F間party合宿 

祖母・傾

念願の合宿を敢行できました。当初は大崩山系を含む4泊5日の長めの縦走の計画でしたが、結果タイトルにもある通り祖母山〜傾山の縦走になりました。タフの一言に尽きる山行だったと思います。

3/11-14 sat.-tue.
メンバー:藤間(CL/医療/記録), 佐藤(SL/気象), 岩井(装備), 鳥巣(食当), 森末, T部(客人), I坂(客人)

大方のルートは下の通り↓

あらかたのルートは左のとおり。

実際には2日目にCS2の九折越小屋にたどり着いたあと、1日沈をして、4日目に傾山へピストンしてからEsc2を使って下山しました。

集合まで

2022年度の締めくくりとなる山行は大分〜宮崎の祖母山系と大崩山系へ。T部partyが屋久島に行くらしいので接続を図れたし、参考になる記録(2018年度F崎party)があったし、長めの泊をみんなに経験して欲しかったので。九州の山は個人的にはメインどころはもう全部抑えたはず。

入山予定の3/11朝9:00前に豊肥本線緒方駅集合とした。各自のどかな春休みを送っていたメンバーは叩き起こされるような心持ちで集合場所へ向かったことだろう。CLは前々日に地元でT部と合流し、一緒に18切符で大分へ向かった。正しいお好み焼きにあまりご縁がないというT部を道中広島駅内の麗ちゃんへ連れて行った。今後ワンゲラーは18切符で九州へ行く際には必ず広島で下車し、お好み焼きを食べるように。大分駅前でジャンカラ泊をし、当日朝の大分駅であらかたのメンバーと合流して7:01発の緒方駅への電車に乗り込んだ。4泊5日なのでみんなの荷物は当たり前のように過去一で重かったが、中でも食当の鳥巣は米5kgを詰め込むなどして尋常ではなかった。岩井もギリギリに到着して、無事全員バスに間に合った。

1日目:緒方駅〜尾平鉱山(入山)〜 祖母山九合目避難小屋(CS1)

行程

9:13   バス発
10:40 行動開始
12:15 入山地点着
12:45 入山
14:05 2合目


15:58 宮原(Day1 ルートが折れ曲がっていて稜線に出る部分)
17:25 CS1着

20:00ごろ 就寝

〜入山

緒方駅から入山地点の尾平鉱山まではバス(豊後大野市コミュニティバス)で行けるはずだった。激狭マイクロバスに7人詰め込んで山道を揺られていると、目的地から10km弱離れたところのバス停で「この先は道が台風(かなにか)で崩落していて、復旧はしたもののまだバス(ハイエースだが)は通れない」旨をいわれて降ろされた。撤退を覚悟しながらも地図と睨めっこした結果、8km程度なので歩いて入山地点まで向かうことにした。ここまでで10:30前の出来事であり、1日目のCTは4時間台で日没は18:02、また時間的・体力的に厳しい場合でも入山地点で0付をし、Esc2を使って2泊3日にすることができるので、撤退を除いては一番安定する選択肢だったと思う。この不通の件はHPにも書いてたんですけどねぇと言われたが、そんな覚えはCLにも他のメンバーにもなかったので理不尽に思った(後日確認したら記載されていて、ごめんなさいと思っている)。10:40に降りたバス停から歩き始めた。3月の九州はすでに重荷を背負って歩くには暑かったので、1時間半程度でもひどく体力を消耗した。

無間地獄

入山〜CS1

12:15に入山地点の尾平鉱山についた。道中の道はすでに完璧に復旧整備されており、ハイエースが通れないなんてことはありえないので豊後大野市の怠慢であるとわかった(恨言)。電波が届いたので留守本に一連の状況と判断を伝え、疲れていたので20分休憩して12:35出発とした... が岩井がもたついたので12:45に入山した。佐藤→岩井→森末→鳥巣→客人s→CLのオーダーにしたが、森末が遅れそうだったのですぐ secに置いた。

13:25-35 例によって急な上りなので最初ははやめにレストをとった。この日はCTが短いので急かさずゆっくりと歩いた。

14:30-40 三合目付近からしんどくなってきた。岩井をsecにうつし、しばらくしたら鳥巣も遅れてきたのでsecに置いた。佐藤の後ろを歩くとみな回復していくようだ。気がついたら佐藤以外の一回生も食パンを貪り食うようになっていた。おそろしい。

15:58 宮原に着いた。テントをはれるような小広場があると何かの情報で見たが、実際1,2張ならいけそうだった。16:15までレストをとった。岩井・森末・鳥巣はこのレストでぐったりしていた。標高からしてここからの稜線は急な登りもないとか励ましながらCS1へ向けて発つ。

宮原以降の稜線は眺めがよく、翌日縦走する山々がよくみえた。気持ちが高鳴る人もいれば、気持ちが遠くなる人もいた。U字に曲がった稜線なのでやまびこがすごかった。こんなに綺麗におうむ返ししてくる山彦には初めて逢った。

17:25にCS1の祖母山九合目避難小屋についた。夕暮れ風味だがまだまだ明るいうちに間に合った。天気図は書けなかったが電波が届いた。この避難小屋は6年ぐらい前までは有人小屋だったため、中にはこたつや布団があってとても小屋泊をしたかったのだが、先客がいたため諦めてテントを張った。この先客は祖母山へ1泊2日で行くそう。自分たちと同じところから入山したらしいので、バス不通でどうしたんだと訊けば、タクシーを使ったとな。うらやましい高校生だこと。

テント場は小屋から1分ぐらい下にあった。4泊5日の計画ということで水場には苦労したものの、CS1の水場はエアリア・YAMAPの写真(半年前)からも確実にあるとされていた。その水場が枯れていた。バス不通以来6時間ぶりの核心に激突したわけだが、しばらく地図と睨めっこしてそれでもダメそうだったので、ワンチャンさっきの小屋にいた青年に水をどうしたのか聞いてみたら、小屋の奥の方にきちんとした水場があった。たすかった、たすかった。

晩ごはんは先ほどつかみ取った潤沢な水で鍋。新お米マイスターI坂が計量カップ(CLの水筒)を用いて炊く米はたいへん美味であった。鍋の残りは持ってきた卵で雑炊になった。I坂がマシュマロを持ってきてくれたのでバーナーで炙りながら食べた。前期と同じで一般的な人気は得られなかった。

4泊5日の1日目にして核心すでに2つの大変な1日だったが、明日以降は(天気が好転しつつあったし)順調にいきそうだったので安心していた。刹那、パァンと乾いた音がして岩井のヘッドライトが割れた。幸いにも予備ヘッドライト(←???)を持っていた森末のおかげで事なきを得た。明日は6:30ごろの日の出で祖母山頂に居たいので6:00出発、のために4:30起床とし、20:00ごろに寝た。

入山

CS1

2日目:祖母山〜障子岳〜古祖母山〜本谷山〜九折越小屋(CS2)

行程

4:30 起床
6:00 出発
6:22-39 祖母山頂着
9:28-33 障子岳
10:31-51 古祖母山頂
12:03-15 尾平越(Esc1分岐)


14:45-00 本谷山
16:45 九折越小屋着


21:00ごろ 就寝

〜祖母山頂

朝の気温は氷点下付近。CLは4テンに3人で寝たため寒くてやけに寝汗をかいた。テントから出るのが遅れたので反省点。岩井が出てくるのはその15分ぐらい後だった。流石に遅すぎる。後輩たちの顰蹙を買ってもおかしくはない。朝ごはんは食パンだった。今後パーティ山行に行くことも減るとなると山の朝に生食パンを頂くのも最後か、と寂しい...ことは微塵もなく嬉しく思った。朝の準備がもたつくことを見越して4:30起床にしたのだが、本当にもたついて6:00出発ちょうどになった。岩井はテントから出るのが遅れる→周りより遅れてごはんをたべる→その間に他の人がテントをしまうという悪循環をやめてください。祖母山頂へは出発してすぐ着いた。

祖母山頂では6:30すぎの日の出を見るために20分ぐらい消費した。今思えばあまり祖母山頂での日の出を待たずさっさと先へ行った方がよかったと思う。祖母山からの景色自体にこだわる意味もなかった(これは傾山頂に行った後だから言えることだろうが)。

雲の稜線

祖母山〜障子岳〜古祖母山

祖母山付近の醍醐味はこの稜線路にあるように感じる。山の形がはっきりしていて男性的であり、先までよく見えた。これから自分が行くところがどんなところかがわかっていると、気持ちとしても楽である。祖母山頂からすぐの下りは急であり、ハシゴが多く現れたのでヘルメットをつけさせた。この下りだけでYAMAPのコースタイムをずいぶんと越えたが、大人数だし慎重なのは仕方のないことだ。

8:10 祖母山と障子岳の中間部分付近でレストをとった。今回から行動色に芋けんぴを採用したが、軽いしうまいし高カロリーだしとても良かったのでみんなにも売り込んだ。

9:28-33 障子岳に着いたのでレストをとった。眺めが良い。天気も良くなった。

10:31-51 コソボ山についた。そこそこ疲れている感じだったけど、みんなはまだ楽しげだった。ここまでレスト込4.5hは地図で見ると良いペースだし実際そんな感じだったが、ここからの道が途方もないので、同じコースを行く人にはもっと巻いた方がいいとアドバイスしておこう。

圧巻の縦走路

いやだ

コソボ山にて

古祖母山〜本谷山〜九折越小屋

真に地獄であった。頭の中が苦痛でいっぱいだったので書くことは特にない。古祖母山は標高1650mで、そこから尾平越(Esc1分岐)まで400m下り、本谷山まで400m上り、九折越小屋まで300m下る道なので距離の割りにしんどい。

12:03-15 尾平越についてレスト。つらそうなメンバーの中でも岩井は特に遅れていたが、佐藤とI坂の間に挟むと回復するらしい。

13:11に丸山付近のCS可、水場についた。テントも張れるし水場もちゃんとしたものがあった。

13:26-36 レストをとった。長めの泊山行はメンタルゲーであることを痛感した。I坂と森末がなんのひねりもないしりとりを始めた。

14:45-00 本谷山に着いたのでレスト。当然大多数が干からびていた。佐藤は早く出発したかったかもしれない。曇り始めてきて、雨粒がぽつんと落ちてきたので、急かすように九折越小屋に向かった。

本谷山〜九折越小屋はCT2.5h弱だったが、ものすごく巻いて16:45に九折越小屋についた。あとすこしで早く着きたかったのか、雨に降られて濡れるのが嫌だったのか知らないが、よく高速で歩くだけの体力が残っていたものだ。やっぱりメンタルゲー。

2日目全体で9h弱のコースタイムだったはずだが、行動時間は11時間弱になった。こうなった原因には、レストのたびにチンタラしていたこと、1日目入山前の無駄な歩きが響いていたこと、士気の低下などがあった。もしかして全部CLのせいか?

中間地点らしいが、体感的にはもう80%

やったぜ。

CS2: 九折越小屋

小屋自体に水場はないが、九折越の分岐(小屋から30mほど)を2分ぐらい降りた場所にちゃんとした水場があった。中は板張りで、20人弱ぐらい寝れるぐらいのスペースがあり、7人で贅沢に使用した。

さて、本来ならば翌日傾ピストン→九折越を南に降りて残り2泊だが、天候がよくない。13日朝の気温が氷点下で風速が15m/sだったので、とても当初の予定で傾に行くことはできなかった。

選択肢としては次の五つがあった。
1. 翌日傾ピストンをカットしてそのまま南のCS3に向かって計画を続行する。
2. 翌日傾ピストンをカットして北のEsc2に向かって下山する。
3. 翌日は沈して翌々日傾へ行き、南のCS3に向かって計画を続行する。(予備日1日を使う)
4.  翌日は沈して翌々日傾へ行き、南へ行ってEsc3またはEsc4下山をする。
5. 翌日は沈して翌々日傾へ行き、北のEsc2に向かって下山する。

3の選択肢が傾山と大崩山をどちらも行ける(しかも天気良好)唯一の選択肢で、これが一番望ましかったが、後に控える屋久島PWとの接続もあり、できなかった(個人的にはここが一番くやしい)。長めの泊山行をするときは特に、前後の日程は柔軟に対応できるようにしておきましょう。

見事なまでの冬型
(しかも寒冷前線付)

真っ青なてんくら

かくして傾と大崩の2択を迫られたのだが、傾の方が眺めが良かったし、メンバーの疲労が大きくてCT通りにこの先完遂できる見通しが立たなかったし、氷点下でこの先のCS野営が確定していたし、ここまでトラブルが連発してガリガリになっていたため、5の選択肢がとられることになった。ゆるふわな判断だといわれても文句は言えない。迎えのドライバー中村に連絡が取れたことを確認して、一応明日朝再び天候をみてみることにした。Esc2後のアプローチが行きのバスの件で不安になって豊後大野市に問い合わせてみたが、問題はなかった。

晩ごはんは肉じゃがだった。あんまり記憶がない。20:00を過ぎたごろに寝た。

3日目:沈

朝起きても予報は変わらず、風も強かったので改めて沈を宣言した。みんな嬉しそうで、動物としては嬉しかったが、CLとしては複雑だった。テントのフライを干したり、小屋内でテント本体を張ったり、4日目の夕食のガパオライス(超絶品)を昼に食べたりしたが、基本的には終始ボドゲをしていた。晩御飯はカレーだった。

4日目:九折越小屋〜傾山〜九折越〜傾山登山口(Esc2)

行程

4:30 起床
5:40 出発
6:30 後傾
6:44 前傾


8:02 九折越小屋着
8:52 出発
12:19 下山

傾山頂付近で日の出を見るために4:30起床5:00すぎ発としていたが、やはり岩井があまりにも遅かった。コンタクトで手間取るならめがねにしてください。起きたら氷点下1.5℃ぐらいだった。とても朝ごはんはおしることもちだった。そう、そういうのでいいんだよ。ずっとそれにしてくれ。それにしても、小屋の中なのに起きて出るまでに70分って異常じゃないですか?

夜明け前の九折越を爆速で歩いた。ピストン装備なので。沈をしたことによって皆気力体力で漲り、エネルギーを後方からでさえ感じた。T部と駅名しばりしりとりをやっていて、洛西口・嵐電嵯峨以外のらと、るに苦しめられた。6:20ぐらいの日の出だった。

6:44に山頂についた。傾山の頂上部分は前と後ろの二段構えで、前傾が山頂として扱われていた。天候は雲一つない快晴で、そのおかげで抜群の展望だった。九重連山・由布と鶴見・大崩山系なども全て見えたが、とりわけ感動的だったのは祖母山からここまでの、つまり2日目の道のりがすべて見えたことであった。死後に自分の人生を全部眺めた時と多分同じ感想だった。各々写真をとったり、休憩したりして20分ぐらいして、7:00前に下山し始めた。復路も駅名しりとりは継続するなどしたが、自分はMAXにトイレに行きたくて何も覚えていなかった。8:02に九折越小屋についた。

船長鳥巣

小屋についてから踏ん張ったり、岩井の指にすいばりが刺さったり、小屋の掃除をしたりしていたら小一時間も過ぎていた。まぁ今回は時間に余裕があるので不問だろう。8:52に出発してEsc2へ向かった。

Esc2への道はただ長いだけだった。キノコまみれで不快極まりなかったが。あとは長い舗装路歩きがヒザにきた。12:09に下山した。

その後

下山した後は行きと同じバスで緒方駅→大分駅までみんなでもどった。そこから帰宅する人は帰宅し、残ったCL, T部, 佐藤, 鳥巣は迎えにきてくれた中村のレンタカーにのって大崩山へ向かった。個人山行という形で大崩山もいけたので満足している(記録はそのうちあげるかもしれない)。

大崩山から降りた後は屋久島へ行くために鹿児島へ車で向かったのだが、道中の車内で鹿児島の宿が使えないことが判明し、無事CLとT部(と合流したI坂)はジャンカラ泊へと収束した。鹿児島市内の公園でコッヘルを洗い、コインランドリーに行き、モスバーガーで民放に映り込み、買い出しをし、そして屋久島へに港に向かった。

まとめ

3回の山行とアイゼン講習、合宿を全て遂行できてCLとしてとても満足しています。ちょっと準備不足な感じも否めなかったですが。part1からガッツリ遠くに行ったにも関わらずついてきてくれたメンバーに感謝します。後期も含めて、今回の長路を歩いたことは自信にしましょう。今回の4泊5日は、また数年後に誰かのパーティーがチャレンジしてくれたら面白いかもしれません。

佐藤:文句のつけようがない。来期はCLとして存分に活躍してください。
岩井:全ての行動を巻きましょう。
森末:11時間歩けたんだから体力十分。
鳥巣:食当おつかれさまでした。
I坂&T部:たのしめましたか?