© META-morphose / shun yamaguchi

META-morphose (2021)

Installation / Music Video

Kyoto Seika University Exhibition of Graduation Works 2021


新旧様々なディスプレイ20台を用いた、インスタレーション型のミュージックビデオ作品。

ディスプレイ同士はすべて同期しており、映像に登場するオブジェクトはそれぞれ画面内を行き来して展開する。新旧の画面の境界を越えたオブジェクトは、そのディスプレイが使用されていた時代の表現に合ったグラフィックへと変化していき、映像が遷移していく。

それらのモニターを再撮影したのち、展開を補強する為のインサートを差し込み、1つの「ミュージックビデオ」としてパッケージングした。

昨今台頭するVRやARなどの拡張現実的な映像表現や現実と見分けのつかない程緻密でリアルなCGなど、作者が生まれてからたった20年で高次元的な存在へと変化しつつある「映像」というメディアを、主にグラフィックや時代ごとの社会背景、トレンドの変化に着目し、新旧様々なディスプレイ間で姿形を変えながら展開する映像作品として表現した。

全体的な展開は大きく分けて「ブラウン管」→「4:3 ディスプレイ」「16:9 ディスプレイ」と3つにカテゴリ分けされた世界観の時代を遷移していく形で制作した。

それぞれ時代毎にバックキャスティングを行い、その時代の社会背景や流行からデザインやモチーフを取り入れた。

例えば、2000年代初頭のブラウン管中心の時代ではインターネット創成期という事から、インターネットに初めてアップロードされた女性バンドの画像やWorldWideWebのテキストをモチーフとして取り入れている。

4:3のモニターへ映ると情報スーパーハイウェイをモチーフとした高速道路やAA、Flashといった流行オブジェクトが登場する。その後、16:9のモニターへ遷移するとGAFAが台頭する発展した都市に変化。徐々にネットやコンテンツのインフラが整備され、世間に浸透していく様子を表現するため、モニターが新しくなるにつれて数や種類を増やしていくような構成で制作した。

また、制作手法としてはVHS テープに一度ダビングして質感を乗せたり、わざとインターレースを発生させるなど、「時代特有の質感」を作る為の模索を行った。

Flame Preview

System Dialog

私が生まれてからたった20年余で、ブラウン管テレビは高解像度の有機ELに置き換わり、折りたたみ式携帯はスマートフォンに変化した。

VHSや数メガしか容量のなかったフロッピーディスクは実態や容量の制限のない、クラウド上でのデータとして保存されるようになり、粗いドットだったグラフィックは現実と見分けのつかない程緻密でリアルな3DCGがリアルタイムで描画されるようになった。そして昨今では、拡張現実と呼ばれる、画面の境界を突破したコンテンツが台頭する。

この作品は、私が今までの人生で体験してきたメディアの遷移の全てであり、これからのデジタル表現の進化への期待である。

META-morphose (2021) Installation / MusicVideo

Kyoto Seika University Visual Design Digital Creation 12th yang02 Lab

Graduation Works


created by shun yamaguchi ( oumlr.com )

music: Silentroom ( silentrm.net )


special thanks:

yang02

minoru suematsu / masaharu sawada / shunsuke taniguchi

sota oda / joji manabe / ryo nakayama