御池岳

S藤です。6/17(土)~18(日)に個人山行で鈴鹿山脈の御池岳などに行ってきました。I坂partyがpart1で御池岳~藤原岳~竜ヶ岳に行っている裏側でぶらぶらできて楽しい2日間でした。

メンバー:S藤

概念図は以下の通り

I坂partyのドライバーとして鈴鹿の鞍掛峠まで送り、そこから宇賀渓まで迎えに行くことになった。その間にどこか登りたいなということで、1日目:鞍掛峠~御池岳~三国岳、2日目:宇賀渓駐車場~砂山を周回、というルートで行ってきた。

1日目:鞍掛峠~御池岳~三国岳~鞍掛峠(ピストン)

~鞍掛トンネル西登山口

詳細はI坂party part1 鈴鹿に書いてあるので、そちらへどうぞ。


8:00 鞍掛トンネル西登山口

I坂partyをお見送りして少ししてから出発。この時点ですでに暑い。暑さにやられそうで不安だが歩いていく。出発が少し早かったのかI坂partyがちらちら見える。抜かさないように登っていたのでちんたらペースになっていた。鞍掛峠まで着くと、お地蔵さんがお出迎えしてくれた。ここは三国岳と御池岳の分岐であり、三国岳に先に行くか、御池岳に先に行くか一瞬悩んだが、本来の予定通り御池岳に先に行くことにした。バテてしまって御池岳に行けないのは悲しいしもったいない。三国岳は最悪のぼれなくてもいいし。ということで御池岳を目指してしばらく登ると地面にはコケが生えていた。鮮やかな緑色でとても心が癒された。あっという間に背の高い木はなくなり、周りを見渡せるくらいに視界が開けていた。後ろを振り返るとあとで登る予定の三国岳や鈴鹿最北の霊仙山、その北の伊吹山もはっきりと見えた。正面には鈴北岳、鈴ヶ岳も近づいてきており、すぐ山頂にまでたどりついてしまった。

行ってらっしゃい!

鞍掛地蔵

左:霊仙山 中央:伊吹山

9:40 鈴北岳

山頂直前のドリーネを右に巻いたら鈴北岳山頂到着。テーブルマウンテンというから真っ平をイメージしていまっていたが、意外と起伏があるんだなという印象だった。360°見渡せる展望だったがやはり北側の伊吹山や霊仙山が目立っている。このテーブルマウンテンを一周するのが今回の第一目標であったので早速出発する。テーブルからははみ出ていると思うが、まずは北西の鈴ヶ岳に向かった。地形図と山頂までに見えた山の姿からある程度想像はしていたが、鈴ヶ岳までの道のりは急な下りと急登であった。途中からバイケイソウがすごく多く咲き出して興奮したが、じめじめするし、ぬかるんですべるし、下り坂は急だしでとても大変で鈴ヶ岳に行く気が失せてきた。なんとかツルっと滑らずにヒルコバへ到着した。ヒルコバってなんだかヒルが大量発生していそうで嫌な名前だな。ヒルコバからの登りも下りと同じような感じだが、登り坂のため暑さがさらに気になった。

バイケイソウ

9:55 鈴ヶ岳

ヒルコバからの坂を登りきると、木が少なくなり石灰岩が露出しているところがあり、良い雰囲気だった。ほのかに動物園の臭いがしたのは鹿の臭いだったのだろうか。休憩は取らずにさっと出発しヒルコバまで道を戻る。やはりぬかるんでいて滑りやすかった。ヒルコバからは鈴北岳には戻らず、谷を下って別の尾根を登る。道がやや不明瞭でぬかるんでいた。登りは背丈ほどのバイケイソウの隙間をかき分けていくような感じだった。傾斜が緩くなってきたところで鹿が走っていくのが見えた。山の中で出会ったなかでは一番距離が近かったのではないかと思う。傾斜が緩くなったのでテーブルマウンテン周回が再開して南東に進む。御池岳の名の通りお池がたくさんあった。一つ目のお池を通り過ぎたところせ再び鹿に遭遇した。今度は数匹が急斜面を駆け下りて行った。どこに行くのかは知らないが、同じように駆け下りることができたら気持ちいいだろうな。小さなアップダウンを繰り返しながら御池岳山頂をめざして南東へ進む。不明瞭なところがあるので迷わないように気を付ける必要はあるが、池があったり、カレンフェルトがあったり、草原があったり、木が生い茂ったりしていて面白い道だった。南側が開けている場所が数か所あり、そこからは、綿向山や雨乞岳、御在所岳が見えた。さらに進むと隠れていた釈迦ヶ岳や竜ヶ岳も姿を現し、一人で大興奮していた。

鈴ヶ岳

苔むした石灰岩

10:50~11:10 御池岳

登るにつれて一面に石灰岩がゴロゴロしているなと思ったら山頂に到着した。意外と近かった。山頂で食パンとバナナを摂取してちょっと休憩。山頂の景色は北側が少し見える程度だが、なかなか良い雰囲気だった。鈴鹿のいろいろな山に短期間で登ることができて嬉しさと楽しさが限界突破しそう。十分に休憩をとったら周回再開。ここまでの道はどちらかといえば木がたくさん生えていて森の中を進むという感じだったが、ここからは木が少なくなって日向を歩くことが多かった気がする。御池岳からすぐに天狗鼻に到着。何が天狗鼻なのか分からなかったが、少し進んで振り返ると、岩が出っ張り天狗の鼻のように見えた。そこからまたすぐにボタンブチに到着。両方とも景色が良く切り立った崖でとても似ている。アップダウンは激しくないし、良い天気なので優雅なピクニックをしているかのようだった。

天狗鼻

ボタンブチ

11:45 東ボタンブチ

蝶や蛇とすれ違って30分ほどで東ボタンブチに到着した。ここまで来ると藤原岳も見えて鈴鹿の山々が大集結。そんなことされたら全山縦走したくなってしまうではないか。藤原岳の方向をよく見るとI坂partyが目指す藤原山荘らしきものが見えた。今頃どこまでたどり着いているのだろうかと気になった。東ボタンブチでテーブルマウンテンの南端、東端なのでぐるっと回って北西に進んでいく。北の視界が開けると再び伊吹山と霊仙山が見え、養老山地もしっかり見える。贅沢過ぎて感動してしまうよ。奥の平という快適な昼寝ができそうな場所を越えて御池岳にただいま。

東ボタンブチ 

左:藤原岳 中央~右:竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、綿向山

奥の平 奥:養老山地

奥の平

左から釈迦、御在所、雨乞、綿向、天狗堂

12:05 御池岳

先ほど通っているので通過するが、なんか混んでいた。ここから鈴北岳までは他の山は見えないが、ドリーネが見えたり、シダが茂ったりしていて、それはそれで楽しい。下って下って、窪地に沿って道を歩いて、鹿に見つめられて、ハンミョウに先導されて、ちょっと登ったらあっという間に鈴北岳。辺り一面のシダがきれいだった。

見つめる鹿

ドリーネのお池

はんみょ~ん

12:25~12:35 鈴北岳

鈴北岳に登ってくる方向が行きとは違っていたので、たどり着くまでの雰囲気がかなり違うように感じた。行きではすぐに鈴ヶ岳をめがけて出発してしまったので、今回はゆっくり過ごす。御池岳、テーブルマウンテンの一周が完了して大満足で達成感も大きかった。興奮が収まらず、鞍掛峠まで駆け下りる。結果、20分もかからず鞍掛峠まで下りてきてしまった。ここから帰るか、それとも三国岳、その北の烏帽子岳に登るか。正直行かなくても満足なのだが、せっかくなので本来の予定通り登っていく。しかし登り始めていきなり急登が立ちふさがる。急すぎて一瞬後悔するが、自分を奮い立たせて登る。すぐに焼尾山との分岐に到着するが、工事中で焼尾山は立ち入り禁止だったので三国岳へ向かう。まあ、通行できないのは知っていたからへこみはしない。痩せた尾根を下り、下ったらまた急登。正面に大迫力の三国岳が見えるが全く興奮しなかった。帰りも同じ道を通ることに嫌気がさしてしまったが、とにかく登り、登り切ったら三国岳最高点。ケルンと標識があるが、周りに見えるのは木しかない。そこからはすぐに三国岳に到着。滋賀、三重、岐阜の県境に位置することから三国ってことかな。疲れていたのだろう。否定的なことしか思い浮かばないが、行かなければよかったとは全く思っていない。

左:三国岳 右:烏帽子岳 

御池岳と鈴ヶ岳

13:30~13:40 三国岳

木の隙間からは御池岳と鈴ヶ岳が見えた。間の鞍部がヒルコバだと思うとかなり分かりやすくて面白い。烏帽子岳まで行くつもりでいたが、コースタイムは往復3時間で、自分のモチベーションも低く、バテかけていたので、烏帽子岳までは行かず来た道を戻る。またの機会に行こう。帰り道も同じように当然、坂は急で痩せ尾根なのだが、これだけだと思うとやる気が出てきた。焼尾山分岐からの急な下りも越えたら鞍掛峠に戻ってきた。そういえば三国岳の往復ですれ違った人は御池岳と比べて桁違いで少なかった。距離と標高差だけ見ると大したことはないが、なかなかにハードな山だった。さっと鞍掛峠を下って駐車場へと戻る。

14:25 鞍掛トンネル西登山口

下山。車を開けると車内はとても暑かった。この熱気で夏になったことを実感する。疲れたので温泉へ行く。阿下喜温泉へ行ったが臨時休業だったので、いつものようにアクアイグニスへ向かった。スッキリしたら宇賀渓駐車場で車中泊じゃ。20時ぐらいに宇賀渓に着いたが誰も誰もいなかった。

2日目:宇賀渓~砂山(周回)

4:30 起床

普段は起きられないが、山では明るくなったら起きてしまう。駐車場には車が新たに一台増えていた。I坂partyの下山時刻を考えると早く登り始める必要はないので、車で2時間程度のんびりした。1か月前に竜ヶ岳に登ったばかりだったので、今回は砂山というところに行き滝を見ながら駐車場に戻って来ようと思う。

6:35 宇賀渓駐車場

竜ヶ岳の方面には行かず砂山を目指す。登山口にはアジサイが咲いていた。砂山の直前までの道は遊歩道と表記されるほど整備されていて歩きやすかった。休憩所のようなベンチも3か所ぐらいあり、アカマツやコナラなどの木には名札がくくりつけられていて鈴鹿の植生観察もできた。しばらく進むと分岐があり、そのまま遊歩道を進む道と尾根上を歩く道に分かれていた。尾根の方に進むと、いきなり正面には竜ヶ岳、左には釈迦ヶ岳がこんにちは。花崗岩が露出した道になり、雰囲気が一気に変わり砂山まで楽しい岩場を通ることができた。

いーわー

7:20~7:40 砂山

山頂は街並みが見えて、素晴らしい展望だった。早く下りても仕方がないのでゆっくりした。雰囲気が良くてずっとここにいたいの思ってしまった。重い腰を上げて出発するとしばらくして93の標識を発見した。85ぐらいの標識まで行ったところで小峠に向かう道との分岐に着き急な下り坂になった。落ち葉が多くてとても滑りやすかった。滑らないように注意しながらしばらく下り、川までたどり着いた。

いい感じ~

釈迦ヶ岳がチラリ

竜ヶ岳がドーン

8:15 長尾滝

何度か渡渉してハシゴを降りたらきれいな滝が見えた。滑ったり濡れたり、ヒルに噛まれたりしなくてよかった。ハシゴを降りてすぐのところが長尾滝らしい。エメラルドグリーンの滝を独占できて秘境に来たような気分。宇賀渓では6個の滝が見られるらしいので全部見て帰りたい。ヒルが多そうな道を歩くこと約20分で五階滝に到着。5段あるらしいのでこの名前のようだが、5段全部を見ることはできなかったので残念だった。ここまで人にはすれ違わなかったが、中道登山口が近くにあるのでここからすれ違う人が少しずつ増えてきた。金山登山口を通り過ぎるとさらにすれ違う人が増えた。10分ほど下って魚止滝の矢印に従うとすぐに魚止滝が見えた。これは滝の両側が張り出していてカッコイイ。このすぐ近くに白滝があったが、魚止滝は大迫力だったので少しショボく見えてしまった。丸太の橋を渡り、ハシゴを登ったら舗装路に出た。遠足尾根取付や竜の雫なる水場を通り過ぎ、キャンプをしている人を横目にみて少しすると駐車場に到着。キャンプ場の方向に少し行くと御所滝があった。水量は少なく感じたが2段になっていて他の滝とはまた違う良さがあった。計5個の滝を見ながら下山することができ満足度が高かった。残りの1つは魚止滝の奥にある燕滝という滝らしいがそこまで行ルートは通行できないらしいので仕方がない。

9:30 宇賀渓駐車場

帰ってくるとガラガラだった駐車場は満車ではないものの、ほぼ埋まっていた。I坂partyを待つ間、ソフトクリームを食べたり昼寝したりして優雅な午前中を過ごした。12:30ごろに皆帰ってきたので宇賀渓を去る。1日500円の駐車場だが1000円した。24時間で500円ではなく、0:00で値段が切り替わるのかな。ここからはI坂partyと同じなのでそちらへどうぞ。

かぶせ茶のソフトクリーム

行きたかった御池岳に行くことができて、テーブルを一周できたので非常に満足でした。個人で鞍掛峠までいくのは面倒なのでドライバーとして連れて行ってくれたI坂partyには感謝です。砂山も宇賀渓の滝も短時間で行けるわりにダイナミックで面白いのでオススメです。もし沢メンになったら宇賀渓から遡行して竜ヶ岳に行きたいです。烏帽子岳には今回は行けなかったので今度リベンジします。なんだか鈴鹿山脈に行く頻度が多い気がしますが、まだまだ飽きる気がしなさそうです。