みなさん、しっかり呼吸出来てますか?
人の身体にとって、呼吸は生きる上でとても大切な営みのひとつです。しかし、呼吸していることを常に意識している人はいません。現代では、呼吸が浅くなる生活習慣がとても多く、気がつくと、自然と呼吸が浅くなってしまいがちです。
スクリーン無呼吸症候群(Screen Apnea)という症状をご存知でしょうか?スマートフォンやパソコンの画面を見ている最中に、 無意識のうちに呼吸が浅くなったり、何秒か息を止めてしまう症状のことです。
携帯やスマホ、PCなどが毎日欠かせない現代は、無意識のうちに姿勢が悪い状態で長時間作業を続けてしまいがちです。特に猫背の姿勢は、胸を閉じてお腹を圧迫させた状態が続くので、深い呼吸がしづらくなり、肩こりや首こりの原因にも繋がってしまいます。
また、ストレスは身体を緊張させます。常に身体の緊張が抜けない状態は、筋肉をより硬くさせて、首や肩、背中や胸周りなどが凝りやすくなり、呼吸が浅くなってしまいがちです。 さらに、身体が凝っている状態が続くと不安やストレスの悪循環を引き起こすことにもなりかねません。
長かったマスク生活のせいもあり、鼻呼吸がしづらく、口呼吸になっている人も増えているようです。口呼吸は、鼻呼吸に比べて、肋骨の間の筋肉や首周りなどの呼吸筋を使いづらく、呼吸量が少なくなり呼吸が浅くなってしまいます。
このように呼吸が常に浅いことで、自律神経のバランスも乱れやすくなります。交感神経は血管を収縮し、副交感神経は拡張させる働きがありますが、加齢と共に副交感神経の働きが落ち、血管が拡張しにくくなると、全身の血流が悪くなります。呼吸こそ、血流にも血液にも大きな影響を与えているのです。
✤ ✤ ✤ まずは『呼』(息をはくこと)から。2対1の呼吸を意識しましょう ✤ ✤ ✤
息を吸う時間の2倍の時間で吐く2対1のリズムで深い呼吸を続けると、低下した副交感神経の機能が上がることがわかっています。
肺胞を取り囲む毛細血管の血流量が増えるため、酸素と二酸化炭素のガス交換が効率化して、血液の質が良くなります。
胸郭まわりの呼吸筋群の血流も促されるので、これらの筋肉が働きやすくなり、1回の換気量がより増大されるようになります。
副交感神経が優位になってくると、免疫を担う血液中のリンパ球が増えるため、免疫力が上がることも期待できそうですね。
また、脳は筋肉の3倍の酸素を使うそうです。
しっかり酸素を取り入れることは脳のパフォーマンス向上にもつながります。
ヨガや座禅でも呼吸法を重視していますし、某人気アニメの『全集中』の呼吸も、あながちでたらめなものではないようです。
この時期の爽やかな空気を感じながら、呼吸に意識を向けた生活を心がけてみてはいかがでしょうか,゚.:。+゚