2022/08/08
5つの健康習慣
身体を動かす
仕事や運動などで、身体活動量が高い人ほど、がん全体の発生リスクが低くなるという報告があります。身体活動量が高い人では、がんだけでなく、心疾患のリスクも低くなることから、普段の生活の中で、無理のない範囲で身体を動かす時間を増やしていくことが、健康につながると考えられます。
どれくらいからだを動かせばいいのか
がんの予防のために、ものすごく運動しないといけないわけではありません。厚生労働省は、「健康づくりのための身体活動基準2013」の中で、18歳から 64歳の人の身体活動について、“歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分行うこと”、それに加え、“息がはずみ、汗をかく程度の運動を毎週 60分程度行うこと”を推奨しています。同様に、65歳以上の高齢者については、“強度を問わず、身体活動を毎日40分 行うこと”を推奨しています。また、すべての世代に共通で、“現在の身体活動量を少しでも増やすこと”、“運動習慣をもつようにすること”が推奨されています。
適正体重を維持する
・太りすぎ痩せすぎに注意
中高年の日本人を対象に行われた研究報告をまとめ、がんによる死亡のリスクと、 総死亡※2のリスクが、BMIによって、どう変化しているかをBMI 23.0~24.9 を基準(1.0)としてグラフに表すと、下の図のようになりました。(※2 総死亡:すべての原因による死亡)この図をみると、男女とも、がんを含むすべての原因による死亡リスクは、太りすぎでも痩せすぎでも高くなることがわかります。がんの死亡リスクに関しては、 男性では肥満よりも痩せている人のほうが高くなりました。ただし、たばこを吸わない場合には、痩せていてもがんの死亡リスクは高くならないことが報告されています。女性においては、がんによる死亡リスクはBMI 30.0~39.9(肥満)で25%高くなりました。特に閉経後は肥満が乳 がんのリスクになることが報告されていますので、太りすぎに注意しましょう。 健康全体のことを考えると、男性は BMI 21~27、女性は21~25の範囲になるように体重を管理するのがよいようです。
次回は「感染」について説明します。