日用品は包帯固定の代用品として有用か
日用品は包帯固定の代用品として有用か
小嶋英資(京都医腱専門学校)
小嶋英資(京都医腱専門学校)
小嶋 英資(京都医健専門学校)
災害時など医療資源が不足する状況下で、身近な日用品を包帯固定の代用品として使用できるかを検討した。特にユニクロ社のヒートテックを用い、ヴェルポー包帯法・デゾー包帯法の代替固定を試みた。固定の目的(整復位保持、安静保持、可動域制限、変形防止)をどこまで満たせるかを評価し、日用品の有用性と限界を明らかにした。
災害時には医療機関へのアクセスが困難となり、応急処置として日用品を代用する必要が生じる。
ヒートテックは日本国内で広く普及しており、緊急時に入手しやすい。
本研究では、ヒートテックを包帯固定の代用品として使用した場合、柔道整復学的にどこまで固定目的を達成できるかを検証する。
ユニクロ ヒートテック(長袖)
日本人口約1.3億人に対し、ヒートテック累計販売枚数は約3億枚。
「一人一枚以上所持している」と推定でき、災害時の入手性が高い。
整復位保持・再転位防止
患部の安静保持
可動域制限
変形防止・矯正
● ヴェルポー包帯(ヒートテック代用)
両袖を体幹で結ぶ
星印部を引き、患肢を内転位で包み込む
健側の袖を強めに結び、内転方向の固定力を確保
● デゾー包帯(ヒートテック代用)
両袖を頚部後方で結び患肢を吊り上げる
健側袖を近位側へ移動し圧迫
星印部を上内方に引き、肩関節伸展+胸郭拡大を補助
安静保持のみ達成可能
伸縮性が高く、
可動域制限
再転位防止
変形矯正
には十分な固定力が得られなかった。
ヒートテックは伸縮性が高く、固定力は弱い。
しかし柔軟性が高いため、多様な固定方法を創出できる可能性がある。
複数枚使用、他素材との併用により固定力向上が期待できる。
開放性外傷では感染リスクがあるため使用不可。
災害時の「応急的な安静保持」としては有用性がある。