弊学科では卒業論文を執筆するにあたり,大きく分けて次の2種類の文書を作成する必要がある.
・卒業論文本体 (ページ数に指定なし)
・卒業論文の概要 (2ページ)
どちらの文書もLaTeXを用いて組版することが求められる ( MS-Word を使う人も多いらしいが ).しかし,これらを組版するためのフォーマット [1] が極めて古いため,環境によっては適切にコンパイルすることができないという問題点がある.そこで本稿では,この問題を解決するための案を提示する.
本体は,既存のフォーマットを使うことを諦めた.代わりに pLaTeX2e の新ドキュメントクラスである jsbook を用いる.jsbook は TeX Live をインストールしたときにインストールされているはずなので,特に何も考えずに使うことができる.多少細かい設定が必要 ( 表紙・要旨・謝辞等 ) だが,既存のフォーマットを用いるよりははるかにストレスがない (あくまで個人の見解).
プリアンブルに次を追加する.
\makeatletter
\renewcommand{\theequation}{% 式番号
\thechapter.\arabic{equation}}
\@addtoreset{equation}{chapter}
\renewcommand{\thefigure}{% 図番号
\thechapter.\arabic{figure}}
\@addtoreset{figure}{chapter}
\renewcommand{\thetable}{% 表番号
\thechapter.\arabic{table}}
\@addtoreset{table}{chapter}
\makeatother
本文 ( \begin{document}
の下 ) に以下を追加する.
\setcounter{page}{2}
※ 弊学科の卒業論文は:
1ページ目 :表紙 ( 当たり前,ページ番号は付さない )
2ページ目 :要旨 (Abstract)
3ページ目 :謝辞 ( 普通は参考文献の前とかだと思うけど... )
4ページ目以降 :目次,表目次,図目次
という並びが推奨されており,これらの次から本文か始まる.また,本文との区別をつけるため,ページ番号は:
本文以前 :小文字のローマ数字 (e.g., i, ii, iii, iv, v, ...)
本文 :アラビア数字 (e.g., 1, 2, 3, 4, 5, ...)
のようにする必要がある.
プリアンブルに以下を追加する.
\usepackage[top=30truemm,bottom=30truemm,left=18truemm,right=37truemm]{geometry}
本文 ( \begin{document}
の下 ) に以下を追加する.
\tableofcontents % 目次
\listoftables % 表目次
\listoffigures % 図目次
概要に関しては,細かい設定が必要となるため,既存のフォーマットを用いる.主な注意点としては,CEABS-2E.sty というスタイルファイル [1] を読み込むことである.特に,数式環境を用いるために必要となる amsmath.sty で定義されているいくつかの書式が CEABS-2E.sty でも定義されているために,コンパイルしたときにエラーが表示されることがある.このエラーに関しては ( 良い方法ではないが ) プリアンブルでこれらを読み込む順番を \usepackage{amsmath} → \usepackage{ceabs-2e} のようにするとエラーは出ない.参考までに,当時 (2018/01/27) 書いたプリアンブルを載せておく.
\documentclass[10pt,twocolumn,uplatex]{jsarticle}
%%% required package
\usepackage{amsmath}
\usepackage{ceabs-2e}
\usepackage[varg}{txfonts}
%%% required information
\univname{東北大学}{Tohoku University}
\deptname{○学部}{○○学科}{}{}
\title{卒業論文のタイトル}
\endtitle{Title of thesis}
\author{氏名}\thanks{○○研究室(指導教員:Prof. Euler)}
\endauthor{Name}
\abstract{% Here comes of abstract of your thesis in 4 to 6 lines
}
\keywords{% Here comes of keywords of your thesis
}
\receivedate{2018年2月6日}
※ 私は図を挿入する機会がなかったので分からないのだが,どうやら通常の方法で記述するとコンパイル時にエラーが表示されるらしい.以下のコードをプリアンブルに追加することで解決するとか.
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
[1]:学位論文等の執筆要領 ( http://mechanics.civil.tohoku.ac.jp/bear/presentation/how2thesis.pdf )