2025.11.6
歴史の重み
2025.11.6
歴史の重み
(構えがよい)
今日はスタジオレッスンに行ってきました。木曜日定例の運動教室がお休みだったので東宝調布でと思っておりましたが、昨日のラウンドでグリップに関して親子で激しい言い合いになり、じゃあ見てもらおうと。
先月横浜で開催されたベイカレント・クラシックで3位に入ったMichael Thorbjornsenプロ。Tiger Woodsプロの後輩で(Stanford University)、昨年のPGAツアー・ユニバーシティ1位の資格でPGAツアーに。グリップはテンフィンガー。
PGA TOURの公式サイトによると、そのグリップをさせたのもスイングを形作ったのもお父様とのこと*1。お父様は故郷のノルウェーにケーブルテレビが導入されたのをきっかけにゴルフに興味を抱き、家の近くにゴルフコースができたことでプレーを始めた。スイングは独学。お母様は大学時代にゴルフをしておられた。そんな背景もあってMichaelくんは1歳になる前にゴルフボールをすでに打っていた。"フルサイズのクラブを右腕の下に挟み、体をひねってボールを打った"
"スイングの科学" に魅了されたお父様がMichaelくんのコーチになられた。お父様曰く、
「息子は私を信頼してくれている。私が分析的な部分を担当して、息子は明らかに私よりも実行するのがうまいですからね」
なんとも羨ましいお話。うちの親子関係とは全く違う。お話の後半は同じですけど、わたくし父の担当はほぼ送迎のみ。まあまあ勉強しているつもりなんですけど。
昨日現場で気になっていたのはグリップ以外にも下半身の不安定さ。スタンスが狭く、膝のアクションがデカすぎる。ラウンド中に私が言っても、「はぁ???? わかってますけど」と言いたげな表情を浮かべている。しまいにはスタンスをさらに意図的に狭くしたんじゃないかと思われる様子も… 家でキレまくる父。今考えると、アプローチ練習やハーフスイング練習のしすぎで自然とスタンスの狭さが生じてしまったのかもしれない。
スタジオレッスンでまず最初に指摘されたのは、アドレスについて。ボールの位置。さっそく良い当たりがバンバン出る。なんといっても音が素晴らしい。スイング自体はどこも変えていない。ドライバーに持ち替えて、理想のミート率が続けてバカバカ出る。表情が明るくなると同時に、「パパぁ〜」と、何か文句を言いたそう顔。本人は普段から意識しているつもりでもコースに出ると徐々に崩れていく。ラウンドが多い息子なのでなおさら。現場で整えているつもりではあるけれど。レンジで練習する際にはちゃんとアライメントスティック2本でステーションを作って常に確認が必要。グリップについても。日替わりアドレスに、日替わりグリップ。もうテンフィンガーにさせちゃおうかな。いや、Michael Thorbjornsenプロと違って無理、なぜなら…
今日のレッスンを通じて父の指摘は間違っていなかったことが確認できたけど、細部まで行き届いていない。私にとっては、アレもコレも見逃さず、さらに長期的な観点から大事なところだけを選んで指摘するのは難しい。当たり前だけど、先生の助言とは質が圧倒的に異なる。しかも先生は息子が3歳の時からスイングを見続けておられる。父は息子の信頼をおそらく得られていない。ゴルフ道とは違うところで獲得するしかなさそうです。やはりテンフィンガーにさせられないな。
毎度のことながら、スタジオから出て、東京タワーを見ながら、わたくし父の気持ちが落ち着く*2。
*1 Martin,Sean (2024), "Destined for greatness, Michael Thorbjornsen earns PGA TOUR card,"PGA TOUR, 2024.6.18. 若かりし頃、USKidsの試合でアトランタを訪れた際にTiger Woodsプロからボールをもらって以来、憧れがさらに強化されたとのこと。そのUSKidsのPlayers of the Yearに2012年と2013年に選ばれている。小学校高学年の時に連続で("Players of the Year,” US Kids Golf.")。ちなみに、2015年のPlayers of the Yearは、今年PGAツアーに本格参戦しているLuke Clantonプロ。お二人ともUSKids World Championshipのチャンピョン、地区大会でも優秀な成績を収めたからこそのPlayers of the Year("World ChampionsChampions by Age Group and Year," US Kids Golf.)。またまた、ちなみに、Michael Thorbjornsenプロと同い年でStanford University出身のKarl Vilipsプロ。今年、PGAツアー初優勝、Tiger Woodsプロが立ち上げたSun Day Redのアンバサダーに就任。2009年と2011年のUSKids World Championshipで優勝している。Karl Vilipsプロは7歳と9歳という低年齢カテゴリー、Michael Thorbjornsenプロは続く10歳と11歳のカテゴリーでそれぞれ勝っている。同世代のライバル。インドネシア・オーストラリア(Karl Vilipsプロ)とノルウェー(Michael Thorbjornsenプロのお父様の故郷)。お二人ともアメリカ国外にルーツを持つ少年がUSKidsの世界大会で汗を流す姿が思い浮かぶ。USKids主催試合は基本、小学生まで。その後はAJGAの試合で切磋琢磨。試合に出る価値がここに。優勝争い。同じ世代で。まだ小学生ですから。
*2 東京タワーの近くに、かつてコースがあった("【ゴルフ初物語 Vol.49】1959年、東京タワーの目の前に 日本初の3階建てゴルフ練習場が誕生," Myゴルフダイジェスト, 2021.7.29)。1959年開場の芝ゴルフ場。9ホール、875ヤードのショートコース併設で、日本初の3階建てゴルフ練習場。なんと、155打席、300ヤード。ナイター設備、24時まで営業。現在のザ・プリンスパークタワー東京、付近。スタジオを出て東京タワーの方へとキャディバックを担いで歩いているとき、ゴルフ場の光景を思い浮かべている父。それは、最初に通い始めた時から変わらない。なぜだか今日は人通りが減ったところを見計らって動画を撮る。インドア施設が増えたのでそうでもないかもしれないが、周りの人たちはキャディバックを担いだ親子を見て、こんな都会のど真ん中で浮いてるな、と思っていることでしょうけど、ここはゴルファーで賑わっていた地なのです。この地にまだショートコースが存在していたら、親子ラウンドしまくってたのに。スタジオレッスンを受けて、そのままラウンドへ。ラウンドにおいて親子で言い合いになったら、すぐスタジオへ。
(この先に... ここはゴルフ場の匂いがする)