この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。

2018年03月06日

O柳です。3/2に内鹿野谷遡行に行ってきました。メンバーはS原さん、バーボン、下村、O柳の4人でした。

一回生の経験が少し足りないかもしれないという経緯で行われた錬成編です。気温は少し低めでしたが、天気は良く、新年一発目の沢中ウォータースライダーをすることができました。内鹿野谷は滝の完成度が高く、ナメもきれいで、まさに南紀という感じの沢でした。遡行は何の問題もなく終了でき、充実した山行になりました。


詳しくは追記にて。

写真:http://photozou.jp/photo/list/2619556/9144465


3/2 金曜日 晴れ

前日の朝まで強烈な春の嵐が来ていたが、この日からは晴れ。但し気温は少し低め。前日に西表中止が決まり、メンバーは微妙なテンションだったので、誰かが忘れ物をして撤退することに期待する風潮があった。日付が変わったころにBOXを出発し、5時過ぎに入山地点の水車小屋に駐車。まだ暗かったことと、気温が上がって欲しかったことと、眠かったことから、仮眠を取ることにする。

6:50 入山 

台風の影響で立ち入り禁止との張り紙があるが、問題ないことは個人山行で確認されている。看板に導かれて出合の滝まで向かう。入口は民家の中に突っ込んでいく感じで少し不安になったが、看板はしっかりあった。出合滝までの探勝路は、ズリ岩はまあまあ良かったが、他は特筆するほどで無かった。

7:30~35 出合滝

直下にナマズ口の滝がある。良い滝である。ここから入渓。出合滝は左岸の踏み跡に入って巻く。最初小さく巻いたところ、落ち口の不安定な場所に着いた。残置ロープがあり、ここから降りても良かったのかも知れないが、昨日の豪雨で多少の増水があったのか、少し不安な見た目をしていた。結局少し戻ってもう少し大きく巻いた。

8:20~30 一ツ落ノ滝

今回の見どころ。一つ上の栂ノ戸滝と連続して落ちており、二つとも40m程度の落差を持つ。更に今回の核心でもある。迫力があり、きれいだった。集合写真を撮って左岸から巻く。CLは、できれば落ち口ドンピシャで巻いて栂ノ戸滝の滝壺に立ちたいと思っていたので、なるべく小さく巻こうとしたが、うまくいかなかった。途中S原さんに偵察に行ってもらった。一旦リッジに乗ってから、岩壁の内側をトラバースできないか探したが、うまくいかず、結局リッジに押し上げられた。今回はある程度経験のあるパーティーだったこともあり、ザイルは出さなかった。そこまで難しくは無かったが、ところどころ緊張した。

リッジにうまく乗り進むと、木々の陰から栂ノ戸滝が見えた。一ツ落ノ滝を凌ぐ雄姿に見えたので、滝壺に立てなくて少し残念だったが、リッジから両方まとめて巻くのが平和な方法かもしれない。

9:20 巻き終わり

~9:50 5m滝で滑って遊ぶ

栂ノ戸滝から少し進むと、5mと6mの斜滝が連続しているが、その5m滝で滑って遊んだ。寒かったのとまあまあ高かったので、滑るまでにビビッて少し時間が掛かった。S木さん達が個人山行で滑っていたので、我々も滑るしかないと思い意を決して滑った。O柳、下村、バーボン、S原さんの順で滑った。左岸よりの部分を滑ると最後に空中に放り出されるなかなか完成度の高いスライダーになる。この時のバーボンの写真がこの山行で一番いい写真なので是非見てほしい。久々に滑れて楽しかったが寒い…。S原さんは全く滑る気が無かったらしいが、後輩にさんざん煽られて結局滑った。スライダー自体はめちゃくちゃ面白かったのだが、かなり体温が下がり、ただでさえ低かったパーティーの士気が最悪の状態になり、メンバーが「撤退」以外の日本語を喋らなくなった。

11:45~55 稜線、レスト

左又から855mのごちゃごちゃしたピーク付近に詰めた。左又に入る前に、下山に使う導水路と合流するのだが、ここでメンバーが「撤退撤退」と言いながら動かなくなった。もう見どころも終わったのにこれ以上遡行してまた同じ場所に戻ってくるのがアホらしいという意味である。しかし左又のナメを見て詰めあがりたかったので、黙殺して先頭に立って進んだ。実際左又はかなり良かったのでお勧めです。右又は多分伏流してたりガレガレだったりであまり良くない。

パーティーのやる気がなさ過ぎたので、読図に著しく精彩を欠き、二又あたりで少し手間取った。真面目にやっていれば間違えないとは思うが、二又周辺はすこし分かりにくい。

左又に入ってからは急なナメが続き、きれいだが、軽い気持ちで適当に取り付くとちょっと怖い。直登には微妙な緊張感があるが、巻けば楽。稜線に詰めあがった所は予定通りの地点で、明瞭な道があった。

12:45 白見山

相変わらずパーティーメンバーのやる気がなさ過ぎて、詰めあがり後何度か間違った方向に突っ込みそうになった。沢に行くと詰めあがったら下山したような達成感を得るが、まだ下山していないので気を付けたい。855mの東のピークに詰めあがった後、何故か855mピークに行ったり、白見山から間違った尾根に突き進もうとしたりした。白見山から下る尾根は出だしが不明瞭な急な尾根なので僕のような脳みその無い人が行くと間違った尾根に行ってしまうかもしれない。

13:20 十字路のコル

道は無いに等しいが、谷地形を下ればよいので何も考えなくても内鹿野谷に降りられる。一応道の目印として切り株に石が置いてあるが、あまり参考にしなかった。

14:10 落ちた橋、導水路入口

左岸の導水路にさえ乗ってしまえば、かなり明瞭な道で、高速下山できる。行きに道を見つけていたので、特に問題なかった。

14:55 林道終点

一応ここまで車で入ってくること出来るようだ。ここから林道を歩いて下山地点へ。

15:10 下山

慈愛に満ちたI岡が下山地点まで迎えに来てくれていた。歓喜した一回生が車に向けてダッシュした。I岡の運転で水車小屋まで行き、車を回収。歩くとかなり面倒だったので本当にありがたかった。I岡はそこから泊りの計画を急遽山中で日帰りに変更したハイジパーティーに召喚され、玉置山に向かった。この経緯は別の記事に書かれるはず。運転に慣れていないI岡はレンタカーを擦った疑惑があったが、返しに行った際はお咎めなしだったらしい。ドライバーとして奮迅の活躍をしてくれたI岡にみんなでお礼を言いましょう。因みにI岡がサイドブレーキをひいたままアクセルを踏んで発車しなかった後、何の躊躇いも無くアクセルを全開で踏んでいたのを見てS原さんは爆笑していた。


この後雲取温泉に行って、王将を食べて帰った。沢初めとしてちょうどいいボリュームで充実した山行でした。個人山行で行くのにお勧めの沢です。