この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。

2016年11月10日

鈴木です。よく分からないタイトルの記事ですが、内容としては主に個人山行の報告という形になります。

簡単に概要を説明すると、文登研の講習会に行った杉原を車で迎えに行くついでに個人山行で頸城に行っていたというお話です。

というわけで詳細は追記をどうぞ。

写真


11/4~6の間で、立山にある文科省の登山研修所が毎年主催しているクライミングの講習会が開かれており、今年は木戸さん以来5年ぶりに杉原が参加することになった。で、この講習会、交通費が支給されないので現地までの交通費がかなりかかることになる。そこで杉原は一計を案じた。

「電車で行ったら高いし、何人か誘ってレンタカーで現地に行って自分が講習受けてる間に個人山行に行ってもらえば安上がりじゃね!?」

というわけで、杉原は週末が暇な人を探し、鈴木、古川の二人を釣ることに成功したが、あとひとりが見つからない。まあ4日は金曜日、更に土日は予備合宿もある、そう簡単に見つからないのも当然である。どうにかしてもう一人を確保しようと努力したが、結局見つからなかった。ちなみにI本partyとの間の確執(?)はこの時に生まれたものである。

「山上ヶ岳に行かない大峰より絶対に面白いし予備合宿そんなに予防線張らんでも行けるやろ新潟いこーぜ!!」

「いいんですよ!!!山上ヶ岳踏まなくても予備合宿を完成に近づける方が大切なんです!!!!(ヤケクソ)」

誤解のないように言っておくと、これは杉原と岩本の会話ではなく鈴木と岩本の会話である。(岩本さんごめんなさい)


で、結局人は集まらなかったものの、土日なら行くと家田と塚田の両名が表明したので、行きは電車で行ってもらい、帰りは車で回収して一緒に帰ることになった。そんなわけで杉原は一人サンダーバードで立山へと向かうのであった……


ここまで前置き。ここからは飽きたので簡潔に行きます。


11/4

19時半にBOX集合。直前に行くことが決まったので行く場所とか何も決めていなかったが、事前にこの時期なら妙義か雨飾かなぁと言っていたので成り行きで雨飾山に行くことになった。雨飾は事前の情報収集で初冠雪くらいなのでアイゼンがあれば充分可能という感じだった。こうなることを想定して各自軽アイゼンを持ってくるように言っていたのだが、言っていた張本人の鈴木が忘れてきた。うーんこの無能。ちなみに古川も忘れていた。適当に調べてみてまあアイゼンなくてもなんとかなるやろということで雨飾になった。だって妙義遠いし。

 トヨタでレンタカーを借りて湖西道路から8号線へ。ちなみに車はカローラだった。武生まで行ったところで、このまま下道だとかなり中途半端な時間に着くので高速を使おうという話になった。なのでここから糸魚川まで一気にワープして、25時半に入山口の雨飾温泉に到着、テント組と車中泊組に分かれて就寝。


11/5 快晴

 行動時間もそんなに長くないので6時に起床。登山者の姿もちらほら。適当に準備をして登り始める。最初は少しぬかるんだ地面だったが、さすがに百名山だけあって歩きやすい。入山点にあった看板によると、入山後しばらくの地点に難所覗きというポイントがあったらしいがよくわからんままに通過。そこからもう少しした地点に、こちらも看板に書かれていたアルミのはしごが登場。看板に書かれるほどなのだからどんなすごい梯子が出てくるのかと思ったら何の変哲もないただのアルミの梯子であった。残念。ちなみにこのあたりから地面が白くなり始める。特に通過に問題はないのでそのまま進んでいくと、だんだん雪が増えてきて、気付いたら一面真っ白になっていた。とはいえ積雪は靴ほどだし道は尾根の上だからわかりやすいしトレースしっかりしてるしで、滑りやすい以外やはり問題はないので気にせず進む。アイゼンも履いてみたが、雪玉が作れないほどのパウダースノーで全く効果が無かった。途中凍った池が出てきて乗ってみようかという話になったが、氷が割れて落ちた時のリスクが大きすぎるのでやめておいた。勇気ある人は是非やってみて欲しい。

 稜線に乗るまでの景色は、海が見える以外変化がないし紅葉には1週間遅いし北側斜面だから陽も当たらないしで正直微妙だったが、稜線に乗ると急に展望が開けてきて太陽も当たりだしたので評価が一気に上がった。雲一つない空の青と雪の白、ササの緑が美しい。いわゆるファミマ三原色である。稜線の道は一部凍っていたのでアイゼンが有効だった(らしい)。9時半ころ山頂に到着。西に北アルプス、東に火打妙高、南に戸隠、北に日本海とまさに360度の大展望。I本partyに対して勝利を確信した(大人げない3回生だ)。山頂は人も多く、さすが百名山である。しばし眺望を楽しんで下山。下りは雪面を半分滑りながら下ったのでかなり時間短縮に成功した。よく覚えていないがたしか12時頃下山。

 この後の予定は何も考えていなかったので話し合った結果、時間があるし明日は天気も良くないということで、今日のうちに自然系の場所に行っておこうということになった。行く場所は新潟出身の塚田が何故かパンフレットを持っていた海谷に決定。海谷周辺は珍しい地形が多く、「日本のギアナ高地」だとか「越後の上高地」だとか呼ばれる場所があるらしい。とりあえず下界に出てその辺のラーメン屋で昼食を食べ、入山点の三峡パークに14時頃到着し、ここから「越後の上高地」こと海谷高地まで散策することにした。目の前の大岩壁を見ながら入山。渓谷沿いの遊歩道だと思っていたらこれが大きな誤算で、実際は普通の登山道であった。しかも割と厄介な渡渉まであるし。この先に上高地のような場所があるとは思えないゴルジュ地形に沿ってつけられた結構アップダウンのある道を70分ほど歩くと取水堰堤が登場。取水堰堤の裏手に回ってみるとそこは……

 かなり上高地だった。すぐ手前までゴルジュだった場所は、巨大な河原になっていた。これは面白い。一種のギャップ萌えである。余談だが、この地形は土石流が堰き止められることによって誕生したらしい。あとこれも余談だが、鈴木は未だに上高地に行ったことがない。

 しばらくわーわーやってから、来た道を引き返して三峡パークに戻る。帰りは岩壁が夕日に染まってなかなか美しかった。その後は糸魚川の市街に戻り、謎の台湾料理屋で夕食を食べ、近くのひすいの湯で汗を流した。ひすいの湯は2500円で翌朝まで仮眠できるので、塚田、古川はそこで仮眠、家田と鈴木はお金を浮かせたいので野宿ということでここで別れ、頸城大野駅で駅寝した。頸城大野の駅ノートを見ていると、近くに基準水準点という全国に80個余りしかない珍しい水準点があるという情報が得られたので探しに行ったりした。ちなみに京都近辺だと大谷駅の近くにあるらしい。


11/6 雨

7時に合流。雨降ってるし何もすること考えてないしでとりあえず立山方面に行こうということで親不知を見に行く。当然雨なので少し見てすぐ車に戻る。ここで古川から宇奈月温泉の方に行こうという提案があったので宇奈月に向かう。宇奈月の周辺は紅葉が見頃で、黒部峡谷鉄道の駅は大繁盛であった。我々は貧乏学生なので当然乗らない。そもそも天気悪いし。駅前には黒部電力館という関電の無料の施設があるので見学する。無料の施設に文句言うのもなんだが、個人的にはダムそのものに関する解説が薄っぺらかったのが残念。その後奥の宇奈月ダムとその資料館である大夢来館(だむこんかん、変なネーミングセンス。)にも行く。こちらももちろん無料。ダムカードも置いてあったので貰っていく。ダムは紅葉が美しくなかなか良かった。まだ時間が余っているので富山市のガラス美術館に行く。昨年新築された市立図書館に併設の美術館で、常設展が200円、企画展セットで600円だった。企画展の方は知らないが、常設展は6階のなんとかって人の作品集(写真集に載ってるやつ)がなかなか良かったので、200円払う価値はあるかなと。あと図書館も富山だけあって北アの資料が充実していて楽しい。美術館を見終わっていい感じの時間になったので、途中のアルペン村とかいうところで昼食を摂りつつ杉原を回収に立山駅へ。14時半過ぎに迎えに来てほしいというところを40分ごろ到着。完璧な時間配分である。駅に着くとロータリーでだるそうな顔の杉原が座っていた。

 まっすぐ帰るには早かったので称名滝を見に行く。駐車場の時点で霧がかかっていたので嫌な予感がしたが、行ってみると案の定霧で何も見えなかった。何も見えないのが面白かったので謎テンションで集合写真を撮ってから引き返す。その後は立山サンダーバードというマイナーコンビニに寄ったりジョイフルで晩飯を食べたりしつつ23時頃帰洛、解散した。



なんかいらんこと書いてたらやたら文章長くなりましたごめんなさい。

・雨飾山は非常に良いところでした。百名山なのも納得。ダイトレの代わりにここでアイゼン講習したら800倍くらい楽しいと思うので人と違うアイゼン講習をやりたい縦走CLの方は是非。ただし積雪の判断はかなりシビアなので常に最新の情報をチェックしておくこと。長野側から登れば南側斜面なのでもう少し雪が少なそう。 

・海谷はまあまあいいところだが、海谷高地までの往復では時間も短いし微妙。先の駒ヶ岳まで繋げて日帰りルートならどうだろう。ただしエアリア点線ルート。沢メンとしては実力をつけていつか海川不動川を遡行したい(6級)。

・個人山行だからって少々適当にやり過ぎた。留守本も忘れてたし地図はエアリア1枚しかないし。

・いくら天気の問題があるからって1日に2つも参考に行くのは流石にアホ。

・新潟ってそんな遠くないね。

突発的な山行だったのでいろいろ適当で反省点は多々ありますが、なんにせよとても楽しかったです。普段と違うメンバーで行けるのが個人山行のいいところですね。杉原は講習会お疲れ様でした。