小林 正和(滋賀県)
SDGs(持続可能な開発目標)のゴール3「すべての人に健康と福祉を」と、
柔道整復師の業務・社会的役割との関連性を整理し、
特にターゲット3-8「UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)」との関係性を中心に考察した。
柔道整復師がSDGsにどのように貢献できるかを「積極的現状維持」という概念を用いて提案する。
SDGsは2015年に国連で採択された国際目標で、2030年までに「誰一人取り残さない」世界を目指す。
ゴール3「健康と福祉」には13のターゲットがあり、ターゲット3-8では UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ) の達成が掲げられている。
UHCは「すべての人が支払い可能な費用で質の高い保健医療サービスを受けられる状態」。
日本の国民皆保険制度はUHCの代表例であり、柔道整復師の受領委任制度もその一部を担う。
本発表では、柔道整復師がSDGsにどのように関わり続けられるかを考察する。
17のゴール・169のターゲットで構成
ゴール3:「すべての人に健康と福祉を」
ターゲット3-8:UHCの達成(表1)
「予防・治療・リハビリなどの保健医療サービスを、誰もが支払い可能な費用で受けられる状態」
日本の国民皆保険制度が該当
達成だけでなく 維持 が重要
JICAは「物理的・経済的・社会的アクセスの改善と、サービスの質向上」を重要とする
ゴール3は抽象的だが、ターゲット3-8(UHC)に着目すると柔道整復師の業務と密接に関連する
受領委任制度 は国民皆保険制度の一部であり、UHCの維持に貢献している
救護活動・機能訓練指導なども「健康と福祉」に寄与する公益活動である
SDGsは「持続可能」であり、単なる拡大ではなく 良い状態を未来へ繋ぐこと が本質
現状維持は消極的ではなく、
“自分ができる範囲で未来へつなぐための行動”
として積極的に取り組むべきもの
柔道整復師は日々の施術・研鑽・地域活動を通じてSDGsに貢献できる
柔道整復術はWHOで「柔道セラピー」として認知されており、国際的にも価値がある
SDGs・UHCと柔道整復師の業務を関連づけることで、
柔道整復師として働き続けるモチベーション向上につながる
SDGsは柔道整復師だけでなく、個人としても取り組める普遍的な目標
一過性のブームで終わらせず、継続的に意識し続けることが重要である