この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。

2015年09月07日

宗里です。8/17~21で北海道合宿に行ってきたので報告します。メンバーは宗里、鈴木、杉原、岡和田、大柳、村瀬と、客人の宮崎の7人でした。本来ならクワウンナイ川を遡行し、トムラウシ山の山頂を踏んでから旭岳・黒岳方面まで縦走して層雲峡に下山する予定でしたが、天候の悪化により、クワウンナイ川を遡行して避難小屋で2沈した後にescape1で天人峡に下山しました。稜線上は常にガスに包まれ強風が吹き荒れ、危険を感じる場面もありましたが、何とか全員無事に下山でき、CLとしては胸を撫で下ろすかぎりです。詳細は追記をご覧ください。

写真:http://photozou.jp/photo/list/2619556/8701350


8月16日(日)

鈴木以外の6人は関空からpeachで新千歳へ。8/8に静閑瀞で水没した宗里の携帯が未だに復旧していなかったので、連絡面の不備が多発した。非常に申し訳ない。新千歳から18切符で札幌へ。ここで京都から鉄路でアプローチした鈴木と合流。旅の途中でウエストポーチを落としてしまい、地図・コンパス・カメラを失くしたとの報告を受ける。地図はコピーしてコンパスは買ってもらった。昼すぎまで自由行動として、各々札幌を観光。ゲリラ豪雨が襲ってきた。旭川方面は降っていないようだったが少し不安になる。週間天気予報を確認すると「曇り」と「曇り時々晴れ」が並んでいたのでまあ大丈夫だろうということになった。郵便局に局留めしていたザックを受け取り、荷物の整理をしてから、山に不要な荷物を旭川の郵便局に局留めで送る。この作業に思ったより時間がかかった。急いで買い出しへ行く。このとき食当の村瀬がヘルメットを忘れていたことに気付いて買いに行っていたので、棒ラーメンの代わりにパスタになるなど色々と混乱した。鈍行で旭川へ向かう。旭川駅前のイオンで食料などを買い足し、夕食を食べる。この時点でもう21時を過ぎていた。だいぶ慌ただしい1日になってしまった。駅前でタクシーを拾って、天人峡手前の入山地点に22時半ごろ到着。駐車場が広かったのでそこにテントを張って寝た。空を見上げると、これからの合宿に期待せざるを得ないような、美しい満天の星空だった。


8月17日(月) 晴れのち曇り

5:00 起床  6:00 出発

6:20 ポンクワウンナイ川出合。0付予定地だったが、あまりいいテン場ではなかった。

7:10~7:30 ゴルジュ。水流強い。右岸を巻いた。

13:15 カウン沢出合。CS1。

この日は河原歩きと徒渉の繰り返し。沢のスケールの大きさを実感した。植生が違うからか、関西にはない雰囲気。水が冷たく水流が強かったので、徒渉には中々苦労した。イベントがほとんどなかったのも辛かった。カウン沢出合では4テン2つを張るスペースを探すのに苦労した。杉原が頑張って整地してくれたのでかなり快適になった。エゾシマリスがいた。大柳が釣りを始める。最近ハッピーさんから教えてもらったらしい。すぐに戻ってきたと思ったら、手にはそれなりに大きな魚が。すごい。オショロコマというイワナのの仲間らしい。過去の記録で簡単に釣れたとあったのは本当だった。その後も次々とヒットしていた。一度など、宮崎が大柳から釣竿を借りて30秒ほどで1匹釣り上げてしまった。笑うしかない。逃がしたり逃げられたりして、この日の釣果は4匹。おいしくいただいた。天気が不安だったが、天気図と前日に下界で見た天気予報からそこまで酷くはならないだろうと判断して、眠りに就く。


8月18日(火) 曇りのち雨

3:30 起床  5:30 出発。この日は空が厚い雲に覆われていた。途中で振り返ると下からガスが迫ってきていた。

6:05 魚止ノ滝。左岸巻き。きれいな滝だった。やっと大きなイベントが出てきてテンションが上がる。この辺りから渓相が変わる。

6:20 10m。左岸ルンゼから巻いた。滝の上に出ると目の前にナメが現れた。ここからはとにかくナメ。ひたすらナメ。苔が生えていてクッションのように柔らかい。天気が良ければ最高だっただろう。想像以上のスケールだった。

7:03 二股。左岸に黄金ヶ原から来る沢が滝になって流れ込んでいる。まだナメは続く。途中で記念撮影。ずっと足を冷たい水につけて歩いていたので寒さでしびれてきた。僕が後ろを歩いていると、前から杉原がきれいに滝を滑って釜に飛び込んでいった。この寒いのによくやるわ、と思ったら、足を滑らせたらしい。本人はかなりヤバいと思ったそう。幸い大きなけがはなかった。この後宗里と村瀬と大柳が1回ずつこけた。寒い。小雨が降ってきた。

7:53~8:15 ハング滝。右岸に巻き道。テープ・ロープあり。

8:20~8:45 レスト。雨が少し強まったので雨具を着る。

9:00 二股。滝を巻く。巻き道あり。

10:42~11:02 レスト。源流部になり、森林限界を越えて日本庭園のような美しい景色が現れた。小さな沼が転々としている。しかし、周りはガスに包まれ、さらには強風をもろに受けて、景色を楽しむ余裕もない。背の高い草の中で風をよけながらレスト。寒すぎて手がかじかんでいる。とりあえず皆に何か食べるように指示する。

11:56~12:06 レスト。1回生がかなり辛そうにしている。立ち止まるとより寒くなってしまうと考えたが、岡和田の体力が厳しそうだったので少し休む。ゴーロ帯の岩の間に入って風を避ける。後から知ったが、このとき岡和田は泣いたらしい。ガスのせいで詰め上がりの終わりが見えない。精神力を消耗した。大柳と村瀬は頻りに叫んで自らを奮い立たせていた。ここから後の記録が曖昧になる。ゴーロ帯を登ると登山道に出た。危うくバツ印のついたところに進みそうになったが、気付いて本来の道へ。このまま進んでしまっていたらと思うとぞっとする。トムラウシ山ピストンは当然のごとくカットする。稜線に出たことで風はより強くなる。とにかくヒサゴ沼避難小屋まで歩き続けるしかない。雪渓を下ると沼が見えた。ガスで対岸が全く見えず、風で水面が波立ち、まるで海のようだった。1回生たちは何度も岩を小屋と錯覚したそうである。

13:30ごろ ヒサゴ沼避難小屋。CS2。助かった。風がないだけでホッとする。小屋には待機している方々が結構いた。2階が空いていたので使わせてもらう。すぐに濡れた服を脱ぎ、乾いた服を着る。濡れたものを干して、荷物を片付けて、シュラフにくるまって暖を取る。生き返る。小屋は非常に快適だった。この日の夕食はポトフ。予定ではここに棒ラーメンを入れるはずだったが、代わりにポトフの汁でスープパスタを作ることにする。ところがパスタが汁を吸った挙句にうまく茹で上がらなかったので、散々な結果になった。小麦粉と呼ばれたその料理は、完全に蛇足だった。ポトフはおいしかったのに。エキノコックスを恐れていたので水を節約したという事情もあったのだけど。翌日の行動は朝起きた時の天候次第ということにして、眠る。


8月19日(水)

朝3時に起きて外を見ると酷いガスと風。もう一眠りする。6時ごろ再び起きるが、回復する気配がない。10時までに好転したらトムラウシ山へピストンしようと考えたが、ガスと風は収まらなかったので、結局停滞することになった。雑談と読書と睡眠を繰り返す。クワウンナイ川を遡行してきたというパーティーがやってきたので少し言葉を交わす。色々とお世話になった。ありがとうございました。翌日の天候回復を期待して、眠る。


8月20日(木)

この日も朝からガスと風。いつまでたっても止まない。2沈することに決定。暇すぎて岡和田をいじることしか娯楽がないという、荒んだ状況だった。なぜか余っていたジャガイモをご飯と一緒に炊いたら、中々おいしかった。天気が良くなったら予備日を使って層雲峡に抜けることも可能などと、今後の日程を話し合ってから、眠りに就く。


8月21日(金) 曇り

3:00 起床。この日も濃いガスと強い風。とりあえず稜線に出て携帯の電波が通じたら、天気を調べて今後の行動を決めることにする。

4:47 出発。行きに下った道を登る。

5:24~5:34 分岐。少し登ったところで携帯が通じた。天気は好転しそうになかったので、escape1で天人峡に下山することに決定。その前に、CLがトムラウシの山頂を踏むことを熱望したので、ピストン装備になって出発。ガスで展望は全くない。霧で幻想的だったと言えなくもない。晴れていたら非常に美しい景色だったことだろう。風が強かったが、この日は服が乾いていたので、2日目ほどの寒さは感じなかった。やはり濡れは怖い。

7:04~7:14 トムラウシ山頂。真っ白。

8:45~8:58 分岐

9:25~9:35 化雲岳。レスト。ここからescape1。

10:32~10:47 レスト。道がぬかるみだしたと思ったら、水が流れ始め、もはや小さな沢になっていた。登山靴で歩く道ではなかった。沢靴にしておけばよかった。最悪の登山道だった。

11:53~12:13 レスト。標高を下げるとガスはなくなった。第一公園に出ると青空も少し見えた。相変わらず稜線は雲に覆われている。第一公園はリンドウやタチギボウシ(?)の青い花が湿原の中に咲いていて、最悪な登山道の唯一とも言える癒しであった。

13:50~14:05 滝見台にてレスト。羽衣の滝は、その規模も、水が糸のように流れる様も、素晴らしかった。落差が称名滝に次いで日本で2番目とのこと。

14:32 天人峡。下山。

天人峡は寂れていた。廃墟が残っている。バスが廃止されたからだろうか。柱状節理の岩壁が聳えて、迫ってくる。秘境である。営業している旅館が2軒あったので、宿泊が可能かどうか、その値段、旭川駅への送迎があるか、を聞きに行く。「天人閣」という旅館が、温泉があって2食付きで無料送迎ありで、手頃なお値段だったので、泊まることにする。かなり広い旅館である。荷物を置いて早速温泉へ。5日間の疲れを癒す。初めて浴衣を着た。みんなが同じ浴衣を着ているのを見ると不思議な気持ちになる。部屋はきれい。のんびりと過ごす。夕食は御膳料理。魚介の料理がメインで、もう、おいしすぎた。幸せな気分で部屋に戻り、少しお酒を飲んだりした後、もうひと風呂。今回の合宿で一番満足度の高い時間だった。


8月22日(土)

各々で起きて朝風呂へ。朝食はバイキング。名残惜しさを感じながら、旅館を後にする。11時ごろ旭川駅に着く。駅前の公園で今後の相談。天気や林道の通行止めなどの関係で、3つのPW案のうち、増毛山塊のポンショカンベツ川へ行くことに決定。すぐにレンタを借りて、その日のうちに0付することにした。旭川から増毛までは比較的近く、時間があったので、皆の希望で旭山動物園に行く。閉園の17時まで満喫した。サル山はいつまで見ても飽きない。それからコインランドリーで洗濯し、その間にセイコーマートで買い出しを済ませる。ラーメンを食べてからアプローチ開始。続きはPWの報告にて。