CHIHO KOGITA / 小木田 知穂

Grainy

[ Necklace ]Copper, Enamel, Polishing powder, Brass, Gold plating, Gold powder
私は縄文土器や土偶の力強くも神秘的な造形に、強い魅力を感じています。そこからインスピレーションを受けて、『縄文』を金属で表現するためのリサーチや実験を重ねました。そうして生まれたざらざらとした質感を持ったこのジュエリーは、不思議でありながら自然のエネルギーを感じさせます。それは身に付けられる縄文です。
縄文土器や土偶の、土を焼いた事で出来るざらざらとした質感を出す為にテクスチャーのリサーチを行いました。七宝の釉薬に砥の粉という粉末を混ぜて電気炉の温度を変えながら焼成したりなど、様々な方法で実験していきました。
釉薬を塗った上に金属粉や砥の粉を振りかけて焼くことを繰り返すことで、まるで土を焼いてできた土器や土偶に触れた時のようなざらざらとした手触りが残り、不思議なテクスチャを生み出します。
焼き付けを行う銅の板を、表から裏からと打ち出していき柔らかな形を作り出すことで、丸みを帯びた形をしながらもざらざらとした手触りや見た目が際立つようになります。
打ち出し技法で造形した丸みを帯びた表面を鏨で打ち抜くと、内側に巻き込みのある穴があきます。それはまるで時間をかけて自然に穴があいたような表情です。
縄文土器や土偶には一つとして同じ形のものはなく、丸みを帯びた愛嬌のあるものなど多種多様な形があります。 その中で “ふっくらとして丸みを帯びた” と “もこもこした優しい” の要素を取り入れ、打ち出した板を張り合わせて立体的な形を作り出しました。