この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。

2016年03月28日

どうも杉原です。

縦断で疲れたので海岸歩きを大幅にサボり、一日目の行程で沈し続けました。

ゴムボートで無人島に渡るという計画は観察できた生き物こそ少ないものの、個人的には楽しかったです。


写真:http://photozou.jp/photo/list/2619556/8824078



縦断を終えて、天気予報を確認してみると雨、雨、雨。全く晴れないようだった。

間の日を二日設けて、それでもまだマシと思われるタイミングで四泊五日の行程を行うことにした。


3/17 天気:晴れのち曇り

11:40 ボートで出発。出発する直前にボートの一部から空気漏れしていることが判明したが、それほど問題ないということで出発した。


12:50 あっけなく上陸した。さっそく水場を発見した。

 内離島では石炭が採れるのだが、その石炭が海岸に打ちあがり黒い線ができていた。CS1に石炭は殆ど落ちていなかったので、石炭を使って焚火をしたいなら、この辺で拾っておくのが良いだろう。上陸したのは桟橋がある浜で桟橋からは階段が伸びているのが見えた。この時の風は南から北にかけて吹いていた。


13:44 内離島北側にある浜に到着。ここには水場がないのだが、汲んできた水を用いてここをCS1にすることにした。


 鈴木がガザミを銛で突き刺したりしながら、外離島に繋がる中州へと向かった。干潮時は容易に渡れるという情報を入手していたのだが、この時は満潮だった。渡れるのか不安だったのだが、幸い肩まで浸かれば泳ぐことなく外離島に渡ることができた。

 この時、岡和田が財布を水中に落とした。

「杉原さん、僕の財布を持ってくださいよ~。あっあれ?あああぁ~。財布落とした~!!」

なんでポケットに財布を入れて泳いでいるのか本当に不思議だったが、彼は縦断中も何故かウエストポーチにイヤホンを入れてトロに飛び込んだりしていた。他のみんなには先に外離島の西側を探索してもらって、僕は岡和田の財布捜索を監視していた。風が吹いていたので流されてしまったようで、発見できなかった。岡和田がガックリして中州に待機。他のみんなに合流したところ、かなり大きな水場を発見していた。

 今日の探索はここまでにして、CS1に帰ることにした。CS1に帰ると焚火をした。久しぶりにまともな焚火になった。まだ寝るまでには時間があったので、岡和田とボートに乗って、外離島と内離島の間にある急に深くなるところまでボートを使って釣りをしに行った。サンマの切り身で餌釣りを試みたものの、何も釣ることはできずにCS1に戻った。夕暮れは釣りに向いているい時間だと聞いていたのだが...難しいなぁ。もちろん岡和田は真っ二つに折れた釣り竿の残りで釣りをしていた、というかずっと絡まった糸と格闘していた。


21:00 就寝。その晩も大柳の泡盛の飲みっぷりは凄かった。彼は泡盛にはまったようで、請福をパックで持参してた。岡和田は財布を失くしたことについて電話で親と話していたのだが、その光景は無人島とは思えなかった。学生証、保険証、クレジット、免許証が入っていたみたいだし大変だろうなぁ...。


3/18 天気:晴れのち曇り

9:00 CS2へ出発する。


昨晩は非常に快適に寝ることができた。砂の上は寝やすい。しかしヌバンの砂質と異なり非常に細かいので体に付くと掃うのがかなり面倒だった。


CS2へはボートに荷物を積んで動いてきたので楽だった。CS2に到着した後、外離島の西側にリーフを探しに行くことにした。リーフの切れ端までボートで移動しようとしたのだが、風に流されてこの時はかなり焦った。鈴木曰く風速10mの予報だったらしい。離岸流や潮の流れがなければ大丈夫かと思っていたが、風を推進力にする船があるくらいなので当然風は凄い船に影響を及ぼした。あまりの風の強さに、ボートを引っ張って動くどころか、海岸を歩くのも厳しい状態になっていたのでボートを岩にくくり付けてCS2へ戻ることにした。

 その後、強風のなか各々、寝るなり探索するなりした。僕は大柳と外離島探索することにした。最初は水場のルンゼを遡行して探索しようという話だったのだが、グチョグチョで探索を諦めた。なので、別の場所でテープを探して、そのテープをたどってみることにした。するとすぐに長崎さんの小屋を発見した。長崎さんが住んでいたのはこの浜だったのか。さらにテープを頼りに進むと、何か建物の基盤らしきものがでてきた。兵舎跡という話もあったが、結局何の基盤なのかは分からなかった。その奥もまだテープは続いていたのだが、そのあとテープを数個発見した後、テープを見失ってしまった。

 そろそろボートを回収しに行かないと、ボートが流されたらシャレにならないぞ、ということでボートを回収しに行った。探索中、風は止んだような気がしていたのだがまだ風は強いままだったのだが、そのまま一晩越すことはできないので、ボート残置地点まで行ってからは、空気を抜いて運んだ。


21:00 就寝。周りの者はがカサガイを採集して食していた。


3/19 天気:小雨一時大雨

自然起床。夜中に雨が降っていた。今日の天気が良くないことであろうことは天気予報で分かっていたので、海で泳ぐよりも島の探検をメインに行うことにした。取り敢えず、内離島を反時計周り一周してみようということになり、11:00前後の干潮を狙って出発した。


内離島の周囲は海食洞だらけで、中に入ったりして遊んだ。内離島の西側は危険箇所が多く、干潮時にも関わらず、胸まで浸かるのはざらだった。その辺にあるリーフの規模はさほど大きくないものの、そこそこ大きな魚が入ってきていた。しかし雨が強くなってきたので、遊ぶ余裕はなく黙々と島の周囲を周った。


13:00 最初に内離島に上陸した時の桟橋のある場所に到着した。それから炭坑などを見てまわった。


15:30 CS2へと帰還。そこを昨晩と同様にCS3とした。

焚火はできたものの、あまりの風の強さに夕ご飯はテント内で食べた。


3/20 天気:曇り

9:45 CS4へ向けて出発。昨晩の強風によってライフジャケットが三つ(BOXにあったやつ一つ、僕と鈴木が購入したものが一つづつ)飛ばされた。予報では晴れだったので、外離島の南側にある浜をCS4とし、その島を挟んで反対側にある浜までシュノーケリングをしに行くことにした。


 CS4に到着するまでに、また外離島と内離島の間の中州を通ったのだが、岡和田はシュノーケリングを用いて財布を探してした。今回は離岸流レジュメを作成していたのだが、そのレジュメいわく島と島の間は流れが強いらしい。もう二度と戻ってくることはない岡和田の財布...。

 CS4に到着すると、そこから見える壊れた桟橋まで探索しに行った。桟橋の奥には廃墟があって、なかなか楽しかった。戦前のものならより楽しかったと思うのだが、残念ながら戦後の廃墟だろう。洋式便所にTOTOとか書いてあったしな。

 その廃墟の奥にあるコルを越えることができればリーフがあるであろうところまですぐに行けるかと思ったのだが、藪が酷く、海岸沿いを動いた方が良さそうだった。


11:00 CS4から予定のポイントまでリーフを求め出発。岡和田と鈴木は桟橋で日光浴をして待機。何とか一回生にリーフを見してやりたい思いながら、海岸を歩いていると、リーフが凄そう、な予感がする波の雰囲気になってきた。海岸歩きながら横の岸壁に圧倒される。


 到着してから体の温かいうちにシュノーケリング。潜ってすぐにサンゴの群れが登場して感動した。ルリイロスズメダイの割合が高いものの数が凄い。ちゃんと他の種類の魚もいる。去年の海岸歩きでどこに似ているかと聞かれればヌバンと答えるだろうが、ヌバンとはまた一味違うリーフだった。テーブル状のサンゴよりも、THEサンゴという感じの草のように上に伸びているサンゴが多くて、サンゴの多様性も低かった。あと、リーフの切れ目に進めば進むほどサンゴが凄くなるわけではなく、入ってすぐに凄いが、進んでも同じ、もしくはサンゴの死骸の山ばかりだった。沖まで行かなくても楽しめるという点ではヌバンよりも優れているかもしれない。

 僕は寒いので早めに海岸に戻って、(日光はないので)紫外線浴した。晴れだが、気温は低いという予報であったのに対して現実は、曇りだし寒い、だった。

 じきに大柳と村瀬が帰ってきたのだが、波が強くてリーフの切れ目まで行けなかったらしい。そこらへんはかなり生き物が多そうだったので残念。鍋などを小さい方のザックに入れて持ってきていたので、大柳はそれを用いてカップ麺を食べた。しかし寒い!

 一回生に「もう一度潜ってこいよ」と言っても寒くて潜りたがらない。せっかくここまで来たのに...。ていうか何でCSはコルの向こう側やねん。

 CSを向こうに置いた理由は水場だった。思ってた以上に無人島には水場があったので良かった。(ただ降水量が多かったという説もある。)戻る気にもなれないのでその場で焚火をした。焚き木を集めている最中に焚火をした後の木があったので、恐らく他の人達がCSしている場所なのだろう。


 CS4に帰るとショックなことにオール一本と僕のサンダルが一足流されていた。このころ大潮に近づいていたので、潮がかなり満ちてきていたようだ。起きてきた鈴木が流されそうになっているものを岸まで急いであげてくれたらしい。

 オールは正直どうでもいい。三本もありゃなんとかなる。でも親からプレゼントでもらったサンダルが流されてたのは本当にショックで泣きそうだった。前期の合宿でもポンショカンベツの駐車場に忘れてきたので車で一時間以上かけてとりに戻ってもらったことのある思い出のサンダルが...。


 岡和田の財布ざまぁ!とか思っていたのに...。途方に暮れながら海岸沿いを歩いているとプカプカと浮かぶオールを発見した。面倒だが仕方なく泳いで取りに行った。サンダルじゃないのかよ、と思いながら。みんなの元へと帰った。


 サンダルがどっかに行って悲しむ僕に、大柳が盛大な焚火をしてくれた。CLお疲れ様ファイヤー。とても大きな焚火が白浜から丸見えであった。しかしあれほど大きな焚火は見たことがなかった。この火力ならココヤシも燃えるのでは?とココヤシとの格闘を繰り返しているうちに焚火は弱くなった。村瀬がナイフだココヤシを食べようとしたが腐っていたみたいで、吐き出しにいっていた。大柳によってパックのセイフクも飲み干されて焚火に投下。僕と鈴木の沢靴は縦断を経てフェルトが無くなっていたので、焚火に投下することで、西表の土へ帰すことになった。西表で散るなら我々の沢靴も本望だろう。にしてもよく燃えた。


大柳は外寝。みんな就寝。


3/21 天気:くもり


10:00 ボートで白浜まで直接向かうことにした。もし、向い風なら船浮に漕がなくてはならないのではないかと思われたが、ラッキーなことにほぼ無風だった。


 出発前に起きた衝撃的な出来事として、岡和田の財布の漂着があった。大柳が「これなんだろう。ゴミかな?」とビニールを拾い上げたところ中に岡和田の財布があった。確かに風向き的にはこの辺に流れついていてもおかしくなかった。岡和田に、本当に落としたのか、と確認しても、確かにポケットから無くなってた、と言っていたのでいくら岡和田といえども本当に落としたのだろう。必死に探しまわっていたし。中のお札は真っ黒になっていたが、なんとか面倒な手続きをしなくてもよくなった。親に現金書留をお願いしていたので、岡和田はその場で親に電話をかけていた。ここ本当に無人島かよ、という光景であった。


11:00 白浜着。


ここからも色々とあったのだが、書くのにつかれたのでキーワードを列挙することにする。


バスの運転手に怒られた/財布漂着記念による岡和田の驕り/与那国のフェリーに貨物と一緒に乗る/与那国で大柳キレる/宿無し/岡和田の失恋/カジキマグロ/石垣に帰還/ギスギスしてきたので単独行動/鈴木、波照間から出られず/石垣ドライブ/にまいや閉店/金ちゃんに行く/酔い潰れる者たち/関空でお疲れの言葉もなく空中分解


という具合で西表PWは幕を閉じた。