2025.10.22
恐るべし、視覚情報
2025.10.22
恐るべし、視覚情報
(そりゃ、気になるよね)
今週と来週は、あえてルーティンを崩して、平日ホームの東宝調布ではなく違うところで練習を、と考えています。今日の予定は会長のところでアプローチ練習(注:同時にショット練習でもある)。ただ近くまで来たのに、クルマの中で言葉数が少ない息子。体調不良。外は寒く、雨が降っている。クローズにならない限り我々親子はやるのですが、なぜだかここは大事を取って帰ろうと思っていたら、「インドアならできる!」ということで、なぜか息子の要望で軽く卓球をしてからゴルフパートナ R16千葉北インターインドア練習場店に向かう。90分、2打席で私も。意外と元気じゃないか。
全部で14打席あって、我々の後ろではグループレッスンが行われている。生徒は大人7人。コーチと生徒さんたちのやりとりが自然と耳に入ってくる。おっ!と思ったものを少し試してみたり。
当然の如く、息子も興味津々。特に70代と思われるシニアゴルファーさんへのアドバイスを息子が試している。親子で品がない。
ただ息子は試したのも束の間、すぐに通常の練習に戻る。自分へのアドバイスではないし、ワンポイントで全体が崩れてしまうことを肌感覚でわかっている。「今やらなきゃいけないのは3つ」と息子。週末のラウンドレッスンで先生から言われたことをブツブツ言葉にしながら動いて、あっという間に90分終了。
コーチと生徒さんたちのやりとりを聞きながら私が思ったのは、ジュニアだったらどう伝えるんだろう、ということ。大人であっても言語化する弊害は大いにあると思われます。細かいことを伝えずにコーチが教えたいことを自然とやらせるのが腕の見せ所。何を言葉にして、何をしないのか。どこに力点を置くのか。見よう見まねなら、独学とほとんど変わらない。言語化は程度の差はあれ必要。単なる対話とも違う。
ジュニアと言語化、で思い出されるのはJohn Anselmoプロ。Tiger Woodsプロのジュニア時代、10歳から17歳(18歳の途中?)まで指導したコーチです。ご著書を拝読すると、表面上の言葉を超えて細部まで言語化して動作を身につけさせているような印象があります。ご本人にはその意識がおありではないみたいですけど。
そのJohn Anselmoプロ。来日された際のインタビュー記事があります*1。Tiger 少年のスイングをアップライトに修正したことは、ご著書にも書かれております。私が息子に長いクラブを持たせてはいけない、と強く思ったのは、ジュニア時代のこのフラットなスイングをその後、見た目上は変えられても、高次元かつ本質的になかなか修正しづらいから。John Anselmoプロ以外にも、強調されておられる賢人が何人かおられる。こちらは別の機会に。
さらに私が目を引いたのは次の説明。こちらもご著書に出てきますが、Tiger 少年には飛ばすこと(ヒット)を教えず、スイングすることを大事にして教えた、と前置きした上で。
「飛ばそうとすると力を入れて強くヒットしようとするので、よいスイングは育たない。ゴルフはターゲット・ゲームであるから、ドライバーでもターゲット意識を強く持ってスイングすること。子どもたちには無理のないスイングで届く距離にターゲットを設定し、ターゲットに反応して体が自然に動くようにする。ラウンドするときも、あまり距離のないコースでプレーすることが大事で、そうすれば強く叩こうとしないでクラブを振ることができるようになる。ヒットしないでスイングしたほうが、ヘッドスピードは出るのだから、飛ばそうとしなくても飛ぶようになる」
年上に合わせたヤーテージの試合に息子が出て欲しくない理由のひとつがここにある。まぁ普段から息子はマン振りしてますけど。飛ばしの能力は小さい頃に磨かれるというポリシーのもと。両立を目指してやってきたつもり。
本日、親子の後ろで行われていたグループレッスン。私はそのコーチの言葉を聞いてから、一つだけでしたけど、自らの動作に取り入れてみる。生徒さんの動作を視覚情報として受け取っていない。後ろを振り返ってジロジロと見づらいですから。品もない。対話自体が面白いという側面も。
一方、息子。凝視。言葉より明らかに視覚情報に頼っている。
父のスイング姿。親子二人だけでゴルフをしている時の恐ろしさたるや… とは言いつつ、息子の体調が回復したら明日か明後日は北谷津でラウンドかな。
*1 日本ゴルフジャーナリスト協会(2001), "タイガー・ウッズの基礎を作った男 ジョン・アンセルモにインタビュー (聞き手: 菅野徳雄)", JGJAジャーナル, 2001.7.30. 以下の説明は衝撃的。「野球とかテニスとか、打つ球技はやらない方がよい。何故ならそれでヒットする癖をつけるとゴルフのときもスイングしないでヒットしてしまうから」。いろんな見方があると思う。なんと言っても、ジャンボ尾崎プロの存在がある。並行して行っておられたわけではないが。卓球...