この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。

2016年09月01日

鈴木です。合宿代替PWのpart1、前川大滝沢を遡行してきました。

台風一過で好天の中楽しい遡行ができましたが、なんやかんやで途中で打ち切って登山道にescapeしました。

携帯からの投稿で色々不便なので時間があるときにこの記事を書き換えて報告にします。写真もそのタイミングで。いつ上げられるかわからないので今のうちにここに少しだけ。記録書きました。大変長らくお待たせしました。


写真


9/1 天気 快晴のちくもり


前23:00ころ 就寝

4:00 起床

4:55 出発

5:52 入渓地点に到着

6:20 入渓

6:42 2段15m

8:40 巻き終わり

9:25 大滝

10:10 巻き終わり

10:30 ネコノ沢出合

12:10 10m滝下、登山道に偵察を出す

12:38 偵察が返ってくる、escape決定

13:13 登山道

14:05 下山


31日に峠駅で現地集合。僕、杉原、大柳、小山は18きっぷで、村瀬と柏元は新幹線で来た。ひとりくらい遅刻するかなと思っていたがそんなことはなく、福島駅で全員が顔を合わせることになった。

峠駅はもともとスイッチバック構造だったが今は撤去されている。駅全体がスノーシェードで覆われているいわゆる秘境駅というやつである。しばらく駅を楽しんだのちテントを張って就寝。

翌日は4時に起床、外はまだ真っ暗だった。準備をして下界の荷物を茂みの中に隠して55分に出発。林道をだらだら歩いて入渓地点に向かう。峠越えの道なので結構きつかった。

1時間弱で入渓地点の橋に到着。入渓地点からナメが見えてテンションが上がるが水量がかなり多く不安になる。村瀬が下山地点に着替えを置いていきたいというのでそれを待って6時20分に入渓。いきなり徒渉できるか心配だったが問題なく通過できた。

6時42分に2段10mに到着。この滝の通過でかなり時間を食ってしまった。文章にするのが難しいので詳しくは書かないが、時間がかかった原因は巻きを選択したことと意思疎通のミスであった。役員会では詳しく説明します。とりあえず言えることは、この滝は直登するべき。右岸巻きは簡単そうに見えて全然簡単ではない。

2時間かかって何とか巻き終わって先に進む。天気もいいので軽くスライダーを楽しんだりしながら9時25分に大滝に到着。大滝はでかい。超でかい。日本の滝100選に選ばれて当然のクオリティ。記念写真を撮ったりしてのんびり堪能してから巻き始める。巻き道は明瞭。途中のトラバースは少し怖いがそれほど危険ではない。20分くらいで巻けた気がする。

巻き終わってからしばらくは延々とナメが続き楽しい。途中のネコノ沢はこの沢で唯一水が飲めるのでここで少し立ち止まった以外は特に大きなイベントもない。

途中川幅が1mくらいに狭まる地点のあたりから大きめの滝が連続するようになる。適当に直登したり巻いたりしつつ12時10分に10m滝下に到着。ここで問題が起こった。本来なら階段状の右側を簡単に登れるはずなのだがそこに結構な量の水が流れている。直登はできそうだがかなり濡れる、右岸巻きは不可能、左岸巻きはルンゼ状のところを登ってからトラバースという形になるがザイル必須という感じだった。・2段15mでかなり時間が押していた・ここより上にイベントはほとんど無い・曇ってきた などの理由により登山道にescape出来るならするということにして杉原と大柳に13時までと時間を決めて偵察に行ってもらい、ランビレの準備をして待つ。偵察は30分程度で戻ってきて登山道にはまず出られそうとのことなので、ここでescapeを決定してザイルを片付けた。

少し戻ったところから右岸斜面を登って13時13分に登山道にescape完了。そこから登山道を歩いて14時5分に下山した。途中の道からは大滝も見えた。

下山後はすぐ近くの旅館福島屋の温泉へ。雰囲気のいい古い旅館で温泉もいいお湯だったのかなり長居してしまった。旅館の人によると、台風の影響はかなり大きく台風の影響で温泉が一部壊れたりしたらしい。台風の位置的に福島なら大丈夫だろうと思って入渓したのにその予測は全くの誤りであったようだ。

帰りは旅館の方のご厚意で峠駅まで送っていただいたので林道歩きを短縮することが出来た。ありがとうございます。その後は大柳が峠の力餅を買ったり小山が携帯を温泉に忘れて取りに帰ったりなんやかんやあったが割愛。米沢に移動してラーメンとカレーしかない食堂で夕食を食べた。当初はこのまま車を借りて連続でpart2に行こうという予定だったが今日の水量を見て笹木沢はさらに北にあり、植生が豊かな分減水も遅いだろうからともう一日待つことにしてこの日は最上川の河原でテントを張って寝た。


前川大滝沢は非常に良い沢で楽しかったですが、結果がescapeになってしまったことについては色々と反省点があります。まずは2段15mで時間がかかってしまったこと。これは全員で意思疎通がきっちりとれていればもっとスムーズに行けたと思います。不動南股でも意思疎通は問題になっていたのに改善されていないのは予備合宿の反省が全く生かせていませんでした。CLとしてみんなをまとめる能力の不足を痛感しました。また、気象についても予測が甘かったと思います。今回の沢は入渓時点で増水が確認されていましたが、登山道が横についておりescapeが容易であったことから入山しました。この判断に関しては別に問題がなかったと思うのですが、たとえ登山道が横になかったとしても入山していた気がします。たとえ空が晴れていたとしても水量によっては遡行を控える勇気が大切だと感じました。しかし、前川大滝沢はやはり行ってよかったと思える素晴らしい沢でした。圧巻の大滝は言うべきにあらず、スケールの大きなナメも非常に美しく、わざわざ東北まで行く価値のある沢だと思います。天気が良かったのも大きいですね。あとフリクションが最高に良いのが地味にうれしい。南紀のスラブの60倍くらいフリクションが良くて感動しました。とはいえやはり関西からは遠いので合宿くらいしか行ける時期がないのがアレですね。日帰りの短い沢なので今回みたいに他の短い計画と組み合わせるか、91年の合宿のように吾妻連峰を縦走するのがいいと思います。それか個人山行ですね。駅からアプローチできる上そこまで難しくもないのでむしろ個人山行の方がおすすめ。一応1日でアプローチできるので18きっぷシーズンなら4700円で行けます。もっともそこまでして行く価値があるかまでは謎ですが。