2025.11.14
道具に身体を合わせるジュニア
2025.11.14
道具に身体を合わせるジュニア
(このGT1ドライバーが忘れられない、2025.5.22@Longniddry Golf Club)
先週末、息子はお友達とのラウンドで良いところを見せようと張り切りすぎて体調不良。私は風邪気味。平日ラウンドができず。明日も無理かな… こんなに現場でゴルフしない日が続くのは3歳以来かも。ゆえに余裕が出てきます、わたくし父のゴルフについて考える時間が。付随的に息子のゴルフについても。
現場ネタがなくサイトを更新できず。鮮度を保つためにも、前回の続きでクラブの話をさせていただきます。
わたくし父のクラブセッティングがハードすぎ。特にヘッド。プロが避けるようなヘッド。ウッド系はTitleistの3シリーズで、アイアンはマッスル。7番のロフト角は35度。ウェッジはタイガー仕様。シャフトも含めて全取っ替えしたい。コレクションとしては残したい。現行モデルのGT1とGT2のドライバーはレンタルで試したことがありまして、愛用のTSi3とは全然違う。
懲りずにプロゴルファーのWITB(Whats in the Bag)を見てしまうので、このままいくと新モデルに変えるだけで、難しさが何も変わらないというオチ。加えて、元祖DGの流れに合わせて、ウッド系シャフトのフレックスをRからS or Xに、とか考え出す。で、プロも7Wを入れているのを見てそれを真似てしまうと、Scottie Schefflerプロのセッティングと殆ど変わらないという再オチ。もう少し考えよう、真剣に。でも得られたものがありました。男子プロはドライバーのシャフトが短い。パワーがあるし当てられるから短くても飛ぶのでしょうけど。
ドライバーのシャフトの長さ。そして、全体の "つながり"
息子の話に戻します。昨日、ジュニアゴルファーの親御さんからご連絡いただきました。大手ゴルフメーカーのジュニアクラブについてメーカーに問い合わせをされて、なんでそんなハードスペックなのかを、開発背景を含めて教えてもらったと。前回の投稿で触れましたが、松山英樹プロがそのジュニアクラブを実際に手にされて、それを使われていたジュニアさん(小学生)にとって「これはハード」と評された。松山プロがどのような意味でハードだと評されたのかはわかりません。重さや硬さかな。
親御さんの許可をいただいていないのでメーカーからの返答内容を共有するのは差し控えます。それなりに理由がある。私の理解が及んでいない可能性大ですけど、今の私には全く腑に落ちません。まだモデルチェンジする前、数年前に人づてで聞いた話では、このぐらいの重さ "感" が適正だと、開発者はおっしゃっておられたそう。シャフト特性と相まってこのぐらいは振れないと、と。
これまで素人目線でずっと観察してきて、振り切れていたジュニアさんはかろうじて1人だけ。それも息子と同世代のジュニアさんだったけど、2学年上かと思うくらいの高身長の子で、欧米人特有の骨格。腕が長い。スイングスピードがはやい。そしてスイングのレベルもかなり上。で、シャフトの長さは私が見る限り、適正?より若干短い。このクラブに限らず、多くのジュニアさんは長めのドライバーシャフトを使われている。
大人用の軽いシャフトでウッド系を組んだとしても、やはり長い。特にドライバー。それはジュニア用でも同じ。長めのを使う。成長を見越して、というレベルを超えて。ウッド系は飛ばしたいからどうしても長くなりがち。さらに早い段階で大人用のクラブを振れるようにしたいと考えれば、13本、長くする。慣れれば一見振れているように感じて自信が増す。
世界で活躍する日本女子プロゴルファーたちは身長の割にドライバーが長い印象です。ただ当てる技術がある。アマとは違う。ジュニア時代から数万発以上?、球を打ってきたわけで。一般的には長めだと思われるクラブをジュニア時代から振ってきたことも背景にあるのではと。飛ぶ。飛距離で不利にならないように。
気になるのは、長さに弊害はないのかな、ということ。かつて片山晋呉プロが、ジュニアにとって長いのは「デメリットしかない」と強調されておられた。長めのシャフトを使われている片山プロなのに。さらに、一度お話を伺ったことのある、ダグ三瓶こと三瓶大輔さん。かつて、ブリヂストンスポーツで研究開発、アクシネット(タイトリスト)でアマのみならずツアープロの現場を見続けてこられたお方。今週、ジュニアゴルファーをもつ親としてドンピシャの動画をアップロードされておられました。
そのタイトルは、"ジュニアゴルファーのクラブ選びについて"
ジュニアゴルファーには無理をさせない、と前置きされた上で次のように説明されておられます*1。
「どういったことが無理につながるかと言うと、一番はやはり長さなんですね。長いものを一生懸命振ろうとすると、どうしても身体に大きな負担がかかってしまいます。ですので成長期にあるお子さんたちにとって、一発の負担がですね、かなりの大きな負担になることが多くて、そのまま怪我をしてしまったりですね、成長が止まってしまうと、ゴルフの腕前もよくなくなると、上手く上達できないということがありますので… 少し物足りないぐらいのクラブをお渡し続けてくださいねというふうに申し上げます」
長さは関係ない、とおっしゃる賢人が他にいらっしゃいますし、今回お教えいただいた親御さんからは、長めのシャフトをジュニアに薦める指導者がいる、との話を聞きました。正解はないのかもしれない。先にあげたように、ジュニア時代から長めのシャフトで当て感を養うというメリット?は否定できない。特に女子プロゴルフの世界で、ドライバーで長いシャフトを使って飛距離を出す、というのが予め分かっているのだから、ジュニア時代から長めのクラブを振れるようにさせるという指導にはメリット?があるというか、そこから逃れられないのかもしれません*2。
でも、息子。国内外でしのぎを削るプロ、そしてそのプロ直前のトップ高校生や大学生の姿を現場で見続けてこられた三瓶大輔さんの言葉には重みを感じる。最後に、また先ほどの動画からの引用で。
「…慌てたがゆえにせっかくの才能が伸び悩むという場面をたくさん見てきておりますので、そういった意味でもですねお気を付けていただいて、なるべく本人が物足りないと感じるようなクラブをお渡しいただければと思います」
少なくても、我が息子にとって今のセッティングは "物足りない"。少なくても、わたしにとって今のセッティングは "使いこなせない"。
息子のドライバー、さらに短くしちゃおうかな。父のセッティングに問題ありだな。息子のことばかり考えてきたから気づかなかった、というのは言い訳か。
*1 "【ゴルフクラブ基礎】ジュニアゴルファーのクラブ選びについて," YouTube: Doug’s Golf Note / Doug 三瓶 Official Golf Channel, 2025.11.10. 丸山茂樹プロやTiger Woodsプロの話も。そこでも大人用かジュニア用か、という視点ではなく、とにかく長いのはダメ。重さと硬さの話は、ここでは大きく取り上げられていない。「...ジュニアの試合なんかに行くと、まわりの子が飛ばし出すとですね、どうしても自分も飛ばしたいので長いドライバー使いたいとかなるんですけども、そこはグッと我慢していただいて成長していけば必ず同じような飛距離になりますので、そこを目指していくと。少し遠回りになるかもしれないんですけどそれを目指していただいた方が将来的に伸びやすいと」。書き出してキャディバックに貼っておきたい。
*2 "器用さの使い道," note: 三瓶大輔 Doug Mikame, 2024.5.17. ドライバーだけ長いのは "つながり" が悪い。タイミングが変わる。器用さの多様、そして... 基本、アマチュア向けへの提言だが、プロの頂点で差を分けるひとつにこれがあるのでは。男子プロゴルフの世界においては、身長190センチあっても45インチ。あえてジュニア時代から大人用のヘッドとか、長めのシャフトや重め硬めのシャフトとかを年齢的に早く振れるようになるメリットがゼロに近いと思う。筋トレ以外に。重めで短めか。物干し竿とは対極。ホウキとも違う。