サイエンスアゴラ2021にて、パネルディスカッションを行いました。

オンラインコミュニティで生まれる化学反応 ~十人十色な科学への向き合い方~

日時:2021年116日()19:00〜21:00

会場:オンライン


本日、JST主催サイエンスアゴラ2021にパネラーとして助手の吉田彩夏さんが登壇しました。アカデミア視点からの「科学」の文化的側面や社会的役割を考察しました。さらに、科学が私たちの生活や人生に与える精神的な豊かさという視点から、ウィズコロナの暮らしに必要となりうる科学コミュニケーションにおける更なる可能性を議論しました。

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企画概要:

本企画では、オンラインコミュニティ理系とーくラボでの交流や各々の仕事・生活での体験談を元に、「科学」を様々な視点から考えていきます。科学は様々な形で、私たちの職や日常、生活に関わっています。そして、科学への関わり方は、人によって十人十色に異なるものです。そこで本企画では、様々な立場から科学に関わっている理系とーくラボメンバーや参加者の方々の話を起点に、「科学」の多様な側面を探っていきます。対話の中から自分にはなかった科学の ”色” を見つけ出し、自分自身にとっての「科学」に少し加えてみる。そんな対話の時間を一緒に楽しみませんか?

In this program, we will consider “science” from different standpoints based on our interactions in the RIKEI-talk Lab. and personal experiences at work and in life. Science is interwoven deeply with our daily lives. How to use and enjoy it depends on individuals. In the session, the members of RIKEI-talk Lab. will share their stories and explore various aspects of science with the participants. Let’s find out a new way to enjoy science for you together. Come join our discussion!


企画概要の補足:

科学について語るとき、科学的知識や科学技術に焦点があてられることが多い。しかし科学には、科学に向き合う際の動機や科学に関する行為そのもののような、「営みとしての科学」とも呼ぶべき側面が付随している。この側面は文化的なものであり、科学と私たちの生活の関係性を問う上で欠かすことができない側面であるとも言える。そこで、本セッションでは、『日常における科学の姿から「営みとしての科学」を問い直す』ことを目標として掲げた。

営みとしての科学に焦点を当てて議論を展開する際、日々の生活の中の科学について自覚すること、そしてそれについて見つめなおす姿勢である。そのため登壇者として、科学への興味を共通項としたオンラインコミュニティのメンバーという、少なくともオンラインコミュニティという形で科学が日常に組み込まれている人達を選定し、その人達の体験談を起点に話を展開していこうとした。さらに、この議論に必要なのは特別な専門性や肩書を持った人によるポジショントークではなく、多くの種類の日常から科学を語ることであるため、職業研究者に限らない多様な属性の方々をスピーカーとして選定した。企画内でチャットでの参加者も「スピーカー」として扱ったのも、同様の意図からである。

テーマの副題を「十人十色な科学への向き合い方」としたのは、個人によって異なる日常生活の中に在る科学の姿は必然的に十人十色と呼ぶべき多様さがあるからである。加えて、対話において他の人の意見や反応を受けて対話者の中で内的な統合や変容が起こっていく姿は、さながら”混色”である。これらのイメージ・比喩の意図を込めて、今回のセッションの副題を設定した。

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