母趾MTP関節捻挫の症例報告
母趾MTP関節捻挫の症例報告
~厚紙副子を使用した固定~
~厚紙副子を使用した固定~
稲川大輔 (京都府)
稲川大輔 (京都府)
結果として、約5週間で柔道稽古に復帰し、疼痛の完全消失は約6週間で得られた。
母趾MTP関節の損傷は、柔道・相撲・空手・剣道など裸足競技で多く発生する。
過屈曲・過伸展に自重+相手の体重が加わることで損傷しやすい。
本症例では、厚紙副子を用いた固定が 早期復帰に寄与した理由 を検討する。
42歳 男性
柔道乱取り中に畳につまずき、母趾MTP関節が過屈曲して受傷
受傷直後は稽古を続行したが、痛み増強により中止
初検時:強い疼痛で荷重不可、腫脹・圧痛・発赤著明、屈曲・伸展は疼痛で不能
厚紙副子(0.2mm)
綿花
柔整パッド
包帯
母趾趾尖部〜第1中足骨基底部まで厚紙副子で固定
患部安静のため 松葉杖で免荷歩行 を指示
3日目:腫脹が徐々に軽減
5日目:足底外側での免荷歩行が可能
9日目:足底全体を軽くついての免荷歩行が可能
11日目:腫脹ほぼ消失、医科対診でレントゲン陰性
14日目:松葉杖使用で加重歩行が可能
21日目:厚紙副子除去、包帯固定継続、松葉杖1本で加重歩行
28日目:包帯除去、跛行あるが松葉杖なしで歩行可能
5週間で柔道稽古に復帰(テーピング併用)
母趾MTP関節の屈曲・伸展時の疼痛消失は 約6週間
厚紙副子は
患部に安心感を与える
お湯・水で容易に成形でき、オーダーメイド固定が可能
安価で経済的負担が少ない
完全固定ではなく「呼吸のできる固定」ができる
関節拘縮を最小限に抑え、早期復帰に寄与
「適度な可動域を残す固定」が本症例には有効だった と考えられる。
本症例では、厚紙副子を使用することで早期復帰が実現した。