この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。

2018年05月01日

 新部長になりましたペーターです。4/30日に個人山行で鈴鹿・元越谷に行ってきました。

 昨年前期Part2で膝を怪我して膝蓋軟骨軟化症になってしまい、完成編の川浦に無理矢理行った以外は沢登りに行けていませんでした。完全に快復した訳ではありませんが、養生しながら控えめに沢を続けていこうと思い、膝に優しそうな沢を企画しました。実は初CLです。

 メンバーはペーター、O柳さん、S木さん、M里さんに加え、京都府大三回生のN原さんです。N原さんはペーターが掛け持ちしている林業サークルを通じて知り合い、お招きしました。府大ワンゲルの部長を務める熱心な沢ガールです。

 B3~M2の各学年が揃い、府大からのゲストもいるというメンバーも楽しかったですが、沢自体の満足度もかなり高かったです。全く難しいところがないわりには美しい風景が連続しており、素敵なところでした。詳しくは追記にて。


 写真は↓


http://photozou.jp/photo/list/2619556/9161754

4/30(月・祝) 晴れのち曇り

8:00 車止め 出発

8:25 入渓

8:40 遡行図の入渓地点

8:55 15m元越大滝

9:20 飛び込みで遊ぶ

10:00~10:10 レスト

10:20 仏谷出合

10:50 水汲みレスト

11:15~25 遡行終了、レスト

11:35 水沢峠

12:20~12:35 O柳はぐれる

13:15 下山



 気温が上がるのを待って入渓しようとのことで、BOXに5時集合。当初ペーター、O柳さん、 M里さん、N原さんの4人に加え、下村がくる可能性があったが、体調不良でキャンセル、それに入れ替わるようにS木さんがドタ参した。

 石鎚から帰ってきたレンタカーに乗って2時間のアプローチ。行きはM里さんの運転。ゲートまで車でいける予定であったが、道が悪く、途中の林道に駐車する。前進中に行動不能になり、バックで駐車場所まで移動させたので、ここでかなり難儀した。「今日一番の核心かな」という言葉も漏れる。停車が完了したその場で沢支度。日帰りということで、膝のことを考え可能な限り荷物を軽量化した。細引きや地下足袋、グロッペなども置いて、ザックの中身は雨具と行動食くらいに。ザイルやカムは使う予定はなかったが、念のためN原さんが府大の装備を持ってきてくださった。登攀装備はO柳さんが持つことにして入山した。

 入山前連絡をしようとしたが、ペーターのドコモが圏外、すぐ近くの国道まで戻っても電波が通じない。どうしようと思っていると、S木さんがau携帯を天高く掲げてくださり、なんとか電波が入る。無事入山連絡が完了し、やっとのことで出発。と思ったところで、M里さんがヒルを発見。ヒルに好かれるペーターはヒルのことが大嫌いなので、ちょっと不安になる。僕といいM瀬さんといい、ヒルに好かれるほど嫌いになる気がする。彼らの片思いにはとても応じられない、、、。


 しばらくは林道を歩く。ゲートは駐車地点から一瞬の距離にあった。国道からもそう離れていないので、今後いかれる方は林道に入って停められそうな所に迷わず停めた方が良いかも。オーダーは個人山行なので決めていなかったが、M里さん、S木さん、N原さん、ペーター、O柳さんの順が多かった気がするが、

 適当なところで入渓。おそらく入渓地点の二つ前の堰堤の下で沢に入った。堰堤は右岸から簡単に巻けた。

 第27堰堤は大高巻きで超える。やや高度感があり、沢をはじめたばかりの人なら少し怖いかもしれないが、踏み跡も明瞭で赤テ、残置ロープもあって苦労はしない。


 ヘツリがあったり河原歩きがあったりしながら進んでいく。ペーターは久しぶりの沢にテンションが上がって、簡単なへつりで超えられる淵で早速泳いだ。気温が高く日も差しているので、あまり寒さを感じない。

 しばらく歩いていると15m大滝が見えてくる。特別に迫力があるということはないが、端正な美しい滝。下部・上部とも水流近くを試してみるが、ランビレなしで攻めるのは怖かったので、少し右から直登。簡単に越えられる。右のルンゼから巻いていた記録もあったので、そちらからでも。

 連続する淵や小滝を超えて遡行する。魚やサンショウウオがたくさんいるという話を聞いたが、見なかった。

 仙の谷のRFは一瞬で済んだが、時間のメモを忘れた。ごめんなさい。

 飛び込みができそうなところがあったので、M里さんを筆頭に遊んで行く。結構高い岩の上から淵に飛ぶのはなかなかドキドキして楽しかった。まだ4月というのに、夏を先取りした遊びができてとても幸せでした。

 スライダーがなんとかできそうなところはいくつもあり、ペーターだけそのうちの一つで滑ったが、微妙。よく滑るが段差がある。他のメンバーに「ガクガク落ちて痛そうだった」と言われたが、実際痛かった。

 その後適当なところでレストをとる。大滝で集合写真を撮ったり飛び込みで遊んだりして停まっていたが、コースタイムにもゆとりがあるしちゃんとしたレストを取っておいた方が良いかな、と思ったため、10分休憩。


 仏谷出合いでは、仏谷の方に4mの滝がかかり、本谷の方は樹木が茂ってやや荒れているので、全くRFもしないでぼーっと歩いていると仏谷の方に吸い込まれるかもしれない。仏谷を遡行している記録もあったので、暇な方は試してみても良いかも。

 その先結構良い雰囲気のゴルジュが出てきたが、全く問題なくへつりからの直登で突破。ややサイズは小さいが、両側からぐっと迫ってくる感じが良い。

 だんだん源頭部っぽい雰囲気になってくる。水量も減ってきたが、しばらくは滝やゴルジュっぽい地形が出てきて飽きない。二股がふたつあったが、どちらも問題なく。多分水量1:1の方の二股にはケルンも置いてあった。ケルンを強化して祭壇っぽくして遊んだり。

 そろそろなくなるなーというところで水汲みレスト。S木さんは容器をもってきておらず、ペーターは入山前軽量化と言ってる時に間違えて一緒に放り出してしまっていたので、汲まなかった。府大では沢水を飲む習慣はないらしく、N原さんは自前の飲料水を持ってきていた。飲料だけでなく医療用の水にも沢水を使っていることをいうと、N原さんは驚いていた。京大ワンゲルももう少し衛生に気を使った方が良いのかなー、と。

 窯の跡が遡行図にふたつ描かれていたので林業マンのペーターは気になっていたが、探すのを忘れていた。残念。



 つめ上りは藪漕ぎもなく、急傾斜も最後しかないので、楽々だった。帰りは水沢峠からしばらくは仙ノ谷下る。下山が膝に悪いということでペーターはストックを使う。途中から谷を少し離れ、車が通れたであろう荒廃した林道を歩いた。

 途中、別のルートをとったO柳さんとはぐれ、少し焦る。 O柳さんは人だけの通れる、まっすぐ進む踏み跡をとり、他のメンバーは九十九折で一度標高を上げる車道跡を辿ろうとしたところ、O柳さんを見失う。S木さんがO柳さんを少し追いかけるが見つからない。M里さんが名前を呼んだり、ペーターが笛を吹いたりしたが、返答はない(笛は聞こえていたらしい)。15分ほどでO柳さんが車道の先から戻ってきて、一安堵。すぐに合流すると思っていた道が合流しなかったので、尾根をつめ上がって復帰したらしい。

 そこからはつつがなく下山。林道をまっすぐ進んで入渓・入山地点まで戻った。ヒル被害は全くなく、喜びの声を上げる。膝も、サポーターとストックで養生したこともあって割と良い感じ。主に河原歩きで膝にダメージが入っている感じはあったが、川浦の時と比べて後に残る感じはかなり少ない。


 帰りの運転はS木さん、ペーター、O柳さんが順繰りに。「大河原温泉かもしか荘」に寄ろうと思っていたが、風呂の故障で撤退。M里さんの希望で甲賀の「宮乃温泉」に入る。料亭風で人も少なく、良い感じの温泉だった。




 久しぶりの沢だったという補償があるからかもしれないですが、飛び込みあり、泳ぎあり、大滝あり、ゴルジュありで、簡単な割に良い沢だったと思います。入渓してすぐと源頭部ではヤマツツジやシャクナゲなど様々なお花が綺麗に咲いており、沢中にも落花がたくさん浮かんでいて素敵でした。だんだんと暑くなってきていながらも花々が美しく薫っているこの季節にこの沢に来れたのはよかったなー、とほくほく。

 個人的には、川浦以来の半年で、一番テンションの上がった1日でした。怪我をして以降、穏やかな幸せを噛みしめる時はありますが、沢のように心躍る歓びを感じることが殆どなかったので、今回沢に行くことができて本当によかったです。膝を気にしながらにはなるでしょうが、これからも定期的に沢に行きたいなぁ。

 府大のワンゲラーと交流できたのもよかったです。府大の方は沢がやや低調ということですが、N原さんはかなり熱心な方で、刺激をもらいました。また一緒に沢に行けたら良いな、と思います。帰りの車中、京大沢メンに混じって、N原さんも縦走に対して愛ある毒を吐いていたのが印象的です。 「10泊くらいしないと縦走じゃないですよ!」「縦走なんてただ歩くだけじゃないですか!」