志水 一暉 (履正社国際医療スポーツ専門学校)
足趾は身体の約1/4の骨と多数の筋・腱・靭帯で構成され、運動機能に大きく関与する。本研究では、
①足趾ROMトレーニング(可動域向上)
②足趾把持筋力トレーニング(タオルギャザー等)
がパフォーマンス能力(立ち幅跳び・反復横跳び)に与える影響を比較した。
30名の若年者を3群に分け1週間の介入を行った結果、
足趾ROMトレーニング群のみパフォーマンス能力に有意な向上が認められた。
足趾把持筋力トレーニングは短期間では有意差が得られず、長期介入の必要性が示唆された。
足趾は姿勢制御・歩行・跳躍など多くの運動に関与する。
足趾把持筋力は動的バランスや歩行速度向上に寄与することが先行研究で示されている。
一方、足趾ROM(柔軟性・可動域)がパフォーマンスに与える影響は十分に検証されていない。
本研究では、ROM向上と筋力向上のどちらがパフォーマンスに影響するか を比較する。
健常若年者30名(男性21名・女性9名)
A群:足趾ROMトレーニング(10名)
B群:足趾把持筋力トレーニング(10名)
C群:対照群(10名)
1週間
立ち幅跳び
反復横跳び
(裸足で2回測定し平均値を採用)
選択理由:
足趾屈曲力・足関節底屈力が強く働く動作であり、足趾機能の影響を受けやすい。
母趾底屈角度(チョキ)
母趾背屈角度(チョキ)
足趾内外転(パー:3段階評価)
※A群のみROM向上に有意差あり。
◎A群:足趾ROMトレーニング
グー・チョキ・パー体操(各2秒 ×10回 ×1日1セット)
足趾ストレッチ(第1〜5趾間を他動的に動かす:1日3往復)
目的:足趾内在筋の柔軟性向上・可動域拡大
◎B群:足趾把持筋力トレーニング
タオルギャザー(1日3セット)
静的筋力発揮(足趾を3秒押し付けて脱力 ×10回)
目的:足趾屈筋群の筋力増強
A群(ROMトレ):立ち幅跳び・反復横跳びともに有意に向上
B群(筋力トレ):向上傾向はあるが有意差なし
C群(対照):変化なし
A群のみ有意に向上
B群・C群は変化なし
足趾ROMトレーニングは、足趾内在筋の柔軟性向上により可動域が広がり、
足趾の運動習慣が増え、結果的に把持筋力も向上した可能性がある。
一方、足趾把持筋力トレーニングは1週間では効果が不十分であり、
先行研究のように4週間以上の長期介入が必要と考えられる。
パフォーマンス向上には足趾だけでなく、足関節・膝・上半身の要素も関与するため、
今後は多角的な検証が必要である。
短期間(1週間)では、足趾ROMトレーニングの方がパフォーマンス向上に有効である。
足趾把持筋力トレーニングは長期介入で効果が期待できる。
パフォーマンスの種類によって、ROMトレーニングと筋力トレーニングを使い分けることで、
より効率的な運動能力向上が可能となる。