この記事は旧KUWV-BLOGから移植したものです。
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現部長の平澤です。現在のワンゲルの内規を一部改変したいと考えています。
改変箇所は以下の2つです
【現在の内規】
京都大学ワンダーフォーゲル部内規
第一章 総則
第一条 当部は京都大学ワンダーフォーゲル部と称する。
中略
第八条 役員会が承認した山行において、最終下山日(予備日を含む)の午後6時までに留守本部に下山連絡がなかった場合、遭難したものとみなし緊急役員会を開き、以後、部の活動として別に定める遭難対策要綱に従い事故に対処する。
以下略
【改正案】
京都大学ワンダーフォーゲル部内規
(1992年4月7日制定、2007年1月○○日改正)
第一章 総則
第一条 (1)当部は京都大学ワンダーフォーゲル部と称する。
(2)当部は安全且つ自由度の高い登山等の野外活動を行う事、又其の為に技術の向
上と伝達 を行う事を目的とし、1956年4月16日に設立されたものである。
(3)当部の活動本部を京都市左京区吉田本町 京都大学学生部内に置く。
中略
第八条 役員会が承認した山行において、最終予定下山日(行沈を使い切った時点)の午後6時までに留守本部に下山連絡がなかった場合、遭難したものとみなす。其の場合、緊急役員会を開き、以後、部の活動として別に定める遭難対策要綱に従い事故に対処する。
以下略
第一条の改変は遭対金の運営の為です。平成14年の法改正の為に、サークルが郵便貯金を利用する場合には、団体の確認の為に規約を提出する必要が生じました。また、提出する規約の記載事項の最低条件として、
・団体の名称及び所在地
・団体の設立年月日(若しくは規約の制定年月日)
・団体の目的及び構成員の資格
・代表者による記載内容の証明(記載内容が正しい旨及び部長の住所、氏名、印章の押印)
以上四つが必要となりました。此れに対応出来る様に、第一条の内容を拡充する事を提案します。
第八条の改変は,遭難対策の見直しの一環としてです。現在部員に配布出来る様に遭難対策要綱の編集を行っていますが,其の過程で、予備日を完全に使い切ってから捜索を行うのでは手遅れになる場合が多いと感じました。現在の活動状況を見るに,沈を使うのはかなり厳しい状況に於かれている場合が殆どだと思います。又,予備日を使い切る迄在京部員が待ち続ける事も現実では有り得ないと思います。此れ等実情をふまえた上で,より安全性を高める為に第八条を改変し,部の体制を堅めたいと思います。
此れに関する意見等を,コメント欄に記入するか、平澤迄直接連絡して下さい。よろしくお願いします。
この記事へのコメント
改正案の考案、ご苦労様です。現役部員の中でこのような話を進めてくれるのはありがたい事だと思います。
遭難対策要綱の内容に関してはこれから役員会の場で内容を詰めていく必要がありそうですが、行沈を使い切った時点で~という方向性については、自分としては概ね賛成です。内規の文面についてはこれでいいのではないでしょうか。
気になるのは設立年月日ですが、これはOBの方に聞いても最早分らないでしょう…そもそも内規が出来たのが92年というのが驚きです。
それではまた役員会で。
Posted by 茸屋 at 2006年12月18日 00:01
茸屋さん、部長は設立年月日を過去の部報を見て書いたようですよ。部報の信頼度には不安が残っていますが…。
僕がざっと読んで気になったところとしては、第一章/第一条/(2)の
当部は安全且つ自由度の高い登山等の野外活動を行う事、又其の為に技術の向上と伝達を行う事を目的とし、…。
の箇所ですかね。
確かに上記のような目的で現在活動を行っています(と信じたい)が、内規に書くことを考えると目的を限定しすぎているようにも感じます。
目的→主目的
とすればより京大ワンゲルらしくなるのでは?どうでもいいようにも思われますが、一応意見しておきます。
遭難の定義に関しては僕もほぼ賛成です。ただ、行沈を使いきった時点を最終予定下山日なんて呼んでましたっけ?
Posted by M×10 at 2006年12月18日 05:29
ワンゲル設立当初の目的はよくわからないので、自由・安全をきちんと明記した上で,今の活動を根本に据える物としておけば良いかと思って書いてみました.野外活動としておけば今後活動が多様化しても対応出来ると思った部分も有ります.とは云え、何が起こるか判らないし,M×10の言う通り,主目的としても問題は無いでしょう.その他目的にすべき物って何か有るでしょうか?
設立年月日は,10号くらいの部報に掲載されていた記事から発見しました.其の記事自体が以前の部報からの転載だったので,信頼度はそれなりに高いとは思います.
「最終予定下山日」は、造語です.正確に書くなら「予定下山日を過ぎ,行沈として示される行動可能な予備日分の日数も経過した時点」という感じでしょう.きちんとこう書いた方が良さそうですね.
Posted by 部長 at 2006年12月18日 23:53
なかなか興味深い話をしてるな.
ワンゲルの設立に関しては,探検部と同時期ぐらいに山岳部から派生したとかハヤシさんが言ってたな.
なんでも設立には本田勝一も一枚噛んでたとか.
内規ができたのは90年始めの南岳遭難事件を受けて,当時の部員がそれまであいまいだった個人山行に関するスタンスを部としてはっきり制度に入れる必要を感じたから.
当時の議論は例の南岳遭難レジュメを参照してくれ.
時代とともに,技術も装備も状況も変化するんだから,部の制度も変わって当然だよな.
それについてはもちろん言うことはないんだけど,第8条に関しては,ちょっと君らの議論に興味があるんで質問.
改正案は,これまでの最終下山日を変える,つまり予備日の定義を変える(「行」だけにする)ことで,遭対の開始を早めることが目的なんだよね?そして「完沈」は救助を待つための待機時間になると理解したんだけど,いいかな?
そこでまずひとつめ,
1)実質的に予備日が少なくなることで高まるリスクはないのか?
予備日は,場合によってはリスクを回避するために積極的に使われる.ひょっとしたらそこが一番リーダーのセンスが問われるところかもしれない.そういう選択肢を奪うことになるのでは?
それから,実際にはこれからも「完」の日数分の食料を持っていくわけだけど,これは前進するためでなく,救助を待つために消費するするんだよね?それなら,
2)改正後の「完沈」の予備食は,これまで持って行っていた「非常食」とどう違うのか?
・・・別に救助を待つだけなら3食食わなくてもいいんじゃないか?
事故が起こった場合を考えたら,遭対が早く動いたほうがいいのは当然だし,結果的に判断が早すぎて何にも起こってなかったとしても,事故があって救助が遅れるよりは何倍もいいのも確かだ.
確かに,俺や先代を含めてこれまでは,予備日の日数に関してはかなり無頓着だったと思う.
比良とかの短い沢でも「行1完1」とか.
1日で抜けられるような山域で一日下山が遅れたら,何かあったと考えるのが確かに普通だ.
そういえば以前に由良川のサバイバルで,トロッコ道で30分で下山できる所なのに,「行1」つけろって言われたこともあるな.
あの時は,「あそこで一日下山が遅れたら確実に事故にあってますよ.ていうかそん時は多分川に流されてて,遭対が動いた時には俺は日本海ですよ」と言いたかったけど,当時は俺も若かったので結局「行1」をつけた.
それに,以前藪に「完沈」の水を持っていかないのも,確かに疑問だった.
藪の場合,重くなりすぎることのほうがリスクが高い(いわゆるラムズフェルド理論)と考えたんだろうけど,
夏の最悪のコンディションの中で,水無しでどれくらい救助を待てるのかは疑問だ.
他にも聞きたいことあるんだけど,なるべくディスカッションしてもらいたいので,まずこの上の1)2)の質問について現役の意見を聞きたいな.
匿名でかまわないんでいろいろおねがい.役員会ではあまり発言しない人もいるし.
あと,これはほとんどすべてについて言えることだけど,「最終下山日」とか「最終予定下山日」とか,とかの言葉の定義は重要じゃないんで,どんなリスクについて話しているのか,それらが相反する場合は何と何を天秤にかけているのか,本質的な議論をしてください.
なんというか,昔から役員会は議論が下手だと思うんで,ここらで一新して欲しい.
おれが部長のときもひどかった.
Posted by at 2006年12月20日 15:04
少し出遅れた。
第八条の『其の場合、緊急役員会』以降の箇所が少し気になる、かな。緊急役員会を開くことは、遭難対策要綱の流れの中にあるので改めて書かなくてもいいんじゃないか?
むしろその前の段階の『留守本部は部長(又は部長代理)に連絡をとり』云々を加える必要があるんじゃね?じゃないと現行のだと留守本が役員を召集する、ように見える。
あと、『最終予定下山日』なの?登山届等じゃ『最終下山予定日』じゃなかった?
Posted by 赤い車 at 2006年12月20日 15:18
名前書き忘れた...
多分分かると思うけど,上の上の書き込みは俺,俺だから.
Posted by 俺(25歳). at 2006年12月20日 16:16
先輩方、書き込みありがとうございます。お二方の意見について、こちらの考えを以下に述べて見ます。
>改正案は,これまでの最終下山日を変える,つまり予備日の定義を変える(「行」だけにする)ことで,遭対の開始を早めることが目的なんだよね?そして「完沈」は救助を待つための待機時間になると理解したんだけど,いいかな?
提案者の俺の意図は、まさに其の通りです。
>1)実質的に予備日が少なくなることで高まるリスクはないのか?
これは俺としても気になる部分です。合宿などの長期山行では、急な天候の変化に見舞われた場合等は一日二日様子を見ることは十分に考えられます。実際、昨年の西表でも一日完沈をしています。そのときは日程を一日短縮することで予定通りになったのですが… これに関しては、今までの行沈完沈の設定方法を見直しても良いかも知れません。例えば、エスケープが充実しているなどの理由で即刻下山が可能な部分が多いならば、長めの日程であっても行1とする、或いは救助自体に時間がかかると判断されるなら完を長めにする、といった感じでしょうか。設定基準が無いので、なかなか難しいかもしれません。予備日を少なく設定していた為に無理をする人が出てくるかもしれませんし、皆の意見が聞きたいところです。
>2)改正後の「完沈」の予備食は,これまで持って行っていた「非常食」とどう違うのか?
個人的には、非常食を各自で持ち歩くのは、一人はぐれてしまった際に必要ですから、パーティーとして所有している完沈分の食事とは若干趣が違うように思います。隊の行動として非常時に供える物なのか、それともあくまで自分が死なないようにする為の物なのか、という違いですかね。両者を兼用出来ないことも無いとは思いますが。
赤い車の先輩の意見に関してですが、緊急役員会のことは内規に明記しておいたほうが良いと思います。緊急に対応するところをアピールしときたいので。留守本が部長などに連絡する云々については、遭難対策要綱にはそのように書かれていますが、内規として固定せずとも良い気がします。状況によって様々な対応を取る必要がある箇所ですから。
そういえば、期限の連絡をするのを忘れていたので、この場にて連絡します。役員会の再開は1月10日ですから、其れまでの期間このブログにいろいろ書き込んでいただきたいです。再開してすぐに話し合いが出来るよう、出席される方はこまめに確認もお願いします。
Posted by 部長 at 2006年12月20日 16:32
行沈・完沈に関するところ、確かにこの機会にもう少し考えてもいいかもしれませんね。
そもそも行沈・完沈の定義の違いは、
「行沈」…行動はするが目的のテン場に辿り着けなかった場合の沈
「完沈」…一日まったく行動しない場合の沈
という違いだったと思います。少なくとも自分は入部時に某隊長にそう聞きました。
ですが、この区別は実質上意味を成していないように思います。
例えば、実際に入山中、何らかの理由で行動不能になれば定義上は沈ですが、ちゃんとした食料が有りながらわざわざマッシュを食するパーティーはないでしょう。そして、下山予定日を過ぎればマッシュ・乾パンを食べます。
そして最終下山日までの間、パーティーは行動可能なら頑張って遅れを取り戻すかエスケープを目指し、行動不能なら救助を待ちます。
そうなると、行沈と完沈の違いはなんでしょうか。どちらも「予備日」であり、行動可能・不能は関係なく、違いは乾パンの有る無しだけになります。(もちろん乾パンは行動中に食べられる、という利点があってのことですが)
今回の改正案に沿うならば、
①行沈・完沈の区別は無くし、まとめて「予備日」として扱う。予備食はその分持っていく。
②「予備日」の中で「遭対開始日」を設定する。(例えば部長案での「行2完1」なら「予備日3、遭対開始日3日目」とか)
③「遭対開始日」は山行形態により柔軟に変化させる。(上の由良川サバイバルの例なら「予備日1、遭対開始日1日目」とか)
というのが、私個人の案です。実質的には部長案と同じですが、遭対周りがいくらか分かりやすくなる気がします。まあ25歳の方のおっしゃる通り、言葉の定義が重要なのではないですが…
ここ数年、予定下山日をオーバーすることすらなかったので(それはそれで結構なことですが)、予備日に関する議論は棚上げにされていた感もあります。この機会に色々議論しておきましょう。
Posted by 茸屋 at 2006年12月22日 01:17
ここらでもうひとつ疑問を.
きみらが遭難対策要綱を作るにあたって,内規と矛盾する部分があるから変えるという話なんだろうけど,今のところ(第8条に関して)内規を変える必要性が感じられない.
1)不必要な予備日はつけない
2)非常食をきちんと持っていく
というだけの話なのでは?
これまでの議論はここの書き込みを見ただけだから,誤解してるかもしれないけど.
あくまで予備日は計画の一部だろ?
Posted by 星の子25(=俺) at 2007年01月05日 21:49
話をまとめてみましょう。今回の議論の目的は,遭難対策を早い時期に行える様にする事です。此の為に必要なのは内規第八条を変更する,若しくは予備日の定義を一新する事です。優先すべきは後者でしょう。予備日の定義が上手く出来れば,現在の第八条を変える事無く,遭難対策を早期に行う制度に出来ます。其れに,部の制度はあまりコロコロ変えたくないですし。
しかし,現段階では内規を変える可能性も視野に入れておきたいと思います。予備日の定義が話し合いの結果どのようになるか判りませんし,定義を明文化する必要も生じるかも知れませんので。
初めに第八条を変えようかと思った時には,予備日自体を変えれば良いとは思いつきませんでした。灯台下暗しというやつですね。先ず初めに予備日の定義についてしっかりとディスカッションを行い,其の結果によっては内規に若干の修正を加える,と言うのが現在の俺の考えです。
Posted by 部長 at 2007年01月06日 16:11