性を示した.
その他:
ロータダイナミクス汎用ソフトウェア調査
情報収集と情報共有を行った
懇親会:名古屋大学シェ・ジロー,参加者16名
第1回(2018年度 第1回) 多領域ダイナミクス設計研究分科会
日時:2018年7月13日(金)14:00~17:00
場所:早稲田大学西早稲田キャンパス 55号館S棟4階 ゼミ会議室A407
参加人数:17名
話題提供
話題提供者:内海政春(室蘭工業大学)
話題タイトル:SSMEロータ設計とトラブル事例 システム工学的アプローチ
概要:高速ターボ機械として「スペースシャトルメインエンジン(SSME)のターボポンプ」を例にとり,ロータの設計思想を解説する.開発時に発生した各種のトラブルや設計変更の経緯などについて,技術資料や論文などを参考に説明する.インデューサ,遠心インペラ,タービン,軸受,軸シールなどの要素技術のみならず,機械システムとしてロータ全体をどう設計するべきなのか,のアプローチの重要性を述べる.
その他:
分科会設立の趣旨,活動方針などが報告された.
分科会規約や内規について説明された.
今後の研究会の進め方について活発に議論され,研究会に参加する委員や機関に
メリットがあるように柔軟に進めていくこととなった.
懇親会:高田馬場駅近くの居酒屋,参加者16名