NORIKA SUGIURA / 杉浦 紀香

Fill me with tenderness

[ Crown, Tiara ]Silver, Swarovski crystal
私はいつでも私の物語の中で生きていたい。この作品の主人公は、光の王様と闇のお姫様。彼女が彼に恋をするところから物語が始まります。彼女は周囲に溶け込むのに苦労して全て投げやりになっていたけれど、彼のあたたかさに触れ、不器用ながらも少しずつ彼女の心も変わっていく。彼女の本気の愛に対しての葛藤を描き、表現しました。
【 彼の光は真っ暗闇でも明るく照らす。でもわたしの周りは暗くて自分さえも見つけられなかった。彼はたくさんの色や形を持っていたけれど、わたしは何も持っていなかった。
わたしの国には光がなかった。だから、絶対に手放したくない。あなたはわたしの国だけを照らしてくれていればいい。あなたはこの国の王様。彼がわたしの国に入った時から出口はなくて。わたしの国は他の誰にも干渉させない。創ることも壊すこともできるのは彼だけだから。
わたしは今まで色や形を拒んできたから、今のわたしがあなたにあげられるものは、とってもとっても少ないと思う。でもね、あなたの痛みは全部わたしが受け合うから。いつまでもわたしの国の王様でいて欲しいの。
おっきくて、優しくて、あったかくて、強くて、繊細で…。そんなあなたがとても大切。あなたがいる世界だから、たとえどんな絶望があったって上を向いて生き延びていける。永劫消えることのないわたしたちの王国は、まだ始まったばかり…。】
私は自分の感情を色や形で理解していて、言葉で人に伝えることが苦手でした。ある時、物語を書くと自分の感情も言葉で表現できることに気付いたのです。私は両極端なものが好きです。例えば、善と悪、純粋と不純、創造と破壊。これらは2つあって初めて片方の存在が認められます。そのどちらのことも平等に受け止めたいと思うのです。