HAN WANG / 王 涵

蛇鮫革宴会鞄

[ Handbag ]Python, Stingray skin, Silk, Mokume-gane, Walrus tusk fossil
明治時代には煙草入、信玄袋、筥迫、胴乱、抱鞄などの和式袋物が流行しました。現代にはあまり見ることが出来ません。昔の文化は大事な財産だと思います。昔の美と用を再現したいと考えました。煙草入を原点とし、渋さの探求と個人の思想の上で、今回の作品を制作しました。
工業と反工業の思想。一般のバッグメーキングは、デザインをしてから既成の生地や金具を選び、それらを組み合わせて使うことが多いと思います。これは便利なことですが、デザイン的制約を生み出します。このようなことから今回私は、鞄のデザインに合わせて金具をオリジナルで制作しました。
木目金は日本の伝統技術です。色々な有色金属を重ねて木目の色を出します。今回の金具は木目金を削り出しました。古美仕上げで処理し、高級感を表現しました。
紐はシルクの組紐を採用しました。元は着物の帯締めです。高級感を活かして、緒締に使いました。
鞄のメイン素材は、パイソン(ヘビ革)でスティングレイ(エイ革)をオーバーレイしました。
硬い胴を成型する為には木型が必要です。口元を狭くし、真ん中が膨らむように組み立て式の型を作りました。