bve車両制作に必要な機材は何?①準備するもの編

最終更新:2022年2月11日

bve車両制作に必要な機材

bve車両制作をこれからはじめようと思った方で何が必要かわからない人向けに、必要な機材を紹介します。

どういった機材が制作に適切かを紹介していますので、ぜひ最後まで見ていただけると幸いです。

~目次~

必要なもの(持ち出すもの)

BVE車両制作は、電車の運転台を撮影し、bve上で鳴らす効果音を収録する必要があります。持ち出すものとして以下が必要です。

・カメラ

・ハンディレコーダー

運転台撮影用のカメラと電車の音(モーター音、Run音、エアー音)収録用のハンディレコーダが必要です。BVEの制作だから高い機材が必要かと言われるとそうではなく、クオリティに拘らなければ価格1万~5万円前後の一般的な価格帯のもので十分事足ります。

ハンディレコーダー

bveの車両制作には電車の走行音を録音する必要があります。そのためレコーダは必須です。ハンディレコーダーに数多く種類があり、ボイスレコーダーや音楽用のレコーダー、内蔵マイクの種類によってはその種類は多岐に渡ります。bve車両制作には価格10000円以上の音楽用ハンディレコーダがおすすめです。中でもおすすめの機種はTASCAMのDR-05です。

この機種は非常に多くのbve制作者が所持している(私的調べ)ロングセラー商品です。2013年購入。画像は初代のものです。価格は1万円前後で購入できます。

長所は内蔵マイク(無指向性)の表現力が優秀で、場の雰囲気をそのまま録音してくれます。雰囲気重視の車両データを作成するならおすすめの一品です。

また音割れ防止のために小さな入力レベルで録音して、後で編集で音量を上げる際にホワイトノイズが少なく、後編集もしやすいです。

短所は電磁ノイズには弱いです。電波塔やエアセクションの近くでは高周波(3kHz以上)のノイズが入ってしまうことがあります。

また車両制作には不要な低周波(60Hz以下)をよく拾うため、ローカットを必ずつける必要があります。


私が初めて車両データを作ったときはSONYの会見用レコーダを使っていました。

会見用のため声に特化したマイクですので、電車には不向きだったのですがこのレコーダに切り替えてその場にいるような音で録音できてとても興奮した記憶があります(笑)

阪急電鉄車両データの半分はこちらのマイクで作成しました。

サンプル(Youtube):阪急電鉄 普通 高速神戸行き 夙川~芦屋川(空転)

ZOOM ズーム ハンディレコーダー オールブラックエディション H4nPro/BLACK

この機種は上記のDR-05と異なり単一指向性の内蔵マイクを搭載した商品です。価格は2.5万円前後で購入できます。

長所は、単一指向性のマイクのため、マイクを向けた方向の音をより多く集音するため、モーター音の収録にに向いています。

点検蓋がある付近にレコーダを向けると、床下から聴こえてくる音のみを非常に精細に捉えることができます。また、捉える範囲も広いか狭いかを90°~120°で調整できるため、無指向性のDR05のように場の雰囲気を録音したい場合など多岐に使用できます。

短所はDR05と比べると一回り大きいため目立ちます。そのため取り回しには一般のお客さんの目に入らぬよう慎重を要します。

また、SDカードの容量によっては起動に2分かかったり多機能なため直感的な操作が難しく扱いにくい印象をうけました。

阪急9000系のRun音(モーター音以外の走行音)はこちらで収録しました。

サンプル(Youtube):阪急電鉄 特急 大阪梅田行き 神戸三宮~大阪梅田

カメラ

光学ズームは必須

bveでは計器を動作させるために、CGで作らない限りは画像編集で針を消す作業が必要です。

そのためこういった計器を大きく拡大して撮影することがあります。ですので光学ズームが無いと画質的に厳しいものになってしまうため、一眼レフやズーム機能があるコンパクトデジカメなどが適しています。

運転台画像を作ったり、車両性能を調査する場合はカメラが必要です。では一体どのランクのカメラが必要かですが、これは運転台パネルを高品質に作成したい場合は、なるべくセンサーサイズが大きく、高画質で撮影できるカメラが向いています。

理由はbveの取材の際は揺れる電車内で写真を撮影したり、トンネル内など暗所での撮影もあるためです。

また、bveパネル上で細部のディテールにこだわりたい場合はiPhoneやコンパクトデジカメではコマ不足なシーンが多いです。

私が使用した一眼レフを紹介します。

Nikon デジタル一眼レフカメラ D3100 レッド 200mmダブルズームキット D3100RDWZ200

2017年頃まで使用していました。価格は当時ダブルズームキットで4万円前後で購入しました。

Nikonの中では初心者機に位置する一眼レフで、価格もお安めの一眼レフです。

2014年頃 阪和線205系車内にて D3100+キットレンズ

運転台の後ろから撮影した画像です。bveのパネル画像は運転席に座って撮影するためこういった画像を高画質で撮影する必要があります。線路が流れていますが、揺れる車内でも安定して撮影できる機材が必要となります。

Nikon デジタル一眼レフカメラ D7100 16-85VRレンズキット AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR付属 D7100LK16-85

2021年まで使用していたカメラです。キットレンズと合わせて中古で4万円前後で購入しました。これはNikonの中ではセミアマ機となっており、写真を綺麗に撮りたい、極めたいアマチュア向けに開発されています。

2020年頃 神戸線 阪急9000系 車内にて

運転台の後ろから撮影した画像です。D3100の画像とは違い画像の四隅でもディテールが崩れることなく撮影できています。合焦箇所は速度計中心部ですが、その部分とても精細に撮影できています。この画像を元にCGで阪急9000系車両データを作成しました。

機材をスマートフォンで代用できるか?

ここまで長々とおすすめの機材を紹介しましたが、上記のカメラ、レコーダはスマートフォンで代用できるじゃん!って思う方多いと思います。

正直な話、頑張ればスマホの機能のみで車両データを作ることはできます。

しかし、車両データ制作ではスマートフォンを機材として代用するのはあまりオススメしません。

理由は後で編集作業するときに苦労するからです。

スマートフォンで撮った写真はぱっと見見栄えは良いのですが、拡大表示すると細かい箇所が粗くノイズも多いため後述する編集作業の際に苦労します。

運転台制作(実写画像からでは、運転台の表示灯を消灯画像から点灯させるといった編集をすることがあるのですが、解像度が低い画像だと切り抜き作業に苦労します。

レコーダについて。たしかに音声も録音できますが大抵の場合はモノラル録音になりますし、音質もICレコーダーと比べて良くはありません。ローカットなどのICレコーダーには標準装備の機能が無く、無駄な電車の振動を録音してしまうなど綺麗に録音するのはかなり技術が必要です。その不要な音を除去したりするのに作業量が増えてしまいます。

以下に詳しく述べます。

カメラの場合

スマートフォンで撮影した運転台の一部

スマートフォンで撮影した運転台画像を拡大

例えば、編成表の数字を切り出す作業をしようとしたときに拡大せずに見て使えるかな?と思いますが右の画像の通り、拡大してみると遠くから見たときはくっきり数字として認識できますが、拡大して切り取ろうとすると、細かい輪郭がぼやけており画像編集で切り取ることは難しくなってしまいます。

また致命的な問題でスマートフォンは光学ズームが殆どの機種で搭載されていません。ズーム機能があってもデジタルズームですので解像感はどう頑張っても画質面で光学ズームにはかないません。また、取材では揺れる電車内や暗所でズーム撮影するなど撮影条件がよくないことが多いため、きれいな運転台を作るには一眼レフや光学ズーム搭載のコンパクトデジカメをおすすめします。

ミラーレス一眼で撮影した運転台の一部

ミラーレス一眼撮影した運転台画像を拡大

圧力計の数字を切り取ろうとしたとき、画像を拡大すると圧力計の数字がくっきり撮影できており、これだと画像編集で切り取れそうです。

また、これは広角側で運転台全体を撮影した画像ですが、一眼レフだと望遠でもっと拡大して撮影できるため、解像度が上がりより作業がしやすくなります。ですので、スマートフォンではなく一眼レフや望遠ズーム搭載のカメラがおすすめといえます。

レコーダの場合

具体的にどの程度差がでるか客観的に掴むため、同じ区間でDR-05とiPhone13を並べて同一コンディションで録音してみました。

電車は阪急神戸線 岡本~御影間です。ぜひ聴き比べてください!

iPhone13で録音した走行音(モノラル音源)

ボイスメモ機能を利用しました。

DR05で録音した走行音(ステレオ音源)

内蔵マイクにて録音。ローカットは80Hzです。

いかがでしたでしょうか?iPhoneはレコーダ機能を利用するとモノラル音源となってしまい、空間性が損なわれてしまいます。iPhoneのカメラ機能を使えばiPhoneでもステレオ録音は可能ですが、毎回動画から音声に変換する必要があり、現実的ではありません。

DR05は内蔵マイクでも空間性を保ちながら、モーターの唸りなど音の要所要所をある程度再現できているため、データーを作成する際もそういった音源を切り出して設定することで、よりリアルなデータを作ることができます。


一概にモノラルはNGとは言いませんがステレオ音源だと空間表現の幅が広がるためおすすめです!

まとめ

bveで持ち出す機材でおすすめのものを紹介しました。機器の初期投資が学生の方なら少し厳しいかとは思いますが、撮り鉄の方なら一眼レフ持っている方も多いので、それはそのまま機材として充分使えます。レコーダも音鉄されてる方も多いと思うので手持ちの機材で気軽に作り始めてみるのもありかもしれません。

高い機材を買うほどデータのクオリティは比例して上がる傾向にありますし、必要な音だけをきれいに切り取ることができるので、後々の編集作業も楽で時間も節約できます。作ろうと思っているそこのあなた!少しだけお金をだして自分の好きな車両を再現してみませんか?