この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。

2015年11月26日

 こんばんは木戸です。NF休みを利用して11/20-23にS原・S木と3人で屋久島で沢登り&縦走をしてきました。

 天気はそこそこ良く無事貫徹でき、なんというか久々にハードな登山をしたという感じです。

 詳細は追記で。写真:http://photozou.jp/photo/list/2619556/8754289

 


 屋久島までの経緯は、木戸は19日に屋久島に渡って安房で一泊、食料の買い出しなどをした。S原とS木は19日の朝に鹿児島入りして鹿児島観光、夜にはいびすかす搭乗、20日の朝に宮之浦港着。

 ちなみに以下の時間は写真の情報から推測したものなので、多少のずれがある。


11/20 快晴

 朝のバスで3人集合。9時半頃に栗生橋着、そこからタクシーで瀬切橋へ。

 海を見て10時10分入渓。いきなりの急傾斜で、適当に左岸から巻きながら進む。10時半にF1。10mくらい?水量が多く迫力がある。右岸に渡渉して巻く。ここらへんから滝がいっぱい出てくる。巨岩も多くなる。右岸から巻いていく。概ね簡単だったが、崖沿いの巻きで落ちたら死ぬところもあった。海が見えてきれいだ。

 12時55分に瀬切滝手前のゴルジュ。左岸からコルまで登り下降。微妙に登りにくい箇所もあったが基本的にルンゼを登ればよい。30分強で巻き終わり、13時45分に瀬切滝下に。18日までの雨でけっこう増水してるらしく、すさまじい迫力だった。快晴と相まって美しい。

 しばし観賞したあと巻き開始。右岸のルンゼから巻くが、このルンゼにたどりつくまでに下流の滝(来る時は左岸から巻いた)を巻く必要があり、右岸スラブの上の嫌な藪トラバース。ルンゼを登っていくと大きい滝が出てくるがこれは右岸から巻き、ひとつ南のルンゼに出た。慎重に現在地を見極め、支尾根を乗り越えて元のルンゼに復帰、もうひとつ分水嶺越えして15時5分に本流復帰。1時間ほどかかったが、安全かつ楽なルートを選べたと思う。

 巻き終わると平和な渓相。16時過ぎ、おそらく標高450くらいのところでCS1。S原が秘密兵器でワインを取りだしたが、なぜか瓶入りだったのでびっくりした。重く無いのか? ビールも出てきておいしかった。今回の食当は僕だったが初手はカレー。まあ、普通だった。22時前までだらだら飲んでいた。


11/21 曇り時々晴れ

 4時半起床。朝食はワカメラーメン。まあ、普通だった。明け待ちをして6時半過ぎにまだうす暗いなか出発。いきなりゴルジュが出てくるが遡行図ではよくわからない。だいたい左岸から巻く。たまに沢に降りる。

 最初は数m+スラブ壁みたいなのが多かったが、だんだん10mクラスの滝がぽんぽん出てくるようになる。そして上流に行くほど藪が厳しくなっていった気がする。10時に右岸ハング15m滝。右岸巻き。滝が多いし、そもそも巨岩なのか滝なのか判断つかないものも多く、滝情報がだんだんごっちゃになる。

 11時35分、2段10m。ひどい藪の右岸巻き。11時50分、国割谷出合の2段40m。蛇ノ口滝に似ている。でかい。右岸から巻くが、右岸壁にとりつくまでの渡渉が難しいので国割谷の右岸側をしばらく登って渡る。最後の大滝だったが、最悪の藪だった。一度バンドをたどって沢に戻ろうとするが滝の途中に出る。戻る。巨岩があり登れないので巻くが、これがかなり大幅にバックする必要があり疲れた。しかも滝を越えてもスラブが続くので、スラブ際の藪トラバース。トゲトゲ植物が3種類?あり痛い。傷が増えていく。このトラバースルートはもっと大きく樹林帯を行くべきだった。

 12時40分本流復帰。トップのS原は完全に藪病になっており、ここの藪を燃やしましょうとしきりに主張していた。これで悪場は終わりかと思いきや上流にまだ微妙に滝がありまた巻く。もういい……。ようやく沢も平和になり、平瀬と呼ばれる穏やかな沢をテン場を探しつつ進む。15時、941ピークの東の地点でCS2。やけに湿った場所。しんどい一日だった。夕食は麻婆春雨とチラシ寿司。まずくは無かったと思う。ここでS原が大量のウインナーを出す。またビールを飲む。みんな疲労困憊していたせいか酒はあまり進まず、20時前には寝たような気がする。


11/22 曇りのち雨

 2時半頃なんとなく目覚めると雨が降っていた。大した雨量では無くただちに増水する雰囲気ではなかったが、一応2回生のテントに起床時間を早めて様子を見ることを伝える。4時にもういちど様子を確認すると降りやんでいたので、予定通り5時まで待機。ちなみに朝食はワカメラーメン。自分は食べていないので味はわからない。

 また明け待ちをして6時半過ぎに出発。ルンゼを慎重にRFしつつ進む。上流部でもそこそこ小滝があり、CLは一度変なところを登って進退極まりそうになっていた。残りの高度差150mほどになってからが本番で、大量の倒木と藪が沢を埋めだして大変進みにくい。へとへとになりながら、10時15分についに登山道に詰め上がった。

 永田歩道は思ったより整備されているが、詰めまでの行程で疲れていたこともありペースが上がらない。特にCLが登りで遅い。12時5分に鹿之沢小屋着。本来はここでCS3だったし、次のCSである淀川小屋までコースタイムで6時間あったのだが、みんな疲れからか判断力が鈍っており、まぁ行けるやろということで出発する。いわゆる「欲張りコース」、地獄の始まりである。

 13時永田岳着。ガスっており何も見えない。ここからの降りでなんと道を外し笹藪に突っ込む。明らかにおかしい岩場を降ったりしつつ現在地確認をすると、どうやら東向きの尾根に乗っているようだった。笹の海を必死に漕いで復帰。40分のロスで気力も体力も時間も削られる。CLがもっと早く異常に気付くべきだったが、なにより登山道でも地図はちゃんと読んだほうが良い(当たり前だが……)。

 このあとしばしガスが晴れて景色がそこそこきれいなところもあったが、疲れていて楽しむ余裕が無い。14時55分に宮之浦岳。景色も無いのでスルー。その後はひたすらふらふらになりながら歩く。多分CLが一番疲れ果てていた。16時50分に花之江河。ついに雨が降り出した。レストしてラスト1ピッチ、コースタイム1時間半のところを気合いで歩き、17時50分に淀川小屋着。雨降ってるなかテント張りたくないけど中に人いっぱいだったらこの時間から入るの気まずいなと思っていたが、1グループしかいなくて酒盛りをしていたので遠慮なく入れた。夕食は麻婆春雨。あとS原のウインナーを焼く。S木が大量のお菓子を供出した。コーヒーや紅茶や酒をいっぱい飲んで寝た。


11/23 雨のち曇り

 6時に起床。雨が降っていたので二度寝、6時半起床。朝食はワカメラーメン。自分は食べていない。バスまで時間があるので淀川に行くが、寒すぎてすぐに敗退した。8時過ぎに小屋を出発し、8時40分に淀川登山口、下山した。


その後

 暇を持て余したので紀元杉を見たりして時間を潰し、バスで安房へ。かもがわで昼食を取るが、山の食事よりはるかにおいしかった。港やAコープでだらだら過ごしたあと民宿にチェックイン。シャワーを浴びていざ打ち上げの焼き肉へ。大変おいしかった。宿に戻り、NHKを見つつ宴会をしてだらだら過ごす。S原がロケットを見たそうだった。あとO和田とのやり取りを見て現役も大変だなと思った。翌朝partyは解散し、自分は朝一の船で鹿児島に渡った。



感想

 海から稜線まで詰め上がる沢で、楽しさと厳しさを兼ね備えた満足度の高い遡行になりました。滝はいっぱいあるものの登れないものが多く、久々に藪を漕ぎまくりました。全体的にひとつひとつの突破の難易度は3級レベルかと思いますが、とにかく行程が長くて巻きも多いので、やはり総合的には4級だと思います。夏ならいくつかの滝は泳いで突破できると思われますが、巻きが暑くてしんどいので春秋向きの沢かと思います。あと下流域には結構ヒルがいました。

 2回生の2人はしっかりしていて頼りになりました。2日目までの巻きはS原がトップのことが多く、注意することもありましたが基本的に良いルートをとってくれたと思います。2人は初めての屋久島だったのにこんなきつい沢で、永田岳も宮之浦岳も景色が見えず観光もできず屋久島を嫌いになったのではないかと心配していますが、良かったらこれに懲りずまた挑戦してほしいと思います。次は小楊子川か宮之浦川あたり?