LEDシーリングライトの分解
以前,ブログ(LEDシーリングライトの寿命)で紹介したLEDライトを廃棄処分する前に,個人的興味で分解してみた.120個(20✕2, 14✕2, 12✕2, 12✕2)のLEDを四重に同心円状に樹脂板に埋め込んだ構造である.
各円は内側と外側にLEDが配置されているが,外側(赤丸印)のLED群が点灯しない,原因を調べるために.分解したプリント基盤,LED基盤,ACコンセントをバラック配線状態で接続し,通電してみた(真似はしないでほしい).
天井から降ろしたLEDシーリングライトを点灯させるには,角型引掛シーリングプラグ(コンセントを引掛シーリングにかえる)が必要である.
同心円状に配置されたそれぞれの円の内側だけが点灯しているのが分かる(撮影 最小照度).
LED基板の裏側を見るとLEDが埋め込まれた位置および電源回路上部にあたる樹脂板が黒褐色に変色している.天井に対面する本体部分は金属製でウレタンテープを介して圧着.
基板の熱は熱伝導性樹脂を介して金属版に逃がしている(後述の基板裏面参照).
LED基板との結線は以下の通り
○リモコン信号制御回路,チャンネル切り替え回路(4芯平行リード線)
○LED60個への給電のための2芯平行リード線(2回路).
○常夜灯LED(2芯平行リード線)
右側がAC100V入力.整流回路,フューズなど.
左側がLEDへの出力回路(2個)とリモコン信号制御回路.
上の画像に一致するように垂直反転した画像
右側がAC100V入力,整流回路.
左側がLEDへの出力回路(2個)とリモコン信号制御回路.
常夜灯はLED1個を使用し,両端の電圧は2.5ボルト.
60個のLEDにかかっている電圧は最低輝度で80ボルト.
AC100Vを整流して得られるDC140Vを利用して直列に繋いだLEDを点灯させているものと思われる.
2個の正方形の灰色物体は基板と本体金属板に圧着するように設計されている.
電源供給回路基板のカバーの変色.
LED基板にネジ止めされた「リモコンチャンネル切り替えスイッチ」と「リモコン受光素子」.
4芯平行リード線で制御基板と接続.
外側のLED群を点灯させる回路(コネクター,赤1)と内側のLED群を点灯させる回路(コネクター,赤2)は独立していて,結線を入れ替えても半分点灯状態は変わらないことから,両回路とも生きていることになる.
結論として,LEDのそれぞれに低電圧をかけて発光させる方式ではなく,60個のLEDを直列に繋いだLED群の両端に100ボルトを整流した直流電圧をかける方式であることが分かった.この方式では,1個でも破損したら残りの59個のLEDも発光しないということになる.LEDの破損の原因は解明できなかったが,基板上の小さなコネクター(2P)は経年変化で柔軟性が無くなり,抜くときに簡単に壊れる脆い状態になっていた.基板上のコンデンサーも問題ないので設計照度の半分で使用できないことはないが,樹脂の劣化を考えると廃棄すべき時期と言える.蛍光管に較べたら熱による影響は少ないように思えるが,長年の使用に耐える樹脂の使用が望まれる.
参考資料
LEDシーリングライトの寿命 (6年,30000時間,設計寿命以下) . 機種 ルミナス :WY-TH12D.
天井から下ろしたLEDシーリングライトを点灯させるには,角型引掛シーリングプラグが必要(コンセントを引掛シーリングにかえる).
2021.4.4