委員 長尾 裕次郎(近畿超音波画像観察小委員会)
近畿超音波画像観察小委員会は平成9年に設立され、柔道整復師による超音波観察の研究・普及を目的として活動してきた。
しかし、超音波観察装置の使用をめぐる法的問題により、委員会活動は長年にわたり不安定な状況が続いた。
平成15年・平成22年の厚生労働省の見解により、
「柔道整復の施術判断の参考として行う超音波検査は差し支えない」
と明確化され、柔道整復師による超音波観察が法的に認められた。
本報告書では、委員会の設立経緯、法的問題の変遷、装置の進化、今後の活動指針を整理し、
柔道整復業界における超音波観察の重要性と未来への展望を示す。
近畿二府四県の有志柔道整復師が集まり設立
目的:超音波観察の研究・普及・啓発
当時はアナログ機が主流で精度に限界があった
平成17年:京都大会より専用会場で活動報告を開始
平成24年:和歌山大会で「超音波新時代」論文が法的議論により留保
平成27年:名称を「近畿超音波画像観察小委員会」に変更
法的問題により活動が制限される時期が続いた
医師会からの照会を受け、
「柔道整復師は超音波検査を行えない」
とする通知が発出
委員会が直接照会
厚労省医政局医事課長より回答
「施術判断の参考として行う超音波検査は柔道整復の業務の中で行われている」
厚労省が明確に回答
「柔道整復の施術判断の参考として行う超音波検査は差し支えない」
関係各所へ文書通知
柔道整復師による超音波観察装置の使用が法的に認められる
高周波プローブの登場
画像処理技術の飛躍的向上
MRIと同等以上の分解能を得られる場合もある
整形外科領域でも普及が進む
野球肘検診などスポーツ現場での活用も増加
科学的妥当性の検討・発表
医療・保健・福祉への貢献
業界の進路に対する指針提示
超音波観察の普及と技術標準化
技術習得・普及の仕組み作り(スキルアップ)
導入施術所の増加(データ蓄積・標準化)
超音波観察ができる柔道整復師の確立
問診・視診・触診・徒手検査と連動した画像評価の標準化
エビデンスの蓄積
業界全体での導入促進
柔道整復は日本固有の伝統医療であり、「匠の技」が継承されてきた
超音波観察はその技術を補完し、現代の柔整業界に不可欠なツールとなっている
法的問題が解決した今、普及と技術標準化が急務
日本柔道整復師会の「匠の技伝承プロジェクト」でも超音波実技が導入され、外傷+超音波のスペシャリスト育成が進む
超音波観察は柔道整復界の“メジャー”となりつつあり、業界の未来を左右する重要技術である