柴田 善康(滋賀県)
本研究は、地域住民(主に65歳以上)を対象とした体操教室の継続的な実施により、
フレイル進行の抑制・身体機能向上・地域コミュニティ形成 を目的とした取り組みである。
身体機能の評価には TUGテスト を用い、継続参加による機能改善を検証した。
また、地域自治会・高齢者活躍事業との連携により、柔道整復師の社会的役割拡大を目指した。
日本は超高齢化社会に突入し、社会保障費の増大が課題となっている。
フレイル(虚弱)は、歩行速度低下・疲れやすさ・活動性低下・筋力低下・体重減少のうち3つ以上で評価される。
当院では2015年より古民家を改装し、体操教室を開始。
コンセプトは 「楽しく・正しく・継続する」。
姿勢改善・歩行指導・脳トレを組み合わせ、身体機能向上と地域コミュニティ形成を図る。
TUGテストを用いて身体機能の変化を評価し、柔道整復師の地域貢献の可能性を検証する。
月2回、1回60分
4グループ制
上半身体操(20分):肩甲骨・姿勢改善・瞬発力
下半身体操(20分):スクワット・カーフレイズ・歩行指導
脳トレ(20分):状況判断能力向上(交通事故予防にも寄与)
椅子 → 3m先のコーン → 椅子へ戻るまでの時間を測定
立ち上がり・歩行・方向転換を含む総合評価
2回計測し平均値を記録
転倒リスク評価に有用
カットオフ値:
13.5秒以上:転倒リスク増大
30秒以上:起居動作に介助が必要
11秒以上:運動器不安定症の可能性(日本整形外科学会)
70〜80代の参加者で 全体的にタイムが短縮
姿勢・歩行の改善が観察された
脳トレでは反応速度の向上が一部で確認
7年間ほぼ退会者がなく、継続率が高い
体操教室は フレイル予防・身体機能向上・転倒リスク低減 に有効である。
姿勢・歩行指導を徹底することで、日常生活動作の質が向上。
脳トレは交通事故防止にも寄与し、警察署交通課とも連携して活動を拡大。
地域コミュニティとして機能し、参加者の健康維持・社会参加を促進。
柔道整復師の役割が「施術所内」から「地域全体」へ広がる可能性を示した。
体操教室は高齢者の健康維持・身体機能向上に大きく貢献する。
地域コミュニティ形成にも寄与し、介護予防・医療費削減に繋がる。
柔道整復師の社会的役割を拡大し、地域に必要とされる存在となる。
今後も継続的な評価と地域連携を進め、より良い地域づくりに貢献していく。