(【重要】本稿は「頭痛持ち」の方が繰り返し日常的にお困りになる慢性の頭痛について解説しています。慢性的ではない頭痛、突発的に起こる頭痛に関しては、本稿では解説していません。突発的な頭痛にはくも膜下出血などの重大な病気が隠れていることがありますので、自己判断せずに受診なさってください。また、本稿では脳腫瘍や脳の感染症による頭痛などについても触れていません)。
風邪やくも膜出血など急性の原因があるような頭痛は割愛して、頭痛自体が問題となるような慢性の頭痛には、以下の3種類があります。
群発頭痛、緊張性頭痛、偏頭痛(片頭痛)
▶1つ目の群発頭痛は、男性に多く、布団から出られないほどの激痛が1週間くらい続いてぱたっと止む、という特徴的なもので、あまり人数は多くありません。
ここでは、人数の多い2つ目と3つ目、緊張性頭痛と片頭痛の特徴を説明していきます。
▶緊張性頭痛と偏頭痛の特徴
・緊張性頭痛は、「ドキドキ緊張してなる頭痛」という意味ではありません。肩こりから来る頭痛、画面の見過ぎからくる頭痛など、「からだがこわばって」なる頭痛です。血の巡りが悪くなるイメージです。
なので、血の巡りがよくなることをすると和らぎます。お風呂、お酒など。
・これに対して、片頭痛は、「血の巡りがよくなり過ぎて」なるイメージです。ズキン、ズキン、ズキン、と脈が打つのに合わせたような痛み方になることが多いです。(そうではないこともあります)。お酒など飲もうものなら耐え難いほど痛みが悪化することがあります。人によっては、チョコレートやチーズなどでも痛みが悪化します。
緊張性頭痛と片頭痛のいずれも引き起こしうる誘引としては、寝不足や疲労などのストレスがあります。
▶緊張性頭痛と片頭痛の治療の相違点
治療は、どちらも痛み止めが効く点は同じです、普通の痛み止めでは効かないときに追加で使う薬が違います。
緊張性頭痛、つまり血の巡りが悪くなる頭痛の方で追加する薬としては、肩まわりの血行を良くすると言われる葛根湯があります。痛み止めに葛根湯を併用することで、長年痛み止めを飲んでも寝ているしかなかった方が劇的に元気になるケースがあります。
片頭痛、つまり血の巡りが良くなり過ぎる頭痛の方には、専用の片頭痛薬というものがあります。痛み止めとは全く作用メカニズムが異なるものです。よく効きます。こちらは市販はされていないので、受診して処方を受けます。(トリプタン製剤と言います)。