よくある質問

質問 [p.56, l.6-8]

「より弾力的なほど需要曲線の傾きの絶対値は小さく,…,非弾力的なほど傾きの絶対値は大きくなり,….」の記述は,逆ではないのでしょうか?

応答 教科書の記述で正しいです.前ページ(3パラグラフ前)に書かれているように,ある価格における価格弾力性は需要曲線上の当該点での傾きを除して得られます.したがって,値が負であることを取り払って単純に絶対値で比べてみると,

 |価格弾力性| vs |需要曲線の傾き| ←大小は逆の関係にある

ことが言えます.つまり,需要曲線上の当該点で見比べて,

  • グラフで見た傾斜がゆるい(傾きの絶対値小)ほど,より弾力的(弾力性の絶対値大)

  • グラフで見た傾斜がきつい(傾きの絶対値大)ほど,より非弾力的(弾力性の絶対値小)

なのです.教科書の記述はまさにこのことを述べています.経済学の伝統で価格(独立変数)のほうを縦軸に描くので,通常のグラフの直観とは逆に,傾斜がきついほうが値(需要量)があまり変化しない(非弾力的な)場合なのですね.