東京電機大学・理工学部
電気化学研究室
(向山研究室)
ニュース
おめでとう!
2021年3月修了式:M2岡田君が学長賞を受賞
業績が高く評価され奨学金半額免除に認定
2020年3月修士課程卒業生が2名とも奨学金免除に認定
1名は奨学金全額免除に認定・もう1名は奨学金半額免除に認定
2020年5月より,大阪大学太陽エネルギー化学研究センターに招へい
向山が大阪大学の招へい教授として出向
2019年3月卒業式 :M2福田君とB4水落君が学長賞を受賞
2018年3月卒業式 :M2石橋君が学長賞を受賞
学会発表(予定)
PRiME 2020 October 4-9, 2020 | Honolulu, Hawaii(オンライン)
ハワイに行けずに無念(また来年行きます)
M2岡田君(2件分),博士課程 久下君が発表
学会発表(終了)
236th ECS Meeting October 13-17, 2019 | Atlanta, GA
M1岡田君、M2飯田君、M2黒萩君、D3久下君が発表
M1岡田君、M2飯田君が発表
235th ECS Meeting May 26-30, 2019 | Dallas, TX
M1岡田君、M2飯田君、M2黒萩君が発表
B4水落君、M1飯田君、M1黒萩君、M2福田君、D2久下君が発表
M2福田君が優秀学生講演賞を受賞!
本研究室では、エネルギー問題や環境問題を少しでも解消できるようになることを目標に、電気化学の研究を行っています。以下に研究の背景を説明します。
現代社会において人類は化石資源の枯渇によるエネルギー問題に直面しようとしています。この問題を解決し,持続可能な社会を実現するためには再生可能エネルギーを利用することが不可欠とされています。特に再生可能エネルギーの中で最も膨大なエネルギー源である太陽光を有効利用した新技術の創生が必要です。そこで,太陽光エネルギーを利用した水の分解技術が近年注目されています。この水分解技術が実現化されれば,化石燃料に依存することなく,貯蓄可能な水素エネルギーの創出が期待できます。
近年、化石燃料の枯渇や温暖化問題が深刻化しており、バイオマスから製造できるエタノールが化石燃料の代替エネルギーとして期待されています。エタノールは電極触媒によって酸化反応が進行するので燃料電池の燃料となります。また、毒性が低くエネルギー密度が高いので、将来性が高い液体燃料として注目されています。そこで、現在、直接型エタノール燃料電池の実用化に向けて、エタノールを高効率に酸化できる電極触媒の開発が活発に進められています。エタノールの酸化反応のメカニズムはたいへん複雑です。そのため、優れた触媒を開発するには、反応のメカニズムを理解することも非常に重要です。
電気化学は、エネルギー・環境問題だけでなく、幅広い分野に応用されています。以下のリンクを参照して下さい。
研究テーマ (詳しい内容は研究室で説明します)
1.無機半導体・強誘電体薄膜を用いた人工光合成(光電気化学)の研究 (神戸大学と共同研究)[1]
最近、(K, Na)NbO3薄膜が光電極として機能することを明らかにしました。すなわち、(K, Na)NbO3薄膜に光を照射すると、水から水素を製造できます。この電極に助触媒を担持し反応の効率の向上を目指します。さらに、他の光電極と組み合わせ、新規な人工光合成系を構築することが目標です。
ゾルゲル法による成膜法の探求。
2.電析法による貴金属ナノ微粒子の作製 [2]
最近、PtおよびAuのナノ微粒子を低コストで作成する方法を開発しました。硫酸もしくは硝酸水溶液中にPt(もしくはAu)とカーボンを浸し、水を電気分解するだけで、カーボン上にPt(もしくはAu)のナノ微粒子を作製することができます。この方法は極めて単純な方法ですが、微粒子の形状の制御ができるだけでなく、低コストであることが特徴です。貴金属ナノ微粒子は電極触媒として優れた特性があるので、さらに探求したいと思います。
3・アルコール燃料電池の電極反応(燃料極)[3]
メタノールやエタノールの酸化反応は燃料電池の燃料極の反応です。
本研究室では白金電極上でのメタノールとエタノールの酸化反応のメカニズムを研究してきました。最近、本研究室では、これらの反応には新しい反応ルートがあることを見出しました。メタノールの酸化反応については、赤外分光法を用いて詳しく調べ、新しい反応メカニズムを提案しています。エタノールの酸化反応については、従来から提案されているルートに加え(C1ルートとC2ルート)、新たに2つのルートがあることを提案しています(C3ルートとC4ルート)。本研究では、反応速度についても詳細に調べ、アルコールの酸化反応について深く理解したい。
4・アルコール燃料電池の電極反応(空気極)[4]
酸素や過酸化水素の還元反応は燃料電池の空気極の反応です。
電気化学的な過酸化水素や酸素の還元反応は溶液に添加する支持電解質の種類によって反応の効率が異なることを見出しました。また、電位や電流が自発的に振動することも発見しました。本研究では、これらの原因を解明し、効率良く反応が進行する条件を明らかにしたい。
5・電気分解 [5]
水の電気分解の研究[5]。
サイクリックボルタモグラム(電極反応の電流と電位の関係図)のシミュレーション方法の開発
環境負荷物質(硝酸イオン等)の還元。
6・リチウム空気電池(大阪大学での研究)[6]
究極の2次電池「リチウム空気電池」の電気化学インピーダンスを用いた解析。
上記のテーマに関係する論文(論文のサイトにリンクを張っています。下線部は研究室メンバー)
M. Kurohagi, Y. Mukouyama, D. Yoshinaka, H. Ohsaka, I. Kanno , ECSarXiv (2019, July 2). doi: 10.1149/osf.io/652fh.
Y. Mukouyama, Y. Fukuda, H. Okada, M. Saito, T. Nishimura, J. Electrochem. Soc., 166, D669-D675, 2019
Y. Mukouyama, K. Iida, T. Kuge, Elctrochemistry, 88 (3) 178-184, 2020 .
K. Iida, Y. Mukouyama, ECSarXiv (2020, February 18). doi: 10.1149/osf.io/3728f
Y. Mukouyama, H. Kawasaki, D. Hara, Y. Yamada, S. Nakanishi, J. Electrochem. Soc., 164, H675-H684, 2017.
Y. Mukouyama, H. Kawasaki, D. Hara, Y. Yamada, S. Nakanishi, J. Electrochem. Soc., 164, H1-H10, 2017.
T. Kuge, T. Nishimoto, M. Kurohagi, K. Maeda, S. Yae, Y. Mukouyama, Electrochemistry, 88 (3), 157-164, 2020.
Y. Mukouyama, S. Nakanishi, Frontiers in Energy Research, Submitted.
K. Morimoto, T. Kusumoto, K. Nishioka, K. Kamiya, Y. Mukouyama, S. Nakanishi,”ACS Applied Materials & Interfaces, 2020 .