この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。

2014年09月14日

北アルプス 扇沢~鹿島槍ヶ岳~五竜岳~八方尾根

メンバー:tommy(SL/気象)、H瀬(食当)、家D(装備)、NMT(CL/記録/医療)


NMTです。PWとして出していた北アの北部縦走に9/9~9/13で行ってきました。

結果としてはescape2を使って撤退という形になりましたが、十分な満足感とともに下山できました。

天気もよく、明るい山行で気分も晴れ晴れとしました。

やはり高山の縦走は気持ちが良いです。沢メンもたまには行ってみましょう。

写真はこちらから。


以下記録


9月9日 0日目

各自10時頃京都駅発の電車で青春18きっぷを使ってアプローチ。結局中津川で合流した。

松本で夕飯を済ませたあと、大糸線で信濃大町駅へ。

信濃大町は事前の情報通り、駅を出て左手側に行くと国道と出合う所に23時までやっている大きなスーパーがあり、そこで行程中の行動食やらを購入。個人的に大きいスーパーが好きなのでテンションが上ってつい長い間買い物をしてしまった。

信濃大町駅を出て、右手側に行くとトイレとベンチのある広場があり、雨が降っていない場合はSTBの条件として最高の場所。

雨が降っている場合もアーケードの下にベンチがある。(が、交番から見えるのが難点。

なんなら駅から出てすぐのところにビジネスホテルもあるし、国道を沿いにはセブンイレブンやすき家もあるし、遅くまでやってるココスもラーメン屋も「餃子の舞」とかいう気になる定食屋もあるし、何ならauショップもドコモショップもあるし大きい病院とか花屋さんもあるので、とにかく信濃大町は素晴らしい所と言う事を伝えたかった。

23時位にシュラフと銀マを出して寝た。


9月10日 1日目 晴れのち曇りのちに雨

5:30 起床

6:15 バスに乗る

7:05 扇沢駅を出発

7:16 柏原新道入り口(入山)

7:58~8:07 レスト

9:00~9:10 レスト

10:00~:33 種池山荘レスト

11:09~:20 爺ヶ岳南峰

11:35~:44 爺ヶ岳中峰

12:26 冷池山荘

12:39 テン場(CS1)

19:30 就寝


6時15分のバスに乗り、40分弱で扇沢に到着。扇沢駅にはトイレ、水道(飲用可、やたら冷たい)あり。

色々準備を済ませて7:05に出発。

車道を10分強戻り、柏原新道入口。鉄橋を渡ってすぐのため分かりやすい。平日だったのだが車が沢山停まっていた。

入山してからは3ピッチで種池山荘についた。急登らしい急登もなく、1ピッチくらい登ると目指すべき種池山荘が見えてくる。

tommyは久しぶりの山行ということもあり、何かとしんどそうだった。

tommy「もぅマヂ無理…かりんとう食べょ…」

天気もよく、北アルプスならではのダイナミックな稜線と谷がよく見えて一同テンションが高まりつつ登ることが出来た。

この日は行動時間に余裕があったため種池山荘で大休止とした。同じく休んでいる人々が沢山いたのだが、その中でファッションを緑で統一してる感じのお兄さんのフチの部分が緑色のサングラスがやたらダサかったのが印象的だった。

稜線上では剱岳がよく見え、この山行の行程中でもほとんど見えていた。その名の通り剣のように鋭く尖った峰々がカッコ良かった。

爺ヶ岳への登りの道中、H瀬がアイドルについて語る。H瀬は他にも歩いてるさなかにもしゃべることが多く、賑やかなやつだと思った。(褒め言葉)

爺ヶ岳周辺はライチョウが多く見られるという事だったのでライチョウを探しつつのんびり登る。鳴き声らしい声は聞こえるものの近くでハッキリと見えることは無かった。

南峰や中峰で記念写真を撮りつつ種池山荘から2時間程度で冷池山荘に到着。

テントの受付を済ませて山荘から鹿島槍の方へ8分ほど登った所にあるテン場にテントを立ててCS1とした。

装備の家Dはペグを持ってきていたり、チョイスという知らないビスケットを食べつつ「優しい味がするんだよなぁ…」と言ってたりして各方面で文化の違いを感じた。

夕食はすき焼き。自分のリクエスト。すき焼き用のネギをtommyが外付けして持っていたため、昼間にすれ違う登山客に高確率で突っ込まれていたのが面白かった。大変美味しかった。

その後、秘密兵器を少し飲んだり食べたりして、19:30頃に就寝。

その頃からテン場はガスに包まれて、ポツポツと雨が降り出した。


9月11日 2日目 雨のち曇り(ガス)

4:00 起床

5:00 沈することに決定(CS2)

19:00 就寝


夜中から雨がザァーという感じで降り出し、4時に起床してからも降り続いていた。

この日は行動時間が9h15mと長く、さらに難所の八峰キレットを通過する予定だった。テン場予定地の五竜山荘に14時頃までに着くには5時の出発がリミットだった。

スマホで天気図と天気予報を確認してみると、この日は大気が不安定で、雨が一旦止んでもまたいつ降り出すか分からない状態だったため、雨の中、八峰キレットを通過するのは危険という判断から、この日は冷池山荘で沈することに決定した。

雨は結局6時30分頃に止んだが、その後は曇り(ガス)で、強風が吹いていた。

3日目も4日目も行程に余裕があるとは言えなかったため、完徹するのは不能ということから、メンツと翌日以降の行程を話し合う。escape1か2か、連絡を入れた上で予備日を使って完徹かという中で、下山後に温泉があるという事と、八方池がキレイらしいという事からescape2を使って八方尾根から下山することに決定した。

翌日の天気は良いという予報だったため、五竜山荘-唐松山荘が2h30mという事からもし、五竜山荘に12:00までに着いたら翌々日の行動時間を減らす(→その日のうちに京都へ戻る)ためにも、唐松岳頂上山荘に進むという事についても話し合った。

沈が決定してからは各々本を読んだり、音楽を聴いたり、昼寝したり、スクフェスをやったり、雑談したり、秘密兵器を飲んだりして過ごした。トランプとかがあっても面白かったかもしれない。

ちなみに2日目のテン場代は、連泊割引ということで400円/人であった。

夕食はハヤシライス。H瀬が具材全てをペミして持ってきたため、調理が大変楽だった…のだが、ペミを包んでいた新聞紙がペミの臭いを吸ってザック中に拡散していたため、彼は山行後もその臭いに悩ませ続けられることになった。ドンマイ。

昼間もそうだったのだが、飯の後もtommyが持ってきた「大雪渓」を飲んで(ホントは天狗山荘で開放したかったのだが、この時点で大雪渓は見れない事が決定していた。)、19時頃に就寝した。


9月12日 3日目 快晴

3:30 起床

4:32 出発

5:19~:23 布引岳

6:00~:12 鹿島槍ヶ岳南峰

6:40~:44 鹿島槍ヶ岳北峰

8:01~:11 キレット小屋

9:13~:23 S上と遭遇レスト

10:20~:30 G5通過後レスト

11:00~:10 五竜岳

11:43~12:00 五竜山荘

12:50~13:02 レスト

13:40 唐松岳頂上山荘(CS3)

19:30 就寝


3時30分起床で1時間出発を達成し、最初のワンピッチはリヒト山行となった。

左手側に月と剱岳、右手側に雲海と白み始めている空があり、ものすごく寒いことを除いて(周辺には霜が降りていた。)最高のロケーションだった。

ご来光も拝みつつ出発から2ピッチで鹿島槍ヶ岳南峰へ着いた。

記念写真を撮ったりしながらレストした後、キレット小屋方面へ出発した。ここからヘルメットを着用。

南峰から北峰へ至る稜線もクサリ等は無いものの、高度感のある所はあったので慎重に進んだ。

途中で分岐から北峰へピストン。往復8分ほどの道のり。

北峰からキレット小屋が八峰キレットの核心部で、ガレの登降や落ちたら終わりトラバース、年季の入ったハシゴなど数々のイベント満載だった。

キレット小屋も「なんでこんな所に小屋が?」と思うような立地で、人間の技術と努力をしみじみと感じる場所だった。

キレット小屋から五竜岳は長い稜線で、一番奥に五竜岳がデンッとずっしり構えていて、それに少しずつ近づいていく感覚が楽しかった。

前日に一回生達が手に入れた情報によると、S上が自分たちとすれ違うようなコースで入山したという事から、先の尾根がよく見える場所からよく目を凝らして見てみると小さく赤いジャケットの人影があった。

ワクワクしながら進んでいって、キレット小屋からワンピッチの所で、ついにS上と遭遇した。

なにかよく分からない感動を覚えつつ、少しの間喋ったりしつつレスト。サプライズをありがとう。

そこから2ピッチで五竜岳。

途中、G4やG5と呼ばれる岩場を通過したが、Y懸尾根レベル+高度感抜群の登降があり、楽しいやら怖いやらで突破した。

五竜岳には結局11時に着。頂上で扇沢で出会って、何かと話す事になった50代くらいの男性に追いつく。1日目は冷池山荘で2日目にキレット小屋まで進んだらしい。

五竜山荘には11時45分に着いたので、前日に話し合った通り、当日中に唐松岳頂上山荘に行くことに決定した。

五竜山荘から唐松岳頂上山荘までは2ピッチほどで行けるのだが、前半は気持ちの良い斜面の登降なのだが、山荘近くになってくると割と本格的なクサリ場が現れてくる。キレットやG4、G5と同じようなクサリ場なのでヘルメットを着用して慎重に登った。岩場をひとしきり登り終えると山荘がすぐに見える。

この日は基本的には快晴だったのだが、風は通して冷たく、唐松岳頂上山荘に着いた時はガスも出てきはじめたため、とても寒かった。

結局この日はエアリアのタイムで11h45mの所を9h10mで歩き通すことができた。最後の区間だけ悪くなったが、気持ちの良い天気の中、長距離歩けた程よい疲労感と充足感の中、テントの受付へ。レジュメには載せていなかったのだが、テント900円/人、水150円/Lだった。

テン場は山の斜面を段々に整備した所にあり、その日は3連休の前日だったからか多くのテントがすでに張ってあったので斜面を結構降りた所でないと、4人用のテントは張れなかった。

更に水を差すような事件が。夕食はポトフの予定だったのだが、H瀬がコンソメ等の調味料一式を忘れるという大チョンボをおかし、結局野菜とソーセージをお湯で煮込む野菜汁と化した。

個人的には忘れたこと自体はそこまで非難しないのだが、発覚してからもH瀬は、「いけますってー、大丈夫ですよ」的な事を言っていて、いざ食べてみるとなんとそれ程食えないものでもなく、一同のその反応を見た彼が自分が忘れたのを棚に上げて勝ち誇った顔をしていたので多少イラッとした。

明日はエスケープ2の八方尾根を下るだけということもあり、残り全ての秘密兵器を解放して雑談をした後、19時半頃に就寝した。

冷池山荘のテン場は少しだけ斜面になっていたので熟睡出来なかったが、今回のテン場は平坦で、程よい疲労感もあったのでぐっすり眠れた。朝方は寒くて目覚めてしまったが。


9月13日 4日目 晴れ

5:00 起床

6:32 出発

7:30~:40 八方池

8:10 リフト駅(下山)


5時にゆっくり起床して、ゆっくりと準備。外に置いていたザックのカバーには霜が降りていて寒いのにも納得という感じ。

テン場から山荘までの無意味な登りは各々文句を言いながら登っていたが、思い返すとこの日1番の登りはそこだった。

山荘から八方尾根も人気のコースということもあり、歩きやすい道だった。

途中の八方池からは白馬三山が見え、天気が良かったためダイナミックな景色が楽しめた。

自分を挟んで池と稜線があり、池を挟んで稜線を見れば池に映る姿がとても綺麗だったのだろうが、池単体だけを見た時の感想は「小女郎ヶ池みたいだな…」であった。うーん。

そこからすぐにリフトの駅に下山。

三連休初日ということもあり、登りの登山客は大変多く、少しだけうんざり。

そこからはリフトを乗り継ぎ、ゴンドラ八方駅へ。

温泉はみみずくの湯という所で、ゴンドラの利用券を見せたり、道中にあるインフォメーションセンターでもらえる割引券を見せると、500円で入浴できる。10時からなのだが、少し早めに開けてもらえた。

温泉後は白馬駅前の定食屋で打ち上げ。

白馬駅で解散という事にし、東京方面へ行くtommyと、名古屋経由で京都へ行くH瀬、日本海周りで京都を目指す家Dと自分に分かれて今回のPWは終わった。


メンツの様子について。岩場については実は直前にPWのメンツで集まって金毘羅のY懸尾根をPWの時と同じくらい歩荷して登ったり、クライムダウンの練習をしてたりしてました。それが効果があったのか分かりませんが、全体的に岩場も緊張しながらもすんなりと通過できたという感じです。1回生もS上PTで宝剣岳を登っている事もありますので、全然問題ない感じでした。特に家Dは高校でも山岳部だったからか、後ろから見てて何かと卒なくこなしている感がありました。

テン場でも朝に真っ先に準備にとりかかる姿を見せたりしてたので感心しました。H瀬はよく喋るのでムードメーカー的な(大事な)役割を担っていたかと思います。

tommyに関しては久しぶりの山行と言うこともあったのですが、本人的には去年も白馬~親不知のPWを同じような状況でこなしていましたのでそんな感じで望んだようです。1日目は不安な部分もありましたが、3日目、4日目と先頭を歩く者として良いペースで進んでくれました。天気図もよく描けてたかと思います。


感想としては久しぶりの連泊という点だけ不安でしたが、久しぶりの縦走にワクワクしながら進めました。2日目以外は天気が良く、1日目の登りの時点で既に来て良かったと思いつつ、2日目に撤退しないで正解でした。3日目は天気も景色も良く、楽しみながら進むうちに唐松岳まで行ってしまったという感じ。4日目はリフトを使ってラクラク下山出来たので気分的にも最後まで明るく、楽しい山行になったかと思います。反省としては想像していたよりもなんだか楽だったのでもっと秘密兵器を持っていけば良かったなぁと心から思いました。特に今回は沈したので。


他メンツの感想

tommy:

 1日目はペースを上げ過ぎた。疲れ気味だったのは自分だけであったが。体力が落ちていたために適度なペースを掴むまでに時間がかかったからだ。3日目以降は反省して良いペースを作れたように思う。特に五竜の長い登りではあまり疲れず、良いペースだった実感がある。

 西側にいつも見える山々の形がかっこよかった。コントラストいわいわ。立体的多重山。

 花がかわいかった。20代の山登りは小さなものに目を向けようという目標を再確認した。カメラ持っていってすごくのんびり撮りたい感じ。タムラソウ。

 2日目の沈はまったりできて良かった。ガスってたし。めっさ寝た。ところで、さんざん暖かくしても夜寒くて眠れん。寝るときだけ履く分厚い靴下もってけば良かった。アレは重さあたり幸福度高い。

 キレット迫力あった。左右に壁が迫ると谷の迫力が増す。八峰キレットとそこに至るまでの鹿島槍からの道程が楽しかった。左右だけでなく下にも好展望を眺めつつ、全身を使って進むという楽しみ。全身を使ってというのは沢にも通ずる楽しさのような気がする。

 なんか2日目の朝やる気無くなってたけど、やっぱり進んで良かったと思う。キレットそんな期待してなかったけど、意外にも楽しかったので。

 飯は3日目のポトフを除いてとてもうまかったので幸福度高かった。NMTさん風に言うとくおりてぃおぶらいふ高。しかしNMTさんが言っていた通り、食事は少ないと思う。昼の各自を鑑みても。

H瀬:2日目の天候には恵まれなかったですが、それ以外は天気も景色もよくスリル満点の山行だったのでよかった。

家D:出発前は八峰キレットにかなりビビっていたのですが、実際に行ってみるとそれほど怖くなかったし楽しめました。行動中はずっと晴れていたし、本当に沈したかいがあったと思います。寝るときの寒さ対策の甘さは反省点です。