この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。

2016年08月22日

 木戸です。8/19-21で北アルプスの打込谷に行ってきました。

 メンツは木戸、ハッピー、M崎、S原、S木、O柳の6人。

 写真はこちら



後半の記録はおまけみたいなもん。


8/19 晴れ→曇り

16:17 金木戸川林道第一ゲート出発

19:34 広河原

21:30 就寝


8/20 快晴→曇りときどき晴れ→曇りときどき雨

04:30 起床

05:24 出発

07:00 双六谷(入渓)

07:40 打込谷出合

08:23 18m大滝 右岸巻き

09:07 CS5m 右岸巻きor泳ぎ→右岸バンド

10:35 仙ノ淵

11:08 10m 左壁直登

11:33 15m 右岸巻き

13:35 CS3m

13:43- ナメ滝多数 基本的に直登

14:29 標高2130m二又

15:15 テン場決定

22:30 就寝


8/21 晴れ→曇り時々晴れ

04:30 起床

05:50 出発

05:53- ナメ滝多数 基本的に直登

06:50? 詰め上がり開始

08:30 稜線

09:12 笠ヶ岳

13:22 笠新道登山口(下山)

14:35 林道入口


8/19

 金沢駅発の電車でみんな揃う。富山駅で猪谷行きに乗り換えだが電車の到着が遅れたせいで危うい感じであった。猪谷からはタクシーで林道へ。途中でコンビニに寄り「立山」を補給するが結論から言うとハッピーの荷物を増やすだけとなった。車はなぜか第一ゲートまでしか入れない。14960円。

 そこからはだるいとしか言いようのない3時間の林道歩き。雑談したりS原の物真似を聞いたりしながら歩いていく。すっかり暗くなった19時半に入山地点に着。やたら羽蟻がいた。刺さないので良いが。各自で適当に食事を済ませて日本酒を飲む。O柳が北信越かがやき総体とか書かれたTシャツを着ていたのでそれについて尋ねると、その大会に出たわけではなく手伝いをさせられただけで、特に思い入れも無いが、一番ボロボロになっても良いシャツだから着てきているとのことであった。


8/20

 各自で適当に食事を済ませ森林軌道跡の道に入る。5分か10分くらいで左への分岐が出てくるが、これは注意していないとかなりわかりにくいだろう。ちなみに右に行くと大変な目に遭う。かつてM戸が滑落したロープのある危険個所はトラバース組と下から巻く組に分かれたが、ロープもどれだけ信頼できるかわからないので巻く方が無難だと思われる。壊れそうな橋が出てきたり途中で不明瞭になったりであまりいけてない道である。

 7時に双六谷に入渓。6年ぶりだがやはりすごくきれいな沢だ。個人的な水のきれいな沢ランキング一位。太陽を正面に見つつ輝く沢を巨岩を越えたり練習でスクラム渡渉をしたりしつつ進み、打込谷出合前の渡渉地点は簡単にこなし、7:40に打込谷に入った。

 ゴーロや小滝がしばらく続き、18m大滝。右岸巻き。よく覚えていないが簡単だった気がする。次のイベントのCS5mはハッピーとS原がゴルジュを突破、その他のメンツは右岸巻き。ゴルジュ突破は中を泳ぐ→右岸のバンドに這い上がる、という手順らしいが水温が相当低いのであまりやりたくはない。10:35に仙ノ淵15m。一人で登攀した先輩もいるが、たいていの人は一人では登る気にならないであろう形状だった。右岸巻きは滝そばのギリギリのルートで、簡単だったが多少高度感がある。多分もっと大きく巻くルートがある。次の10mは左壁を簡単に登れるが、取りつくまでにかなり濡れた。水中へつりをしたS木はももまでで済んだらしい。大釜15mはなんとなく右岸の岩場から巻いたが、左岸のほうが明らかに簡単だと思われる。

 これで前半のイベントは終了し、あとは小滝が少し出てくるくらいで、ゴーロや河原をずっと歩いていく。明るく開けたところなので、天気が良ければ正面の稜線がよく見えて楽しいだろうけど、今回は基本的に曇っていたので正直飽きる。O柳は久々の沢で苦しそうだったし、自分もだいぶ疲れた。

 13時半くらい?に標高1840mに到着し、本来のCS1だったがスルーして進む。この後はナメ滝やナメがいっぱい出てきて楽しい。晴れればもっと良かっただろうが。5mくらいのツルツルのナメ滝をM崎が登ろうとして釜に落ちたが、切り傷で済んで良かった。

 14:29に二俣。ここらへんは赤いナメだらけできれいであり、北アルプスの赤坂谷の称号を与えたい。右俣をしばらく登ったところに良い感じの岩のテラスをM崎とS原が見つけてくれたのでそこでCS1。

 しばらくだらだらしてから食事。自分の伝達ミスにより鍋が少なかったので時間はかかったが、さいわい味は普通だった。メニューすき焼きだったが、具材は豚肉・玉ねぎ・人参・椎茸のみであまりすき焼き感が無い。余談だが一回生の双六谷合宿の時もすき焼きを作ったが、その時はまだ不慣れなのもあって変な感じになってしまった。豆腐を冷凍したところ変な高野豆腐みたいになり、糸こんにゃくを冷凍したところ異常に固くゴムみたいになり、それとキュウリを冷凍したところめちゃくちゃ柔らかくなり異臭を発していたので焚火で燃やした。なんでも冷凍すれば良いわけでは無い。あと粉末出汁を使いすぎたせいでその後の朝飯が悲惨なことになった記憶がある。

 焚火しながら食事していたが、雨が降ったので一度テントに退避。止んだので19時くらいから再開し、自分は21時くらいに寝たが、最終的には22時半くらいまで飲んでいたようだ。


8/21

 4時半に起床して朝食のコンソメベーコンスープとパンを食べ、1時間20分出発。沢メン・個人山行・焚火に当たった、ということを考えれば比較的早い。すぐにナメ滝がいっぱい出現して楽しい。まあ晴れればもっと楽しかっただろうけど。快適に登って行く。6時50分くらいに最後の分岐。詰め上がりの標高が50mくらい低いことを魅力に感じて支流に入るが、やがて沢筋は消失してなぜか藪漕ぎに励む羽目になったので素直に本流に行った方がよい。藪の中でレストしていると、S原が「北信越かがやき総体」と書かれたタオルをとりだした。

 最後はガレとハイマツを行ったり来たりして稜線着。なんか異常に疲れた。しばらく休んでから笠ヶ岳に出発。この道中で縦走をすると徳が高まるとしきりに主張する奴がいた。笠ヶ岳に着くとちょうどガスに包まれてなにも見えなくなったが、むろん我々の徳の無さのせいである。ここは百名山らしいが、このpartyにそんなものを気にする奴はいないようであった。

 そこからはひたすら降りまくる。みんな疲れていることもあって縦走に対する不満がいっぱい出てくる。そのバチが当たったのか我々の上だけ太陽が照る一方で、向こうの稜線上には雲がかかり、展望は無いのに非常に暑いという悲惨な状況となった。沢メンの間で縦走に対するネガティブなイメージができやすいのは、経験する縦走が基本的に詰め上がり後の縦走だから、というのが一つの理由であると思う。すなわち詰め上がりでは非常に体力を消耗するし、稜線に着いた時には緊張感から解放されてもうすべて終わった気分になる。そこから数時間歩かなければならず、しかも重い登攀具を背負っているために気分は非常に低調になりがちである。

 この間は写真も記録も疲れていたので全然無いが、後輩たちのハイペースに引きずられて13:22に笠新道の登山口に下山した。エアリアタイムの7割8分くらいなのでがんばったほうだと思う。その後はワサビ平小屋で一泊の予定だったが、当然無かったことになる。林道を歩いているとスキンヘッドで痩せ形の男性が走って追い抜いて行ったので、S原に「あれは田中陽希だよ」と言って騙そうとしたところS原は田中陽希を知らなかったので意味が無かった。

 一時間ほど歩いて新穂高温泉の奥飛騨の湯に入る。風呂上りのビールは最高だった。テレビを見ているとちょうど甲子園の決勝をやっており優勝シーンを見た。バスで高山に行き、O柳・S木・S原は高山で後0し、他のメンツは特急に乗って別れた。ちなみに打ち上げは翌日に龍門で行った。帰国した太田を添えて。


感想

 打込谷は下流部の大滝地帯と上流部のナメ地帯がきれいな良い所だった。ただ、この谷は上流部の開けた地形の中でナメを稜線に向かって詰め上がって行く感じが最も楽しいところだと思うけど、今回はそこが曇りがちで景色が微妙で、魅力が半減で残念だった。それから、稜線に上がってから晴れてたら我々の辿ってきた沢筋が見えて感慨深かったと思うが、それも見え無くて残念だった。あと一泊だとそれなりにきつい。個人的に最近体力の減退が著しいので苦しかった。

 しかし、天気は微妙だったけどそれでも良い沢だったし、楽しかった。そんなに難しい所も無くアルプスの雄大な沢を楽しめる。赤木沢遡行とか湯俣川下降~湯俣温泉とか組み合わせれば合宿としても良い内容になると思う。「こんな奴らとアルプスのお花畑を見てどうするんだ?」とお互いに思ってるような爽やかならざるpartyにはおすすめできないが、爽やか沢メンなら楽しめる沢だろう。

 今回は上は2010年度入学で下は2015年度入学となかなか幅広い世代での遡行だったが、沢メンでは年の差のある個人山行はありがちだし、この前のあけぼのでは上が2003年度入学で下は2016年度入学だったのでそれに比べればまだまだな感はある。