メソ気象セミナーでは、「メソ気象研究のこれまで・今・これから」をコンセプトとしてセミナー形式で議論することを目的としています。議論の内容は、数多くの観測的・数値的・理論的な研究により明らかにされてきた『メソスケール気象学』について、これまでにどこまで理解されているのか・現在はどのような研究が行われているのか・さらには今後どのような研究を行っていくべきかについて取り上げます。
講師:
瀬古 弘 氏 (気象庁気象研究所)
趣旨説明:
10回目の開催にあたる今回のセミナーは、近年日本各地で甚大な災害をもたらしている「線状降水帯」と関連する線状のメソ降水系をトピックとし、その形態と維持機構に迫ります。講師には、気象庁気象研究所の瀬古弘氏をお招きしました。瀬古氏は、線状降水帯のような大雨をもたらす降水系を対象として、観測・数値シミュレーションによる現象解明とデータ同化技術による予測精度向上に向けた研究を30年以上にわたり行ってこられ、世界的に見ても線状降水帯等の大雨をもたらす線状のメソ降水系の研究の第一人者です。本セミナーでは、瀬古氏がこれまでに明らかにしてきた降水系の発生・持続メカニズムについて学生や若手研究者を含む参加者と議論し理解を深めるとともに、予測精度向上に対して今後どのような研究をすべきかを議論します。加えて,若手研究者を中心とした参加者による最新研究の紹介を口頭発表ならびにポスター発表を実施し、これまでの理解と最新の結果を参加者同士で共有することで、線状降水帯をもたらす降水系への見識を深めます。
講師の紹介
博士(理学) (東京大学)
略歴
・1986年 気象大学校 卒業
名瀬測候所、気象研究所台風研究部の研究官、
予報研究部、気象観測研究部の主任研究官 、室長などを経て、
・2020年4月 - 2023年3月 気象研究所, 気象観測研究部, 部長
・2023年4月 - 現在 気象研究所, 気象観測研究部, 研究官
線状降水帯を含む線状のメソ降水系がしばしば大雨をもたらすことから、その形態や発生・維持機構、また移動などを決める要因を理解し、それらを大雨の予測精度向上に活かすことが期待されている。その一方で、特に線状降水帯について、何を線状降水帯と呼ぶべきなのか、降水系の何に注目してどう整理するのかについても、研究者間で議論する必要があるのではではないかと感じている。
今回のセミナーでは、これまでの講師の研究を中心に紹介し、参加いただく方に線状降水帯についての議論の材料を提供することで、セミナーで発表する方の事例を含めて、包括的な議論を行いたい。9月28日に実施する講師の研究紹介では、気象庁研究時報「中緯度のメソβスケール線状降水系の形態と維持機構に関する研究」や、気象研究所技術報告「2003年4月8 日に大阪平野に組織化された線状降水帯」等を主体として、線状降水帯を含む線状降水系の形態と内部構造、降水系の移動や降水強度等を決める要因を紹介する。29日は、アンサンブルやデータ同化による線状降水帯を含む大雨の数値実験の結果を紹介し、大雨の予測精度を向上させるために、観測や解析、データ同化においてどのような戦略が必要かについて、参加者の方と一緒に検討したい。
参考文献:
瀬古弘,中緯度のメソβスケール線状降水帯の形態と維持機構に関する研究,2010,気象庁研究時報,62,1-74. リンク
瀬古弘,熊原義正,2003年4月8日に大阪平野に組織化された線状降水帯,2010,気象研究所技術報告,61,3.1-3.17. リンク
ポスター講演者:10名程度 締め切りました
口頭発表4件程度(発表20分質疑10分程度):締め切りました
ポスター発表10件程度:締め切りました
若手の講演者の旅費を補助しますので、積極的な応募をお願いします!
(多数応募の場合は調整させていただきます)
日時:9月28日(土)19:00~21:00
会場:炉端かば 松江駅前店(島根県松江市御手船場町564-2,https://shop-robata.jp/shop/36/)
会費:7,000円程度(学割あり)
参加受付は先着順のため、タイミングによっては現地参加できないことがございますことをご了承ください。満員となった場合はWebによる配信を実施する予定ですが、あくまでもベストエフォートでの配信となりますので、聞きづらいことなどあるかもしれないこと、ご承知おきください。
お問い合わせは,メソ気象セミナー事務局 meso.discuss [at] gmail.com まで.
(お手数ですが、[at] を @ に変えて送ってください。)
*スケジュールは変更になる場合があります。
1日目 9月28日(土)
09:30-10:00:受付
10:00-10:10:開会挨拶・趣旨説明
10:10-11:10:第1部(瀬古弘氏による招待講演)線状のメソ降水系の形態と維持機構(その1)
11:10-11:40:質疑応答
11:40-13:00:昼休み
13:00-14:00:第2部(瀬古弘氏による招待講演)線状のメソ降水系の形態と維持機構(その2)
14:00-14:30:質疑応答
14:30-14:45:休憩
14:45-16:45:第3部(若手研究者による口頭発表) 発表20分質疑10分を4件想定
16:45-17:00:記念撮影・ポスター準備
17:00-18:30:第4部(参加者によるポスター発表) 10件程度
19:00-21:00:懇談会
2日目 9月29日(日)
09:30-10:30:第5部(瀬古弘氏による招待講演)線状のメソ降水系の予測精度向上に向けて
10:30-11:00:質疑応答
11:00-11:15:休憩
11:15-12:00:総合討論・閉会挨拶
鵜沼昂 (気象研),春日悟 (三重大),加藤亮平 (防災科研),下瀬健一 (防災科研),末木健太 (気象研),津口裕茂 (気象大),栃本英伍 (気象研),西井章 (名大),横田祥 (気象庁) ,吉住蓉子 (日本気象協会),渡邉俊一 (気象研)
謝辞
本セミナーは、公益財団法人セコム科学技術振興財団の学術集会および科学技術振興事業助成を受けています。
2024-09-03 参加申込について追記
2024-08-07 口頭講演〆切追記
2024-07-01 趣旨説明、講師の紹介、招待講演要旨、申し込み締切、講演者募集、懇親会、参加申し込み、セミナーの日程等を追記
2024-05-17 謝辞を追記。
2023-12-24 ホームページ初版公開。
2023-12-22 ホームページ初稿作成。