この曲は、2nd Single『カシス・コラーダ』のカップリングとして制作しました。
ずっと、男女のデュエットソングを作りたいと思っていて。
なかなか形にできなかったのですが、『カシス・コラーダ』で「ひとりで強がる姿」を描いたとき、対になるようなふたりでぶつかり合う構図が浮かびました。
よく、マーモットの喧嘩(分からない方は検索してください)を想像して聞いて下さいと冗談で言うのですが、なんとなく胸ぐらをつかみ合っているようなイメージで聞いていただければと思います笑
この曲が描いているのは、究極の両片思いです。
好意を口にして、いまの均衡が崩れてしまうのが怖い。
その自覚があるふたりは、自分からは動かない。
それは卑怯さであり、同時に関係を延命するための選択でもあります。
「言葉にすれば崩れていくから」
だから、0.9秒という未完成な関係を続けている。
そんなすれ違いの狭間で揺れるふたりの未完成な駆け引きを、にぎやかなスウィングのリズムに乗せて描きました。
この記事を書くにあたり私も久々に聞きましたが、曲も歌詞も狙ったものが作れるようになったもんだ…と思いました。この調子で今後もレトロ寄りの楽曲やジャズ風の楽曲を制作したいですね。
「惚れたが負け」なんてよく言われますが、この2人は負けることを極端に恐れています。
正確には、自分が負けることではなく、相手が勝つことを許せないのです。
可愛く言えば「相手に好きと言わせたい」なのですが、
実際のところはただの高すぎるプライドと支配欲です。
それなのに、うまく相手を誘導できるほど器用でもない。
現状には満足していないけれど、自分の意思で壊す勇気もまた、ない。
だから、心の中では「動くな」「動けよ」を同時に繰り返しています。
非常に面倒な2人です。
でもその面倒さこそが、熱を生むのです。
この2人に関しては、最終的な結末はあまり考えずに描きました。漫画やドラマだと結ばれて、いがみ合いながらも幸せに暮らしました、になるんでしょう。きっと現実ではそこまでうまくいかないでしょうから、結果からみても彼らには0.9が最適解なのかもしれません。
また、男性サイドのボーカルをお願いした かなと。さんですが、優しい声色が特徴の歌い手さんです。めちゃくちゃ色気出して歌ってくださいと無茶振りしましたが、私としては声色と曲調のギャップから、彼のおかげで個性のある作品として確立した気がします。ありがとうございました。
いかがでしょうか。
「0.9秒」は猶予であり、制限時間であり、臆病な祈りです。
愛を名乗れない夜に、ぜひ聞いて下さい。
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