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渡邉 真隆
名古屋大学 複雑系科学専攻 

多自由度システム情報論講座 助教

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多数の構成要素がある物理・社会システムは,個々の要素だけからは全く予想もつかない振る舞いを示すことがあります.このような現象を一般的に理解するために場の量子論を研究しています.

現在の興味は主に3つです.1つは個々の要素が強く相互作用するようなシステムをどのように解析的に解くかです.具体的な系を個々に解析するより,例えば対称性の概念だけからどれだけの普遍的結論が得られるかなどに興味があります.

このような系の情報理論的側面にも興味があります.離れた自由度同士がどのように情報を共有するかを測る量としてエンタングルメントエントロピーなどの量子情報理論的な量が知られています.このような量をどのように計算するか,そしてそこからどのようなことがわかるかに興味があります.

量子重力理論にも興味があります.超弦理論やそこから得られたホログラフィック対応(D+1次元の量子重力理論がその境界にあるD次元の場の理論と対応づいているという予想)を用いると,上の2つの興味は実は量子重力理論やブラックホールの理解と関係づいていることがわかります.これらを用いて物理現象や社会現象を広く統一的に理解するのが僕の最終目標です.

写真:死海(イスラエル)