この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。

2017年11月05日

O柳です。11/3.4で神童子の遡下降をする予定でしたが、コースタイムオーバーによりノウナシ谷の遡行のみで犬取谷の下降はせずにescape2のクロモジ尾から下山しました。メンバーはO柳、モダン(SL)、バーボン(sec)、下村、O和田の5人です。神童子谷は非常にいいところで、成功できなかったのが残念です。今回行った感想として、やはりワンゲラーはモジキには行ってはいけないと思いましたが、ノウナシ遡行犬取下降は行動時間が長いので、ミスで時間をロスすると完遂がかなり難しくなるなとも思います。それと、このルートならやはりクロモジ尾よりも行者還の方にエスケープする方が良いような気がするので次に組むCLがいれば検討してください。今回は前期もクロモジ尾でエスケープしたので安心感からそちらをメインにしましたが、車の回収が少々面倒です。

詳しくは追記にて。


写真:http://photozou.jp/photo/list/2619556/9109314

11/2 木 晴れ

20:50 BOX発 途中長浜ラーメンの店に寄った。味は可もなく不可もなく。


11/3 金 晴れ

1:05 車中で就寝。バーボンが睡眠強者なので、3列目の座席で膝を折って横になり熟睡。残りは座席を倒して寝る。

5:30~6:00 起床、出発。

6:55 入渓 

紅葉が思ったより残っていてきれい。O和田が持ってくる地図を間違えていて呆れる。入渓点が分からず少し迷う。林道終点から橋を越えたところで下ると作業道があるのだが、それに気づかず行き過ぎ、戻る。作業道は崩壊しかけだが、少し下ると階段があって沢に降りられた。手間取ったので、沢に降りられたところでもう入渓してしまおうということにして入渓。しかしやはりもう少し崩壊した作業道の跡から沢を巻くべきだった。水は所謂大峰ブルーで美しい。


7:25 へっついさん(本物)

早めに入渓したことで、へっついさんまでに泳ぎ1回と胸まで水に浸かるイベント1回が発生した。2回とも「これがへっついさんかなあ」とか言いながら突破したが、本物のへっついさんを見て今度こそこれが本物だなと思った。へっついさんは腰くらいまで水に浸かる。冬間近に早朝から寒中水泳を3回決めた。水が冷たくて痛かったが、この日は気温が高いのが幸いだった。


7:30 赤鍋の滝

左岸をへつる。そこまで難しくはないが滑りやすく、落ちたら滝壺にざばーん。全員無事通過。続く3m、4mは飛び込んで登れるのだが、泳ぎは避けたかったので、赤鍋の滝落ち口のすぐ右手から小さな稜線に乗って大きめに巻く。


8:25 3m、4m巻き終わり

巻き中に下村が滑落して少し怖かった。結構大きく巻くという点と、すでにへっついさんで濡れているという点と、コースタイムが伸びるという点から、一発気合を入れて泳いで登るほうが合理的と思われる。


時間不明 RF、レスト10分


9:30 釜滝(落ち口がノウナシ谷出合)

良い滝。関西起点の表紙を飾るだけのことはある。(とはいえ関西の沢で他によっぽど良い写真は大量にとれるとは思うが)ちょうど釜滝に日光差し込んでいて、なにかそこで自分達を待っていてくれていたかのような感があった。落葉した黄色い葉が滝壺を旋回して模様を描いている。大きさは無いが、ノウナシ谷で造形の完成度は一番高いような気がする。集合写真を撮って出発。巻きは左から一瞬。


10:45~55 レスト しばらく平和な渓相。


11:10 ノウナシ滝

集合写真を軽く撮って右のリッジから大高巻き。岩ごと大きく巻いた。

11:35~12:00 モダンと下村 偵察

岩がちょうど切れた部分があったので、二人に偵察してもらった。遅いので心配したが、無事巻けそうだと分かった。リッジに乗るとテープがあった。

12:30 ノウナシ滝巻き終わり

巻き終わりと同時に千手滝が見えた。


12:40 千手滝下

核心の巻き。右手のルンゼに入ってランビレするとのことだったが、ぱっと見ルートがあまり見えない。少し登って見て、これ以上登るとだめそうなところで一旦周りを探す。しばらく探してもはっきりしない。壁の近くにいた下村が、偵察に行くと言ってくれたので、見てきてもらうと、そこからルンゼの右岸に取り付こうにも、もう一段岩があって難しそうだといった。そこで、もう一度少し降りて、滝の横の壁に近づいてみた。一応滝のすぐ右の壁にギリギリいけそうなところはあったが、予備合宿でやるレベルを明らかに超えていそうだったので、相談してもう一度上を見に行くことにする。先頭にいた一回生達が巻けそうなところを探しながらルンゼを上がっていったが、自分も少し混乱していたのでそれについて行き、止めるのが遅れてしまい、明らかに谷への復帰が難しそうな高さまで上がってしまった。そこからのトラバースも非現実的であった。登ってきたルンゼを折り返すのが少し怖いという意見があり、クライムダウンするか、このまま稜線まで詰めあがってしまうか、懸垂下降で戻るかという相談をした。少し冷静になってみればルンゼを詰めあがるのは明らかにやるべきではないので、懸垂か空身でクライムダウンかということになった。一回生は少し動揺したようで、懸垂下降のほうが良さそうだったが、急なルンゼで立木があまりなく、立木までのトラバースも面倒そうで、降りる場所もよく見えなかった。自分の感覚としては、明らかにそこまで難しいクライムダウンになるとは思えず、一度自分だけザックを投げ落としてクライムダウンをして大丈夫なら全員にやってもらうことにした。これについては、一度ザックありで登ってきた場所なので、一回生には厳しそうならザックを回収して登り返して懸垂下降すればいいという考えがあった。実際やってみると、両手を突っ張って前向きに降りると非常に簡単で何の心配もなかったので、全員にザックを投げ落としてもらった。日本酒の瓶を持ってきていて、かなり割れやすい場所に入れていたらしいO和田は渋っていたが、最後に投げ落としてもらった。因みに、二段階投げ落として、かなりヤバい音がしたが、奇跡的に瓶は無事だった。

14:15 再び千手滝右手のルンゼの下部

みんなで落ち着いたところで、自分が下村が見に行ったルートを確かめに空身で行ってみると、そこまできつそうではなく、うまく一段乗り越せば立木から支点ビレイができそうだったので、そこをランビレすることにした。この段階で、取り合えず16時までにハリンド谷出合のCS可に到達できなければ、CS可に泊まり、翌日エスケープをする、もし到達できれば、稜線ならある程度暗くてもリヒト山行で小笹の宿避難小屋くらいまでは行けるので、翌日、日の出前出発をして稲村小屋についた段階でもう一度考えるということを決めていた。また、この核心部を越えれば、特にイベントがなくすぐに地蔵滝に着き、地蔵滝は左岸から簡単に巻けること、地蔵滝を越えればすぐにCS可であることは分かっていた。ランビレについては少々ザイルの流れが悪く登りづらく、少しトラバースする部分がそれなりに厳しかった。ランビレ終了点からはすぐ横に馬頭滝があり、滝のちょうど中間地点くらいだった。この位置は過去のM里partyのランビレ終了点とほぼ同じ場所であるようだ。

16:10 ランビレ終了点1

バーボンが登ってくる間に、自分が空身で馬頭滝の巻き終了まで偵察をした感想としては、ザイルを出さなくても落ち口まで行けるであろうと感じたが、party全体が浮足立っていたのと、どのみちescapeは確定なので無理に急ぐことは無いという判断から、そこからもう一度マルチピッチでランビレをすることにした。ただ、時間短縮のため、CLのみ最後尾からフリーで登ることにした。

17:00 核心部突破


17:10 地蔵滝下(テン場)

十分良さそうな適泊地を見つけたので、薄暗い中地蔵滝を巻くのはやめ、そこで一日目の行動を打ち切りにした。A川partyは我々が現れないのでさぞ心配しているだろうなどと思っていた。やる気がなかったので焚火をモダンに起こしてもらい、食当を適当に手伝った。青椒肉絲を食べ、適当に酒を飲んで秘密兵器を回し、適当に焚火を眺めてから寝た。秘密兵器は下村がレトルトのおでんを持って来ていたり、S木さんが北海道で買った干したペラペラの魚みたいなものをバーボンに託していたり、O和田が貰い物のアロマキャンドルに火を付けて、「焚火のにおいしかしない」とか言っていたりした。他にもマシュマロとかスープとか餅とか、みんな結構秘密兵器を持ってきていたが、今回の遡行の状況と、テン場で発覚した別の事情により、士気がゴミだったのでそこまで積極的には消費されなかった。沢自体は非常にいいところだったのになあ。3回後期のくせにCLとしてこの程度の沢でミスをしてしまうのかという気持ちになった。21時頃就寝。


11/4 土 曇り、稜線は強風


6:00~7:40 起床、出発

どうせエスケープで、時間にも余裕があったので適当にゆっくり出発。朝食のお茶漬けを食べたあと、O和田が持ってきたカフェオレを配布したそうだったので、配るならもうちょい早めに言って出発が早くなるようにしろよとは思いつつ、まあ時間あるしええかとか言いながらもう一度お湯を沸かした。

8:00 ハリンド谷出合

地蔵滝の滝壺に寄ったりして少しゆっくりぎみの移動。この5分後くらいに下村が膝を少しぶつけて10分レスト。なにせ神童子で前期にあんなことがあった後なので…。

9:15~25 稜線手前最後の分岐 レスト

水を汲んだ。RFは問題なくできた。源頭部は紅葉や落ち葉で色づいていてきれいで、ナメや快適な直登で越えていける小滝が多かった。

9:35 遡行終了~9:55までKUWV大集合

詰めあがり直前に見覚えのありそうなオレンジのセパを着たやつが上の稜線を歩いて行って、なんとなくあれ、と思った。partyの誰かが挨拶をして、挨拶を返されていた。女人結界の内側に詰めあがったが、女人結界の門が見えたので見に行くことに。門の周辺にさきほどの数人のpartyがレストしていて、挨拶をして横を通って門の外に出た。別partyに「あれ?」といわれたのでよく見てみると、昨日小笹の宿避難小屋に泊まっていたはずのA川partyだった。「お前ら遅すぎやろ」と言ったら、どの口が言っとんねんみたいな顔をされた。しばらくいろいろ談笑して、大集合の写真を撮ったり、下村に女人結界の上で反復横跳びをさせたりして出発。女人結界の門を見に来て良かった。

10:20 小笹の宿避難小屋

10:55~11:10 山上ヶ岳、大峰山寺

稜線はガスで湿った強風が吹きつけていてまあまあ寒かった。稜線の展望がダメだったのは残念だが、霧の大峰山寺はそれはそれで趣があった。寄進者一覧を見て、迫力のある苗字が多いとか、有力者や有名企業があるとか言って遊んでいた。

12:05~12:15 レスト

ここに至るまでに、レンゲ辻を通過する際に、少し登りすぎたので一度降りて道に復帰するということがあった。道はまあまあ明瞭だったが、沢メンの悪癖である、谷や尾根があると道を無視してそこを歩こうとする病を発症したらしい。

12:30~35 稲村小屋

前期ぶり。つらい。O和田が小屋の飯を食いたいとか言い始めたので、「こんなとこでものを買うやつは沢メンじゃねぞ」と言ったら、下村に「O和田さんは沢メンじゃないでしょ」と言われ、一理あると思った。

13:40~50 レスト

クロモジ尾はまた最近人が入ったようで、なんとなく前期よりさらに明瞭な気がした。季節的な問題か、二度目だからかもしれない。

14:25 下山

一回生と荷物を残置して、O和田と車の回収に向かう。1回生には、自分たちが17時までに戻らなければ下山を開始するよう伝えた。

16:30 一回生回収

歩いて国道に出た後、しばらく車が捕まらなかったが対向車とすれ違うために停車している車に声をかけると乗せてもらえた。紅葉の季節の三連休ということで、みたらい渓谷は気が狂ったように混んでいた。乗せてもらった車がすれ違いに苦労しまくっているのをみて、自分達も今からこれをやるのかと思い面倒だと思った。


その後は洞川温泉に入り、かつ屋で夜飯を食って10時半頃BOX着。OBが宴会をしていた。OBの方々に宴会中に真面目な話に付き合ってもらって申し訳ないなと思った。