集中講義 計算統計/計算物理の方法

本講義の目的は計算統計・計算物理の諸手法(MCMCや変分ベイズ法を除く)について「漸化式」「前向き・後ろ向き」といった視点から2日間(午後のみ)で一気に俯瞰することにあります.

横断的に各話題の繋がりを考えることがテーマなので,個々の話題の説明は簡略になっており,どちらかというと,ある程度勉強された方向きだと思います.もとの講義(4日間)では前半の2日間はベイズ統計の入門を講義しましたが,それはここに含まれていません.

伊庭幸人 (統計数理研究所/総合研究大学院大学)

講義全体についての文献 (last update: 2020/08/29) リスト

第1部ではマルコフ連鎖の話からはじめて,離散状態の隠れマルコフモデルでの和や期待値の計算,そして,それがいろいろな方向(連続状態,グラフィカルモデル,最適化,連続時間)へと一般化される様子を見ます.

講義で「後半」というのは,ここでは「前半」の2日間がカットされているためです.「後半」の2日間だけで,ほぼ閉じた内容になっています.第1部は実際の講義では「後半」の1日目に相当します.

スライド https://www.slideshare.net/secret/ph5TjSUWyA4MTr

イントロダクション,HMM(離散状態)の漸化式 (1/3) 46分

状態変数が連続値の場合,ビタビアルゴリズム,ベルマン方程式 (2/3) 47分

連続時間の確率過程,HJB方程式 (3/3) 59分

第2部ではアジョイント法とバックプロパゲーションの話からはじめて,ラグランジュ未定乗数法のこの分野での使い方,第1部との関連を議論します.また,時間を含まないアジョイント法にも言及します.

第2部は実際の講義では「後半」の2日目の前半に相当します.

スライド(第2部+第3部) https://www.slideshare.net/secret/KFAWXbg7M57kVB

アジョイント法とバックプロパゲーション (リテイク)(1/3) 31

連続時間のアジョイント法,最適制御と最大値原理  (2/3) 35

第1部との関係再考,時間を含まないアジョイント法  (3/3) 1時間11分

下にベルマン方程式についての補足のノートあり(PDF)

ベルマン方程式と最大値原理.pdf

第3部では趣を変えて逐次モンテカルロ法・粒子モンテカルロ法を扱います.時系列解析への応用だけでなく,レアイベント・サンプリングや拡散モンテカルロ法などデータ解析以外への応用にも触れました.

第3部は実際の講義では「後半」の2日目の後半に相当します.

スライド(第2部+第3部) https://www.slideshare.net/secret/KFAWXbg7M57kVB

逐次モンテカルロ・粒子モンテカルロ  1時間12分 

ここだけをほぼ独立して聴けます

講義内で参照した文献は下のリンク参照