この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。

2014年06月02日

 こんにちは。木戸です。6/1に僕とNMTさん、横Gの三人で上多古川に行ってきました。


 久しぶりの三級の沢ということで比較的楽そうなところを選んだのですが、結論としては思ったよりしんどかったです。久々の泥斜面のトラバースは嫌な感じでしたし、運動不足で足がつったりして大変でした。巻きのRFで右往左往してしまって後続には迷惑をかけてしまいました。

 ただ、大変だったけど良い沢でした。メジャーな割にはなんとなくワンゲルでは行かれていないですが、規模の大きさによる景色の豪快さも、遡行終了まで緩むことなくイベントが連続する点も、美しい自然林も、とても良かったです。アプローチも近いしおすすめです。

 

 詳細な記録は追記にて。



 時間は写真からの推定なのでおおよそ。


5:45 車を出発。しばらくは林道と登山道。

6:06 天竜の滝:右岸巻き。一応これを越えてしばらくのとこまでは道がある。崩れそうな橋を巻いたりしつつ適当に入渓。

6:46 多古の滝(8m):釜の左岸をへつってから壁を登る。久しぶりのへつり大会(?)。簡単。


7:03 双龍の滝(10m):きれいな滝。左岸巻き。特に難しくは無い。

7:10 洞門の滝(43m):双龍の滝を巻き終えるとすぐ洞門の滝の下に。かなり迫力がある。真下の釜に行くと周りは壁に囲まれており風圧が激しい。右岸巻き。落石の頻発するぼろいルンゼを登り適当に右にトラバース。しかしなかなか良いルートが見つからず右往左往した。結局急な落ち葉斜面を斜め下に降って行き、そこから急なチムニー状を登って巻き完了。1時間弱を要した。疲れた・・・。左岸巻きの方が簡単かもしれない・・・。

8:25 幸次郎窟:洞門の滝を巻いてすぐにすごいゴルジュ。両岸の高い岩壁がえぐられ、付き当たりには12m滝。左岸巻き。最後の方で垂直に近い岩+泥斜面のトラバースがあり、落ちたら死ぬことも相まって個人的にはここが一番怖かった・・・。NMTさんの助けを借りてなんとか突破。10m滝も一緒に巻く。


8:52 8m滝:巻き終えてすぐ現れる。ここは僕のリードで水流の左を登る。2ポイントほどフリクションで乗り越える場所があり、それなりに滑りやすいので怖い。登攀具を持ってきていなくて上部の木の枝までは支点がとれなかった。横Gはプルージック、NMTさんは末端確保で登攀。

9:27 煙突の滝(20m):ここもすごいゴルジュ。煙突の滝に近づくには微妙な登攀と泳ぎが必要なのでゴルジュの手前から見るだけにしといた。右岸巻き。ここはルートは分かりやすいが、急傾斜の落ち葉斜面のトラバースが連続して注意を要する。何本かまとめて巻く。20分ほど要したようだ。

9:58 多冶良渕(15m):明るくて気持ちが良い滝。左岸巻き。岩壁を上から大きく巻いた。


11:07 竹林院谷出合:ここに至るまでは岩間滝や巨岩が連続。この谷は大きい滝が無い区間はたいてい岩間滝や巨岩帯が連続する。疲れる。

11:45 阿古滝谷出合:ここに至るまでも同じく岩間滝や巨岩帯。微妙に巻きがあったりする。

12:05 阿古滝(50m):いきなり巨大な岩壁が現れ異様な感じ。水量は少ないが迫力はある。これを巻いたら終わりということでお気楽ムード。滝下でグダグダしつつ、温泉どこにしようかとか王将行きてえなあとか話してた。当然死亡フラグ。右岸巻き。途中で下から来た二人組partyに会った。15分ほどで巻いたと思う。


15:45 林道に下山:14時くらいに下山予定だったが・・・。北向きの尾根に乗ったところで急に道が荒れだし、赤テープも消失。しばらく粘ったが道を探すのは諦め、地形図的にはあってそうなのでそのまま進んでいくと尾根は崖になり隣のルンゼは滝になってどうしようも無くなる。行ったり来たりしてなんとか道を見つける。どうも地形図の道とは途中からかなり違うらしい。あとは延々と降って林道に辿りつく。いやあ疲れた・・・。


 20分ほど歩いて車に帰着。温泉に行ったあと王将へ。沢→王将というのは一時期あまりにも繰り返しすぎて嫌になったりもしたが、やはり良いものだ。BOXには21時過ぎに着いたと思う。


・他のメンツの感想

NMT氏「色々取り戻せた」

横G「洞門の滝は左岸から行った方がいい。楽しかった」


この記事へのコメント

Y川です。

とても良い沢でした。

ただ、結構苦労しました。

個人的には洞門の滝の巻きと下山中の道迷いが最もきつかったです。

洞門の滝の巻きは「さわナビ」と「関西起点沢登りルート100」では右岸巻きですが、帰ってから調べてみるとネット上では左岸巻きの記録もありました。現地での落ち口からの僕の印象でも左岸巻きの方が楽そうでした。大滝の巻き道はどれも緊張感があるので、面倒臭がらずにザイルを出した方が良かったかもしれません。

下山道は地形図上のルートが途中から信用できなくなるので、赤テープと踏み跡を頼りに進んだ方が良いです。僕は下山時topでかなり慎重に行ったはずなのですが、あのテープが消失した場所からの道はしばらく偵察してもよく分かりませんでした。とりあえず尾根らしきもの沿いに北北東へしばし下っていくと正規ルートらしきものと交差しました。そこで偵察を行うと、東側の尾根をトラバースするようにして明瞭な踏み跡があり、テープも高頻度でまかれていました。この道沿いになんとか下山できました。

苦労したとは言え、この谷のスケールと密度は素晴らしく、おすすめの沢です。

ある程度の沢登りの経験が必要だとは思いますが、ぜひ行ってみて下さい。かなり充実した山行になると思います。

Posted by Y川 at 2014年06月02日 22:06