2022年 5月個展「五月の散歩道」(茨城県 水戸宿泊交流場)


今回のアーティスト・イン・レジデンス(裏面参照)は、水戸宿泊交流場のオーナーの中村彩乃さんが、私のアルバイト先の喫茶ギャラリーそよや江戸端 で昨年10 月に行われた展示に訪れてくださったことをきっかけに始まりました。水戸交流宿泊場は江戸端と同じく古民家をリノベーションして作られた場所で、2021 年にオープンした宿泊/ コワーキング/ コミュニティスペースです。宿泊サブスクリプションのADDress にも登録されています。私の所属している東京藝術大学の壁画研究室のキャンパスは茨城県取手市にあり、その都合上私も茨城県に住んでいるのですが、交流場はそこからアクセスもしやすいこともあって今年の3月にお邪魔することになりました。古民家の昔ながらの暮らしのかたちは守りながら、様々な場所に意匠が凝らされている宿泊場を見て、初めてきた場所なのにどこか懐かしい気持ちになったのを覚えています。そこでお話をする中で交流場の1周年にあたるこの機会にアーティスト・イン・レジデンスにお誘いいただき、5月に実施する運びとなりました。

 下見や宿泊場の皆さんとのお話を通して県内の現状に通じていくと、茨城県や故郷の気づかない魅

力というものがいかに日常に隠れているかを考えさせられました。制作を通して、茨城県内外の人々

にそのような隠れた魅力を伝えられるような機会をつくりたいと思いながら18 日間滞在制作を行いました。今回の水戸での滞在制作では、県全体を通して水が潤沢にある印象を強くうけました。滞在制作を行った5 月はちょうど田んぼの季節でもあり、そうしたことも相まって川や用水路等、その季節ならではの風景を描くことになったと思います。水戸は水の都も呼ばれているそうで、本当に爽やかで美しい場所でした。

 最終日の3日間は交流場で作品を展示いたしました。

 最後に、今回の滞在制作でお世話になった水戸宿泊交流場の皆様、ならびに水戸を案内していただきました皆様に感謝申し上げます。